MousoubousouK
SPUR ME藤トワで12こくきぱろ。ふんわりとしたぱろです。なんでも許せる人向け。藤トワですが前編は藤枝さん出番なし。後編はR18。
十二国記パロ藤トワ(前編)切り立った急峻な崖の上に彼は立っていた。
じっと見つめる遥か遥か先にまだ見た事がない彼の国がある。
深く愁いを帯びたため息を吐く青年は、彼が見つめる遠い遠い海の向こうの国の麒麟だった。
麒麟と言えば金の鬣を誰しも思い浮かべるだろうが、彼は世にも珍しい黒麒麟であった。
緩く癖のあるつややかな黒髪は毛先に僅かに金色があるが、言われなければ麒麟とは分からない。
ゆっくりと目を閉じ遙か彼方にある国を思う。短命の王が続いた国は今どうなっているのだろうか。
視線を下げれば蓬山から下山していく集団がいる。
こうして彼らを見送るのも何回目だろうか。すでに両手両足の指でも足りない回数見送ってきた。
成獣してからもう数年経った、王が昇山してくるのを待ち続けていたが、一向に現れない。昇山してくる者の数もぐっと減った。
8185じっと見つめる遥か遥か先にまだ見た事がない彼の国がある。
深く愁いを帯びたため息を吐く青年は、彼が見つめる遠い遠い海の向こうの国の麒麟だった。
麒麟と言えば金の鬣を誰しも思い浮かべるだろうが、彼は世にも珍しい黒麒麟であった。
緩く癖のあるつややかな黒髪は毛先に僅かに金色があるが、言われなければ麒麟とは分からない。
ゆっくりと目を閉じ遙か彼方にある国を思う。短命の王が続いた国は今どうなっているのだろうか。
視線を下げれば蓬山から下山していく集団がいる。
こうして彼らを見送るのも何回目だろうか。すでに両手両足の指でも足りない回数見送ってきた。
成獣してからもう数年経った、王が昇山してくるのを待ち続けていたが、一向に現れない。昇山してくる者の数もぐっと減った。