桜妓紅蓮
PAST【仮住】あっさりめだけど死体の描写があります。住人が一人死んだ ■■が死んだ。自殺だった。ダイニングの床に仰向けに横たわる彼の首元は血で濡れていて、すぐ横にカッターナイフが落ちていた。
第一発見者の大瀬が悲鳴を上げなければ死体が二つになっていただろう。
どうして■■さんが死ななきゃいけないんだ。嗚咽し震えながら泣く大瀬を色をなくした理解が私室まで連れて行った。
共用スペースにいつまでも血濡れた死体を置いておくわけにもいかない。血液に触れないように処置をしてから天彦が■■を■■の私室に運び込んだ。テラも静かに後を着いていった。
「■■さん、失礼しますね」
「絶対ご家族に知らせるからね」
誰も■■の家族の連絡先を知らない。財布、手帳……個人情報が記されたものを二人は懸命に探した。しかしどれだけ探しても身分証明書どころかスマートフォンすらも見つからなかった。
1468第一発見者の大瀬が悲鳴を上げなければ死体が二つになっていただろう。
どうして■■さんが死ななきゃいけないんだ。嗚咽し震えながら泣く大瀬を色をなくした理解が私室まで連れて行った。
共用スペースにいつまでも血濡れた死体を置いておくわけにもいかない。血液に触れないように処置をしてから天彦が■■を■■の私室に運び込んだ。テラも静かに後を着いていった。
「■■さん、失礼しますね」
「絶対ご家族に知らせるからね」
誰も■■の家族の連絡先を知らない。財布、手帳……個人情報が記されたものを二人は懸命に探した。しかしどれだけ探しても身分証明書どころかスマートフォンすらも見つからなかった。