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FGO

Fate/Grand Orderの二次創作
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長月ユウ

供養【天ぐだ♀】願いを抱く

思いつくまま気の向くまま書いた天ぐだというか天→ぐだ。
イベントや幕間での二人のやりとりが好きなんですが、どうにもこうにもキャラの解像度が上がらず、このカップリング観であってるのか怪しいため供養のカテゴリに入れました。
個人的にはその辺ガン無視してイチャイチャしているところが見たいです(オイ)。
ふらりと立ち寄った誰もいない食堂で、天草四郎は先客を見つける。気配を消して背後から近づくと、人影──自身のマスター・藤丸立香が机の上に突っ伏して眠っていた。

「マスター、こんな所で寝ていると風邪を引きますよ?」
 声をかける。しかし立香が目を覚ます気配がない。ここ最近は立て続けに発生した微小特異点の解決に奔走していたので、その疲れが出たのだろう。うたた寝するつもりが、本格的な睡眠になってしまったのかもしれない。
(まあ、マイルームでもぐっすり眠れるという保証もないだろうし……仕方がない)
 天草は羽織っているマントを立香の肩にかけ、自身は彼女の隣の席に腰掛ける。心地良さそうな寝顔を見るに、悪夢を見ているようではなさそうだ。しかし、目を覚ませば……。

「……マスター、現状がつらくはありませんか?」
 問いかける。答えは返ってこないが、「うん、平気」といつものように笑って答える彼女の声が聞こえた気がした。人理焼却の次は世界の漂白。次から次へその小さな肩に、とてつもなく重い物がのしかかっていく。実現には至らなかったものの経験者である自分が肩代わりしてあげたいと思う事もあるが、それは彼女が絶対拒否するだろうから、歯がゆくもその隣で支える事しかできない。

「……リツカ」
 頬に触れる。指の腹に伝わる滑らかさと温かさに、かつて手を伸ばした大望のために捨ててしまった感情の一つが大きくなる。再びあの聖杯が顕現すれば対立関係になってしまう危うさを持つ己を何度でも止めると言い放ち、契約を切らずにいてくれる彼女を、マスター以外の対象として見ていたのはいつからだろう。

「世界を、人理を救うのは酷く険しい道なんです。何かを得ることより、切り捨てることの方が多い……あなたは、俺と同じようになってほしくありません」
 世界を救う。天草と同じ願いを抱きながらも全く違う工程で終着点を目指す人類最後のマスターに語りかける。幸いにも、彼女には初めからマシュや、たくさんの仲間がいる。恐らく余程の事がない限りは懸念している事態は起きないだろう……その「余程」が、普通に起きてしまう可能性がないと言えないのが恐ろしい所だが。

(もし起きてしまったら……)
 恐らく彼女を止める。自分と同じ手段を彼女が取ろうとしても、またはどれでもない手段であったとしても止めるだろう。例え刺し違えることになったとしても。

「どうか、あなたは……」
 髪に触れようとする。が、立香の目がうっすらと開くのが見えてスッと手を引っ込めた。

「ん……あま……くさ……?」
「はい。あなたのサーヴァント、天草四郎時貞です」
 笑ってみせる。以前同じ言葉を返したのを彼女は覚えていたようで、眠気を滲ませつつも怪訝な顔をした。

「また何かやらかしたの……?」
「やだなあ、何もしてませんよ。こんな所でうたた寝してるなんて珍しいなーと思って観察していただけです」
「何もしてないのならいいけど、ただ見られてたのもなんかなあ……」
 ぼやきながら立香が大きく伸びをする。と、肩にかかっていた天草のマントが軽い音を立てて床に落ちた。

「これ、天草の……」
「ええ。無理やり起こすのが可哀想なくらいよく眠ってたので、風邪を引かぬようにと」
「そっか、ありがとう。ごめんね、天草は寒かったでしょ?」
「心配には及びませんよ」
 立香からマントを受け取る。頬に触れた時に感じた温かさを再度感じ取り、天草の頬が無意識に緩んだ。

「? どうしたのニヤニヤして」
「あ……いえ、よだれの跡があるのでつい……」
「えっ!? やだ、うそ!」
 咄嗟に嘘をつく。真に受けて口元を拭う立香を見て、天草はクスクスと笑った
「冗談ですよ」
「〜〜っ、あーまーくーさー!」
「ハハハ、元気になられたようで何より」
 怒りで頬を膨らませる立香の姿に胸を撫で下ろす。ああ、きっとまだ大丈夫だ。



(どうか、あなたはそのままでいてください)
 願う。その為に、俺はあなたの側にいるのだからと。




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