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    文豪一尊いバカップルです

    mia_1203_

    DONEおたおめ、幹部。
    酔っ払った幹部を書いたら激甘になりました(当社比)。
    バレンタインデー→ホワイトデー→本作
    になります(イベントシリーズ)。
    4月29日「はぁ〜、やっと仕事終わったよ。今日に限って国木田君が離してくれないなんて……」
     太宰はため息を吐いた。今日は4月29日で、中原中也の誕生日だ。誕生日と云うことで、中也の家で一緒に食事をする約束をしていた。
     バレンタインとホワイトデーを過ぎても、ふたりの関係はまだ続いている。バレンタインデーに散々キスをして、ホワイトデーに身体を繋げたと云っても、中也は太宰に対して恋人として接することに気恥ずかしさがまだあるようだ。その姿は太宰にとって、とても愛おしいモノだった。だから今日は、思いっきり甘やかしてやりたいと思っていたのだ。ドロドロに溶けてしまうくらいに。それなのに、これだ。太宰にはサボり癖があり、提出すべき報告書が山ほどたまっていた。勿論報告書を書く暇がないほど忙しい時もあり、それは仕方がない。国木田も少しなら見逃してくれただろうが、太宰がためた書類は提出期限が大幅に過ぎてしまっていた。太宰が定時で帰ろうとすると、国木田に「書類を書け」と催促されたのだ。いつもなら適当にのらりくらりとやり過ごせたのだが、たまりにたまった書類を前に、国木田も見逃せなくなっていた。こんなことになったのは要するに、日頃の行いのせいだった。
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    PASTイベントシリーズ
    バレンタイン「ついに、これを使う時が来たか」
     中原中也は、眉間にシワを寄せながらひとり呟いた。今日はバレンタインデーだ。それも、元相棒の太宰治と恋人になってから初めての。何がどうなったのか、あれほど嫌いあっていたはずだったのに、気付けば恋人などという関係になっていた。恋人になってからまだ1ヶ月程しか経っていないので、いつまでこの関係を続けられるのか皆目検討がつかない。中也にも太宰にも、「恋人」という実感がまだ湧いていないのだ。そんな状況の中、バレンタインデーは恋人になってから初めて何か出来るイベントだった。だから、中也は張り切っていた。自分たちが「恋だの愛だの口に出すことは似合わない」と思っているものの、こんな関係になってしまった以上、嫌いな気持ち以上に「好き」と思っているのは間違いなかった。お互いそれが分かったからこそ、この関係を受け容れたのだ。恋人になってふわふわした気持ちの中、目前に迫っていたのはバレンタインデーだった。今思えば、通常であればこんなものは買わなかっただろう。恋人になりたてで、あり得ない程浮かれていたのだ。そしてあれこれ迷って、購入してしまった。ハートの形をした、陶器のマグカップを。
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    mia_1203_

    PASTワンライ
    停滞 これが、停滞期というヤツなのだろうか。

     太宰治は、恋人になった中原中也宅のソファに座りながら思考する。2人はつい2ヶ月程前、恋人になったばかりだ。太宰は随分前から中也のことが好きだった。と云っても、中也のことが好きだと気付いたのは割と最近で、「好き」と云う気持ちが一周まわって「嫌い」だとずっと思い込んでいた。太宰の友人である織田作之助の死をきっかけに、2人の行く道は別たれた。2人が再会するまでの4年もの期間は、太宰が「中原中也」という人間について考えなおすには充分すぎる時間だった。太宰は過去のことを綺麗サッパリ忘れてしまおうと思ったこともあったが、結局の所それは無理だった。勿論、今は亡き織田のこともあるが、それ以上に中也のことが忘れられなかった。間違いなく、出逢った当初の印象は「嫌い」だったのに。今でも恋人なんて関係になってしまったのはおかしいと思う時すらある。中也は自己犠牲が過ぎるのだ。自ら所属していた羊に裏切られても、中也は恩を仇で返すまいとポートマフィアと取引をして羊の構成員を守った。太宰は中也の言動を観察していて、自分が用意したこの選択肢を選ぶと思ったからそう仕向けたのだが、何とも気に食わなかった。だから、嫌がらせをしてやろうと思った。自分を大切にして、自分の意志で、自分の力を使え。持っている力の大きさなど関係ない。だから、それが出来ない中也は、私の犬なんだ。太宰は嫌がらせをするために中也の情報をわざわざ仕入れて「今週の負け惜しみ中也」を作ったし、爆弾も仕掛けたし、他にもくだらない悪戯をした。中也は話題になることであわよくば上手く周りに馴染めるだろうし、太宰の気持ちも幾分かマシになる。太宰はポートマフィアに所属している間、中也に嫌がらせをし続けた。2人のコミュニケーションは所謂「普通」と異なっていたのだ。
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