2022年
調@大人向け他
PAST塚不二オンリーWebイベント「MY HOME」を記念して、2022年発行された塚不二はじめてアンソロに寄稿させていただいた塚不二SSを再掲いたします。未来、ふたりの家に至る、そんな塚不二のはじめての隣、おかえりとただいまの話です。”受け取り、自室に戻ってくると、不二が笑顔で手塚を迎えた。”
はじめての隣 一
「隣、いい?」
ふわりと声が落ちてきた。青空から光が降りたと錯覚する、居心地のよい声だった。自分にはついぞない感覚だ。手塚は内心驚きながら、「うん」と彼――不二へと応(こた)えた。
不二はにこりと微笑んだ。彼と知り合い半月ばかり。なんら含むものもなく、素直に澄んだ微笑もあると、今では手塚も知っていた。知ると同時に近くで見たいと思ったが、彼が隣に座るのは――彼の隣に座るのは、これが最初のことだった。
部長の訓示が途切れたときに、手塚はちらと横を見た。膝小僧の小さなまろみが目に飛び込んで、慌てて前を見、またゆっくりと隣の彼へと目を戻した。見たいという望み、あるいは欲望――少し違うように思う。自然な首の動きであり、自然な心の動きだった。
5454「隣、いい?」
ふわりと声が落ちてきた。青空から光が降りたと錯覚する、居心地のよい声だった。自分にはついぞない感覚だ。手塚は内心驚きながら、「うん」と彼――不二へと応(こた)えた。
不二はにこりと微笑んだ。彼と知り合い半月ばかり。なんら含むものもなく、素直に澄んだ微笑もあると、今では手塚も知っていた。知ると同時に近くで見たいと思ったが、彼が隣に座るのは――彼の隣に座るのは、これが最初のことだった。
部長の訓示が途切れたときに、手塚はちらと横を見た。膝小僧の小さなまろみが目に飛び込んで、慌てて前を見、またゆっくりと隣の彼へと目を戻した。見たいという望み、あるいは欲望――少し違うように思う。自然な首の動きであり、自然な心の動きだった。
ひの豆⭕️
PAST洋ゲーフェス2025展示漫画2022年9月11日チキフィ2発行「掌」の期間限定web再録です。
完売済みですが原型の「手の話」は常時公開してます(https://www.pixiv.net/artworks/99590974) 24
fucafuca01
DONE『選挙漫遊魚、センキョに行く。』2025.5.11発行(文学フリマ東京にて初頒布)
B6 44P 会場頒布価格:600円
2022年参議院選挙、2023年統一地方選挙、2024年都知事選、衆議院選挙の4つの選挙を巡った選挙漫遊魚のレポートです。 3
いぬっち
PAST2022年に描いたものを発掘しました。無配本の表紙用に描いたもののお流れになったので線画はWEBイベントのサークルカットに流用しましたが、色を塗ったものはどこにも出してなかったと思うのでこちらに。redmoon_rkrn
PASTりーにゃさん(@rkrn1025doikiri)が2022年に発行された土井きりアンソロ『僕の生まれた日』に寄稿させていただいた作品です。テーマはきり丸の誕生日。卒業直後の年齢操作、土井(31)×きり(16)です。パスワードは二人の元々の年齢を並べてください。 16
tochka
TRAININGJCケッソンジョセシが見たいという不純な動機で描き始めたパロです。頭を空っぽにしてお読みください。
溜まってきましたのでここをlog①としlog②へ続きます。
(2022年12月〜初出)
続きはlog② https://poipiku.com/349931/10051873.html 39
kesotty
PAST【Web再録】2022年5月3日発行の、ほんのりログトロ+コントロなネップリ本です。絵が古いのですが好きを詰めて描いたので愛着はあります。2025年4月13日頃まで公開中。 16HAZURE_Mapo
PAST金カム2021〜22年辺りで描いたものが中心です
最後の3枚は2022年のARスタンプラリーが博物館系だったのが嬉しくて、(前の年は駅とか空港だった)行ったことあるところの紹介として書きました 14
NoiseHumanrace2
MEMO2022年のエイプリルフールに自分のTwitterを乗っ取っていたIsaacのスクショ。1枚目は原文の切り抜きを合わせたやつ、2〜4枚目はそれぞれの切り分け、5枚目は全体像。
6枚目は和訳の切り抜きを合わせたやつ、7~9枚目は和訳で10枚目はその全体像です。
最後のはスマホ返してもらった後の自分の反応。
マジでSNS使いこなしてたなぁ〜〜あいつ。 11
1i1__Oyu
PAST【web再録】2022年7月に発行したネロファウ本です。
再販予定がないため再録いたします。
お手にとって下さった方ありがとうございました!
※一部ファウストの大いなる厄災の傷に触れているお話があります。 34
seaway_fate
PASTアルジュナ強化おめでとう!ありがとう!昔まだTwitterだった頃にあげてたジュナぐだ漫画をお祝いに再掲します。クリスマスか何かの企画で描いた気がする…。今仕事が忙しすぎて平日瀕死なので、今描き途中のアルジュナの絵をちゃんと清書してお祝いの絵としたいかも…(追記2022年の頃描いたみたいです。時の流れ…早い…!) 5
POI11387359
PASTムーンライトノベルズ投稿一周年記念で豆本を作った時の短編小説その2も置いておきます。(2022年10月)バケモノ屋敷のメイドさん アビアラSS ドカーーーンッ!!
その日、バケモノ屋敷に大きな爆発音が響いた。
「あー、アビー今日何してたっけ?」
「……自室に篭っていた気がする」
「では今の音は、やっぱり……?」
私の言葉に、リビングにいたゴディさまとペコさまが頷く。そう、これはアビーさまが魔法薬の調合に失敗した音であった。
「今回はなんだと思う? 幼児化?」
「……面白がってないか?」
「幼児化だと美味しいです」
「……マリー?」
話しながら、私たちはドタドタとアビーさまの部屋へ向かう。爆発音の大きさに違わず、アビーさまの部屋周りは半壊していた。濛々と立ち込める煙、パラパラと余韻のように落ちる瓦礫、相変わらずアメリカンコミックみたいな爆発である。
ゴディさまがパッとワンドを翻すと、光のカーテンが撫でるように降りていく。次の瞬間、瓦礫が逆再生するように元に戻り始めた。
2849その日、バケモノ屋敷に大きな爆発音が響いた。
「あー、アビー今日何してたっけ?」
「……自室に篭っていた気がする」
「では今の音は、やっぱり……?」
私の言葉に、リビングにいたゴディさまとペコさまが頷く。そう、これはアビーさまが魔法薬の調合に失敗した音であった。
「今回はなんだと思う? 幼児化?」
「……面白がってないか?」
「幼児化だと美味しいです」
「……マリー?」
話しながら、私たちはドタドタとアビーさまの部屋へ向かう。爆発音の大きさに違わず、アビーさまの部屋周りは半壊していた。濛々と立ち込める煙、パラパラと余韻のように落ちる瓦礫、相変わらずアメリカンコミックみたいな爆発である。
ゴディさまがパッとワンドを翻すと、光のカーテンが撫でるように降りていく。次の瞬間、瓦礫が逆再生するように元に戻り始めた。
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PASTムーンライトノベルズ投稿一周年記念で豆本を作った時の短編小説も置いておきます。(2022年10月)通行可ですか、ほてりちゃん ほてりちゃんは不思議な女の子だ。
小さな体で赤面症で、人と話すのが苦手だからいつも赤面してピャッと逃げていく。本当に小動物みたいだ。
なによりも不思議なのは、その瞳だ。ほてりちゃんの瞳は、見るたびに色が違った。赤だったり青だったり黄色だったり。よく分からないけど人に話しかけられてピャッとなる瞬間や、人と話すときに色が鮮やかに変わっているように見える。
「なんでなの?」
「そ、その……っ! なんでかは分からないんですけど……っ、他の人とお喋りさせてもらうときに、私の感情で色が変わるみたいで……」
「どういう感情で何色になるんだ?」
しゃがんで目を合わせながらゆっくりと尋ねる。
俺はすごく体が大きいし見た目が怖そうだから、小動物なほてりちゃんを怖がらせないためにいつもこんな感じで話す。ほてりちゃんは「はわわわっ」と赤面して汗をかいていた。可愛い。
2677小さな体で赤面症で、人と話すのが苦手だからいつも赤面してピャッと逃げていく。本当に小動物みたいだ。
なによりも不思議なのは、その瞳だ。ほてりちゃんの瞳は、見るたびに色が違った。赤だったり青だったり黄色だったり。よく分からないけど人に話しかけられてピャッとなる瞬間や、人と話すときに色が鮮やかに変わっているように見える。
「なんでなの?」
「そ、その……っ! なんでかは分からないんですけど……っ、他の人とお喋りさせてもらうときに、私の感情で色が変わるみたいで……」
「どういう感情で何色になるんだ?」
しゃがんで目を合わせながらゆっくりと尋ねる。
俺はすごく体が大きいし見た目が怖そうだから、小動物なほてりちゃんを怖がらせないためにいつもこんな感じで話す。ほてりちゃんは「はわわわっ」と赤面して汗をかいていた。可愛い。
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PAST小説投稿機能あったのか、ということで、過去に人魚姫企画(GW突発的お祭り覆面企画2022)で書いた短編小説を置いておきます。(2022年5月)あなたをすくいたいのです。 やんわりとした橙色の明かりが揺れ、重なり合う。
夜の帷が降りた空には、無数のぼんぼりが浮いていた。
橙色の明かりが照らすのは、揺れる飾り紐に、並ぶ笑顔のお面たち。お囃子の音が響き、風鈴はチリチリと鳴り、お好み焼きのソースの匂いがじゅわり。綿飴を紡ぐ機械が唸って、チープな鉄砲が汗ばむ手に握り締められる。
何より、屋台に囲まれた道路には人、人、人。きゃらきゃらとした笑い声と、興奮したような息遣い。小さな指はあっちを差しこっちを差し、指先まで目いっぱい着飾った手もあれば、腕までいっぱいに屋台料理を抱えた手もある。
誰もが微熱に当てられた中に、その少女はいた。
「一目惚れぇ!?」
「ちょ、わわわっ、しーっ! しーっ!!」
4428夜の帷が降りた空には、無数のぼんぼりが浮いていた。
橙色の明かりが照らすのは、揺れる飾り紐に、並ぶ笑顔のお面たち。お囃子の音が響き、風鈴はチリチリと鳴り、お好み焼きのソースの匂いがじゅわり。綿飴を紡ぐ機械が唸って、チープな鉄砲が汗ばむ手に握り締められる。
何より、屋台に囲まれた道路には人、人、人。きゃらきゃらとした笑い声と、興奮したような息遣い。小さな指はあっちを差しこっちを差し、指先まで目いっぱい着飾った手もあれば、腕までいっぱいに屋台料理を抱えた手もある。
誰もが微熱に当てられた中に、その少女はいた。
「一目惚れぇ!?」
「ちょ、わわわっ、しーっ! しーっ!!」