mituguu
PROGRESS【銀博♂】さっかぁカントクをしてる銀灰氏と、こーち博の話|現パロ?|祭りの最中でどうしてもカントクが見たかったやらかしトップに立つ者へ一番必要なのは、圧倒的に高い顔面偏差値なのではないかと、ドクターは思い始めている。
人間、顔ではないと世間では言われるがやはり顔が良いと、なんでも滞りなく事が進む。
ワールドカップ出陣式の後に行われた記者会見。
目映いライトを浴びているスーツ姿のシルバーアッシュを舞台袖から眺めながら、思いは確信に変わりつつあった。
批判が出やすいサッカー代表監督というポジジョンでも、圧倒的顔面力の前では不満の声が和らいでいる。
勝利という結果をそれなりに残し、なおかつ監督の見目が良いと攻撃的な意見もなく、会見は滞りなく進んでいた。
ジャージのポケットに突っ込んでいた手で、サージカルマスクをしっかりつけ直す。
3990人間、顔ではないと世間では言われるがやはり顔が良いと、なんでも滞りなく事が進む。
ワールドカップ出陣式の後に行われた記者会見。
目映いライトを浴びているスーツ姿のシルバーアッシュを舞台袖から眺めながら、思いは確信に変わりつつあった。
批判が出やすいサッカー代表監督というポジジョンでも、圧倒的顔面力の前では不満の声が和らいでいる。
勝利という結果をそれなりに残し、なおかつ監督の見目が良いと攻撃的な意見もなく、会見は滞りなく進んでいた。
ジャージのポケットに突っ込んでいた手で、サージカルマスクをしっかりつけ直す。
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MOURNING【銀博♂】銀博氏目線|銀灰氏イベのあとの二人|自分を大切にしたら良いと博に諭される銀灰氏の話|イベまだやってなくても、お読み頂けるかと〜窓の外にちらちらと降る雪を眺めながら、ロドス製薬会社のドクターは静かに話し出した。
「君は他人にも自分にも、厳しすぎるんじゃないかな」
「私が、か?」
フードを目深に被ったドクターは、組んでいた手を握り直して、私を見上げて頷く。
すっと交わった視線は、静かにチェスの盤上へと落ちる。
ドクターの勝利で終えた盤越しにいる彼のフード奥に潜んでいる目を私は離せないでいた。伏せられた睫毛は存外と長い。そう分かるほどの近さで顔をあわせた事がなかったからと言い訳しながら溢れる好奇心を抑えつける。
「そう。自分に甘く、他人に厳しいひとを良く見るけど、君はすべてに厳しい。少しくらい甘くしても良いと思うのだけど」
「…寛容さを持てと、そう言いたいのか」
3344「君は他人にも自分にも、厳しすぎるんじゃないかな」
「私が、か?」
フードを目深に被ったドクターは、組んでいた手を握り直して、私を見上げて頷く。
すっと交わった視線は、静かにチェスの盤上へと落ちる。
ドクターの勝利で終えた盤越しにいる彼のフード奥に潜んでいる目を私は離せないでいた。伏せられた睫毛は存外と長い。そう分かるほどの近さで顔をあわせた事がなかったからと言い訳しながら溢れる好奇心を抑えつける。
「そう。自分に甘く、他人に厳しいひとを良く見るけど、君はすべてに厳しい。少しくらい甘くしても良いと思うのだけど」
「…寛容さを持てと、そう言いたいのか」
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PROGRESS【銀博♂】銀灰氏に捨てられたくない博の銀灰氏側の話|博の依存と弱さを嬉しく眺めてる系な悪いオトコ|続きたいですねぇ「盟友」
甲板の柵に背を預け、空中を優雅に飛ぶテンジンを見上げた間々、盟友は動かない。
だがテンジンを熱心に観察している訳ではないようだ。
宙を旋回する姿に目を向ける訳でもなく、ただ頭上を眺めて動かない。こういう事が盟友は時折ある。
まるで主電源を落とした機械のように、身じろぎさえしなくなるのだ。
他のオペレーターから注意されたと、本人からも聞いているが、何度も目にすると心配にはなる。
今度は名前を呼んでみたが、やはり反応はない。
そっと肩を抱いてみたら、びくっと盟友の身が飛び上がった。
「…すまない」
「ううん。私こそ、ごめんね。またスイッチを切ってたよ」
盟友はコートのフードを、すっと外した。
透けるような頬を膨らませて、息をおおきく吸い込み呼吸をしている。
2171甲板の柵に背を預け、空中を優雅に飛ぶテンジンを見上げた間々、盟友は動かない。
だがテンジンを熱心に観察している訳ではないようだ。
宙を旋回する姿に目を向ける訳でもなく、ただ頭上を眺めて動かない。こういう事が盟友は時折ある。
まるで主電源を落とした機械のように、身じろぎさえしなくなるのだ。
他のオペレーターから注意されたと、本人からも聞いているが、何度も目にすると心配にはなる。
今度は名前を呼んでみたが、やはり反応はない。
そっと肩を抱いてみたら、びくっと盟友の身が飛び上がった。
「…すまない」
「ううん。私こそ、ごめんね。またスイッチを切ってたよ」
盟友はコートのフードを、すっと外した。
透けるような頬を膨らませて、息をおおきく吸い込み呼吸をしている。
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PROGRESS【銀博♂】銀灰氏に捨てられたくない博|いつになく博暗い|ちゅーはしてますもしかしたら、誰でも良かったのかもしれない。
ドクターはブロックパズルのピースを、照明にかざして形を確認した。寝室でひとり、言い訳大会を開催する。
『シルバーアッシュが何故こんなにも自分へ愛情を寄越すのか』
議題はいつもと同じ。
ぽつぽつ、心のなかで疑心が重なる。
首尾良くシルバーアッシュの策略を曝いたから?
妹のクリフハートがロドスでオペレーターをしていたから?
(…きっとそう、これは彼の気まぐれなのかも)
だからいつかはこの付き合いも終わりを迎える。
シルバーアッシュが飽きるのが先か、それともドクター自身が死ぬのか。
死ぬまえに別れを告げる自分の姿が思い描けないのは、惚れた弱みとはいえ情けない。
そこまで考えているのも、格好悪いから絶対に墓場まで持っていこうと思っている。
3807ドクターはブロックパズルのピースを、照明にかざして形を確認した。寝室でひとり、言い訳大会を開催する。
『シルバーアッシュが何故こんなにも自分へ愛情を寄越すのか』
議題はいつもと同じ。
ぽつぽつ、心のなかで疑心が重なる。
首尾良くシルバーアッシュの策略を曝いたから?
妹のクリフハートがロドスでオペレーターをしていたから?
(…きっとそう、これは彼の気まぐれなのかも)
だからいつかはこの付き合いも終わりを迎える。
シルバーアッシュが飽きるのが先か、それともドクター自身が死ぬのか。
死ぬまえに別れを告げる自分の姿が思い描けないのは、惚れた弱みとはいえ情けない。
そこまで考えているのも、格好悪いから絶対に墓場まで持っていこうと思っている。
poidf
DOODLEアクナイツ草案ロドスは、万年雪に覆われたウルサス領南端に連なる、龍の背のような山々の合間を二週間に渡って進航しつつ、比較的穏やかな日常を送っていた。快適に保たれている艦内では数多のオペレーターが各々に過ごし、発電施設は増加する電力を特段問題なく賄えている。進路制御班が言うには『新雪のせいで、荒野を進む時よりレバーが重い気がする』ようだが、前もって技術班が駆動部の出力機構を強化してくれていたおかげで、幅十数メートルはあろうキャタピラは力強く雪を踏み、重いなどでは表しきれないロドス本艦を背に黙々と進んでくれている。懸念されていたウルサス特有の極寒に起因するシステム障害は確認されず、また敵襲はおろか敵影もなく。オペレーター達が貴重極まりない長期休暇を満喫していれば、彼らの上に立つ代表達の仕事も三、四割ほど減少する。ロドス全体がゆったりとした連休状態となり、通常よりも多忙にしているのは駆動部に関わるサルカズ達と技術者、食堂を預かる者達くらいだった。
3279崎奈@文字書き
DONE乌、博♀に師匠の面影を重ねて片思いして苦しんでくれ。頼む。聞けば気の毒、見れば 流れ出る血液の感触と温かさと下がっていく体温、必死に助けようと震える己の両手と上がる息。
あの時の衝撃が生々しく残って、忘れられなくて、今朝の夢でも見てしまった。
青褪めた顔を冷水で洗って支度をすると、執務室へ向かう。ドクターを起しに行かねば。
♢
昼過ぎになると、ドクターと共に執務室で書類整頓や書庫整理を行い、部屋中を行き来する。
すれ違い様に短い悲鳴が聞こえて何事かと振り向くと、ポーチや傘を下げる為の白いベルトに付属はしているボタンに、ドクターの長い髪が数本ほど絡まって引っかかっていた。
謝罪をしつつほどこうとするも、彼女はすぐ側のデスクに腕を伸ばしてペン立てからハサミを取り出す。
何をするかは明確で、せっかく手入れをしたのに勿体無いと、声をかける前に刃を入れられた。
1194あの時の衝撃が生々しく残って、忘れられなくて、今朝の夢でも見てしまった。
青褪めた顔を冷水で洗って支度をすると、執務室へ向かう。ドクターを起しに行かねば。
♢
昼過ぎになると、ドクターと共に執務室で書類整頓や書庫整理を行い、部屋中を行き来する。
すれ違い様に短い悲鳴が聞こえて何事かと振り向くと、ポーチや傘を下げる為の白いベルトに付属はしているボタンに、ドクターの長い髪が数本ほど絡まって引っかかっていた。
謝罪をしつつほどこうとするも、彼女はすぐ側のデスクに腕を伸ばしてペン立てからハサミを取り出す。
何をするかは明確で、せっかく手入れをしたのに勿体無いと、声をかける前に刃を入れられた。