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    人間以外のモノを人物として、人間の性質・特徴を与え、表現したもの。

    105@海自艦擬人化

    DOODLE5203初めての帰省。次兄(5202)と向かい合っててお喋りしているみたいなので。
    変わるもの、変わらないもの 遅い日の出を沖合いで迎えた。暦の立春こそ過ぎたとはいってもまだ冷え込む日が続く。居住区を出る前にもそもそと着込んでから外へと繋がる扉を開いた。初春のやわらかな日差しのなか、旅立ちの期待と不安を膨らませながら振り返り際に見た、思い出深い景色。今朝はあいにくと雲が多くてしばらく経っても薄暗いままだったけれど。
     接岸のため近付くにつれ、見えてきた真新しいロゴマーク。確実に一年前と違う部分に、なんだか初めて呉へ入港したときと同じくらいに緊張してしまっていた。身体が強ばっているのは寒さのせいだけではないだろう。
    「……お邪魔、します」
     艦から降り立ってぽそ、と発した言葉は少しぎこちない。よく知る、生まれ育った場所だけれど、もう自分の家ではないんだなぁと寂しさを抱く。そんな自分の内心を知ってか知らずか、出迎えてくれた次兄は静かに「お疲れ」と返してきただけだった。あまりにもいつも通りの落ち着いた声と変わらない物静かな様子を前に、ゆるゆると張りつめていた糸が解れていく。顔を上げ他人行儀な間合いから一歩詰めれば、ふっと薄く笑って帽子越しに頭をぽんぽんと叩かれた。子供の頃のようなやり取りに目を見合わせて笑い合う。
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    105@海自艦擬人化

    DOODLE暑い地域に出張中の118、公式アカウントから"溶けずに頑張っています"と紹介されていたのがかわいかった。お疲れ様です。
    冬の名をもって 夏が終わりきらないような暑い日に日本を発って以降、ぬるま湯のように温かな海水が常に艦を纏っている。人の身にもじりじりとした日差しが容赦なく照りつけ、半袖から覗く腕はじっとりと汗をかいていた。夏生まれだからか、寒いよりは暑い方が馴染みはある。あるけれど、年中となると話は別でいまはキンと冷えた冬の空気が恋しい。どんよりとした雪雲に覆われた灰色の空さえも。
     舞鶴で最初の冬に迎えた初雪は、一晩で降ったとは思えない程の雪の深さに目を疑い、ただ歩くだけのことに四苦八苦したのも今となっては懐かしい思い出となっている。派遣の日程を聞いたときからわかってはいたけれど、雪を見ることなく冬を終えることになるのはやっぱり少し寂しく感じるもので。今年は各地とも冷え込んでいるようだと聞くから今日も銀世界が広がっているだろうか。音の消えた中で白い息を吐きながら夜空を見上げる楽しみは一年お預けだ。月明かりが積雪に反射してほのかに明るい夜。自分の名前に関係するから贔屓目もあるかもしれないけど、特に好きだと思う。
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