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    口噛み酒

    甘味。/konpeito

    TRAINING本日の800文字チャレンジ
    遊撃士となったアシュクル珍道中口噛み酒編
    村の神事に人手が足りず困っている。
     遊撃士として日々依頼をこなしているアッシュは、今回も街道沿いで目撃されたという魔獣討伐を終えて近郊の村を訪れていた。そんな、たまたま訪れたその村で行なわれるという神事で困っていると村長から聞いてしまった同行者は、持ち前の真面目さを発揮していた。
     聞かなければよかったと頭を抱えているアッシュの隣りで、クルトはことの重大さに気が付いていないのか普段と全く様子が変わらない。
    「確認ですが、この村では豊穣の祭りとして口噛み酒を奉納すると。そしてそれを作るのは未婚の処女に限る、そうですね」
    「どうも既婚者が奉納した年は成りが悪かったらしく、代々そういう決まりになっております」
     村長の言葉になるほどと頷くクルトが眉尻を下げた。
     聞いたからにはなんとかしてあげたいのだろう。アッシュ自身も困り事を見過ごせないたちではあるが、できることとできないことの分別くらいはついている。仕方がないので、キリのいいところで助け舟を出してやろうと壁から背中を浮かせたときだった。
    「はあ。自分とアッシュは確かに未婚です。しかし、男、なのですが」
    「大丈夫です。巫女装束を着て務め 819