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    Re:

    またね

    DONEカプなし Re:valeの共同制作の話。

    完成した曲から手を離せるようになった分、百がひとつひとつの楽曲を愛でているのが可愛くて、その上で制作で同じ悩みにぶつかった時、先輩としてアドバイスできる千がいたらいいな。の話です。
    先輩の手引き/同じ場所で百にとって楽曲製作は、粘土を捏ねる作業に近かった。伝えたい言葉の断片は沢山作れても、それを繋げて作品を作ることは、しごく困難だ。接着面がどうも滑らかに繋がらない。無理矢理に捏ねて形を作ったって、ちょっと触っただけで外れてしまって、そもそも何故くっついていたのかも分からなくなってくる。
    音楽だって美術だって、授業を受ける分には、自分の楽しみのため、引いては先生の評価のため、真剣に取り組んでいるつもりではいた。でもこれはプロの作業だ。
    それに評価者は千である。これが百にとって一番の問題だった。
    「ちょっと語尾を変えたほうがニュアンスが柔らかくなるかも」なんて言うもんなら、評価者は柔軟に音色を変えてしまう。下した評価が、彼の音楽にとっての正解であるのか、百にはわからない。彼が作り出すものすべてが良いものに聴こえてしまうのだ。ひとつ前に戻そうと思ったところで、形を変えてしまった粘土を元の形に再現する技術もないのだから、どうしても発する言葉ひとつに慎重になってしまう。
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