羣咲カナメ
DOODLE白澤さん(道満in)がうちのラグナドオリキャラ妖怪の陰摩羅鬼と
遭遇する漫画を描きました。
原作キャラとオリキャラの
絡みが苦手な方は注意です。
~あらすじ~
天狗ノ國の件で脱け出した白澤は
偶然、天狗ノ國では禁足地とされている
森の中に足を踏み入れる。
すると、頭上から大きな羽音が聞こえ、
見上げるとそこには陰の気を纏った
異形の妖怪の姿が…… 3
陽野あたる
DONE書きたいとこだけ書いたので話の飛び方がすごいです。お館様の眼帯の下と堺ノ國エピ後の妄想話。盆くんは泣かねえ、と言う方はご注意ください。
他刑部と子泣きと救い主ちょいちょい。
いつかの君に末永い希望を。 傷が疼く。
古い傷だ。とうの昔に塞がって、とっくに完治しているはずなのに、いつも唐突に『忘れるな』と言わんばかりに、ふとした瞬間を突いて鈍く痛む。
特に今日のような冷たい長雨の続いている日は駄目だ。無残な痕は残っているものの、今さらどうともなりはしないはずなのに、あの無力さを痛感した日の記憶が鮮明に蘇り、まるでまだじくじくと膿んで血が滲んで来るような気さえする。
ーー戦は、終わった……
込み上げる不快感と痛みを奥歯で噛み殺しそっと傷へ触れてみるも、焼けたように熱を帯びた肌に思わず舌打ちがこぼれた。
半分になった視界に慣れるまで、しばらく時間がかかった。けれどそれ以上に、失ったものの守れなかった者の途方もない喪失感に耐えることの方が堪えた。恨まれても仕方なかっただろう。憎まれても仕方なかっただろう。どうして助けてくれなかったのだ、と縋る声が今も耳の奥にこびりついて消えない。
5882古い傷だ。とうの昔に塞がって、とっくに完治しているはずなのに、いつも唐突に『忘れるな』と言わんばかりに、ふとした瞬間を突いて鈍く痛む。
特に今日のような冷たい長雨の続いている日は駄目だ。無残な痕は残っているものの、今さらどうともなりはしないはずなのに、あの無力さを痛感した日の記憶が鮮明に蘇り、まるでまだじくじくと膿んで血が滲んで来るような気さえする。
ーー戦は、終わった……
込み上げる不快感と痛みを奥歯で噛み殺しそっと傷へ触れてみるも、焼けたように熱を帯びた肌に思わず舌打ちがこぼれた。
半分になった視界に慣れるまで、しばらく時間がかかった。けれどそれ以上に、失ったものの守れなかった者の途方もない喪失感に耐えることの方が堪えた。恨まれても仕方なかっただろう。憎まれても仕方なかっただろう。どうして助けてくれなかったのだ、と縋る声が今も耳の奥にこびりついて消えない。
陽野あたる
DONEカステラ同盟(と勝手に呼んでます)の二人がわちゃわちゃしてるお話。ザラメ美味しいよね。保護者ぬらりひょんと酒呑童子、他煙羅姐さんと鈴鹿さん、茨木ちゃんの鬼ノ國メンツも。
俺とお前とカステラと しゅんしゅんと湯気を上げて沸騰したお湯を、きっちり八分目まで静かに湯呑へ注ぐ。急須にはこの前気に入ったようだった茶葉を一匙。
そこへ湯呑に注いでいたお湯をゆっくりと移す。器が温もり茶が冷めにくくなる上、沸騰したばかりでは熱過ぎるお湯が、茶葉が綻ぶのに最適な温度まで程よく冷まされるのだ。
芳醇な香りが立ち上るのを待って、再度湯呑へ。
鮮やかな緑色の中に茶柱が立っているのを見つけ、朱の盆はにひ、と嬉しそうに笑みを浮かべた。
茶請けの大福と一緒にお盆へ乗せて運ぶ。無論、向かう先はぬらりひょんの居室だ。
「お館様、お茶が入りました! 少しご休憩を」
開け放たれたままの縁側からひょこりと顔を覗かせてそう告げれば、何か書き物をしていたらしいぬらりひょんはふい、とこちらを振り返った。
10144そこへ湯呑に注いでいたお湯をゆっくりと移す。器が温もり茶が冷めにくくなる上、沸騰したばかりでは熱過ぎるお湯が、茶葉が綻ぶのに最適な温度まで程よく冷まされるのだ。
芳醇な香りが立ち上るのを待って、再度湯呑へ。
鮮やかな緑色の中に茶柱が立っているのを見つけ、朱の盆はにひ、と嬉しそうに笑みを浮かべた。
茶請けの大福と一緒にお盆へ乗せて運ぶ。無論、向かう先はぬらりひょんの居室だ。
「お館様、お茶が入りました! 少しご休憩を」
開け放たれたままの縁側からひょこりと顔を覗かせてそう告げれば、何か書き物をしていたらしいぬらりひょんはふい、とこちらを振り返った。
陽野あたる
DONE盆くんと鉄鼠くんの初対面妄想エピソード。他堺メンツぬらりひょん、隠神刑部、煙羅姐さん、猫又、だたらちゃん、木綿ちゃんも登場。
仲良くケンカしな。
鬼の首に鈴を付ける「隠神刑部様は本日商人との会談が立て込んでいて、とてもお忙しいんです。一昨日来てください」
勝手知ったる何とやら、いつもならばすぐに通して貰えるはずの屋敷で、朱の盆をそう門前払いしたのは今まで見たことがない青年だった。
にこりと涼やかな笑みを浮かべてはいるものの、その佇まいに隙はなくかなり腕が立ちそうだ。慇懃無礼も度が過ぎると角が立つ、と言うのを体現した言葉は、半分ほど頭の中をすり抜けてしまったものの、断固拒絶の滲む気配に本能的に喧嘩を売られていると理解して、反射で眉間に皺が寄る。
「てめぇ、見ない顔だな……話になんねえ、他の奴出せ。猫又とかいんだろうが」
「失礼、申し遅れました。俺は鉄鼠。先日から隠神刑部様の補佐をさせていただいてます。因みに猫又も会談に同席してますから、いませんよ」
13237勝手知ったる何とやら、いつもならばすぐに通して貰えるはずの屋敷で、朱の盆をそう門前払いしたのは今まで見たことがない青年だった。
にこりと涼やかな笑みを浮かべてはいるものの、その佇まいに隙はなくかなり腕が立ちそうだ。慇懃無礼も度が過ぎると角が立つ、と言うのを体現した言葉は、半分ほど頭の中をすり抜けてしまったものの、断固拒絶の滲む気配に本能的に喧嘩を売られていると理解して、反射で眉間に皺が寄る。
「てめぇ、見ない顔だな……話になんねえ、他の奴出せ。猫又とかいんだろうが」
「失礼、申し遅れました。俺は鉄鼠。先日から隠神刑部様の補佐をさせていただいてます。因みに猫又も会談に同席してますから、いませんよ」
陽野あたる
DONE盆くんがお館様に拾われた際はこんなだったのかなぁ、と言う妄想100%の捏造エピソードです。ぬらりひょんのキャラシナリオ読んでないので、違うとこあるのはご容赦ください。
隠神刑部と煙羅姐さんもちょびっと。
鬼子来たりて、 夕刻になると、鬼が出るーー
そんな話をぬらりひょんが聞いたのは、長かった梅雨も明け、からりとした青空が広がる日のことだった。
魑魅魍魎が跋扈し、妖怪ーー人ならざるものが棲まうこの幻妖界において、村々に鬼が出る、と言うのは別に驚くべきことではない。何しろ、堺ノ國の隣国は酒呑童子が治める鬼ノ國だ。
とは言え、あまり他国と関わりを持たない彼らがこちらに出て来ることは稀であったし、[[rb:国境 > くにざかい]]に居を構える者からすれば、何か不穏なことが起きるのではあるまいか、と危惧するのも当然であろう。
実際、峠を超えて行き来する商人が襲われ品を奪われた、と言う報告もちらほら上がっているらしい。
9623そんな話をぬらりひょんが聞いたのは、長かった梅雨も明け、からりとした青空が広がる日のことだった。
魑魅魍魎が跋扈し、妖怪ーー人ならざるものが棲まうこの幻妖界において、村々に鬼が出る、と言うのは別に驚くべきことではない。何しろ、堺ノ國の隣国は酒呑童子が治める鬼ノ國だ。
とは言え、あまり他国と関わりを持たない彼らがこちらに出て来ることは稀であったし、[[rb:国境 > くにざかい]]に居を構える者からすれば、何か不穏なことが起きるのではあるまいか、と危惧するのも当然であろう。
実際、峠を超えて行き来する商人が襲われ品を奪われた、と言う報告もちらほら上がっているらしい。