あめお
DONE巣立っちゃったら俺の事なんてどうでもよくなるだろうなーって考えてるタイプの清光の話もしかして:××「きみと仲良くなるにはどうしたらいいだろうか」
斜め上から降ってきたまさかの質問に加州は絶句した。
初めて見るものでも飲み込みが早く、戦闘に前向き。倫理観が常識的で人当たりも良い。
「落とし穴? ははっ、何だそりゃ。驚かすにしても芸がなさすぎだろう」
新しく顕現した太刀、鶴丸国永。
審神者は拝み倒した。
性格ガチャ要素が強いと聞いて怯えていたが、蓋を開けてみたらまったく手がかからなさそうな、それどころか貴重なツッコミ枠の平安刀だなんて。
そんなわけで、お噂はかねがねと疑心暗鬼になりながらお世話係に就任した加州清光もホッと胸を撫で下ろしたのだった。
睡眠でつまづく刀が多いため歴戦の初期刀が新入りに付いて眠ることが恒例になっていたが、布団を運び入れる足取りも軽い。
3465斜め上から降ってきたまさかの質問に加州は絶句した。
初めて見るものでも飲み込みが早く、戦闘に前向き。倫理観が常識的で人当たりも良い。
「落とし穴? ははっ、何だそりゃ。驚かすにしても芸がなさすぎだろう」
新しく顕現した太刀、鶴丸国永。
審神者は拝み倒した。
性格ガチャ要素が強いと聞いて怯えていたが、蓋を開けてみたらまったく手がかからなさそうな、それどころか貴重なツッコミ枠の平安刀だなんて。
そんなわけで、お噂はかねがねと疑心暗鬼になりながらお世話係に就任した加州清光もホッと胸を撫で下ろしたのだった。
睡眠でつまづく刀が多いため歴戦の初期刀が新入りに付いて眠ることが恒例になっていたが、布団を運び入れる足取りも軽い。
あめお
DONEせっかくの逢瀬なのに清光くんは本に夢中。面白くない鶴さんは…!?【鶴清】続きはお布団で「けしき也、各是をみて無……疑?」
「疑い無く」
「うたがいなく、変化の物と思われければ……」
二振りで同じ文章を追う。
先の出陣で傷を負った加州は手入れと静養の間、おとなしく読書に励んでいた——のはいいが、判読できない字が多々あって不完全燃焼だったとのこと。
自由に動けるようになってすぐ、俺のところへ書物を持ってきた。
大怪我を心配したのに煩がられたのは少々根に持っているが、一番に頼るのが俺だというのは可愛いものだ。
——まあ、それはそれとして。
「太刀を抜き、弓を引いてむかうところに、……?」
「白翁。おきな、だ」
「白翁すすみて」
「進み出て」
所々つっかえる加州の補助をしながら一緒に読んでいく。
3247「疑い無く」
「うたがいなく、変化の物と思われければ……」
二振りで同じ文章を追う。
先の出陣で傷を負った加州は手入れと静養の間、おとなしく読書に励んでいた——のはいいが、判読できない字が多々あって不完全燃焼だったとのこと。
自由に動けるようになってすぐ、俺のところへ書物を持ってきた。
大怪我を心配したのに煩がられたのは少々根に持っているが、一番に頼るのが俺だというのは可愛いものだ。
——まあ、それはそれとして。
「太刀を抜き、弓を引いてむかうところに、……?」
「白翁。おきな、だ」
「白翁すすみて」
「進み出て」
所々つっかえる加州の補助をしながら一緒に読んでいく。
あめお
DONE自覚なし鶴→清の鶴さんが清光にチョコを食わせてます。【鶴清】大遅刻バレンタイン2024 手のひらに載るほど小さな箱にかけられたリボンを解いて蓋を開けると、これまた小さなチョコレートが四粒入っていた。それぞれ色や形が違う。同封されていたカードとチョコレートとを見比べて、俺はとりあえず左上の丸っこい粒を口に放り込んだ。
「……ふむ」
そして思わず目を瞠った。ほろ苦いそれは舌の上でたちまち溶けていく。なるほど、これは美味い。活気に引き寄せられてふらりと入った店だったが、大枚はたいて買った甲斐があったというものだ。
そう、最初は全くの興味本位で。ただ見物に来ただけのつもりだったのだけれど。
黒い箱にかけられたリボンの赤や箔押しされた図案の、主張しすぎず、それでいて華やかなこの商品が目に留まり、どうも立ち去る気になれなくて結局買ってしまったのだった。
2884「……ふむ」
そして思わず目を瞠った。ほろ苦いそれは舌の上でたちまち溶けていく。なるほど、これは美味い。活気に引き寄せられてふらりと入った店だったが、大枚はたいて買った甲斐があったというものだ。
そう、最初は全くの興味本位で。ただ見物に来ただけのつもりだったのだけれど。
黒い箱にかけられたリボンの赤や箔押しされた図案の、主張しすぎず、それでいて華やかなこの商品が目に留まり、どうも立ち去る気になれなくて結局買ってしまったのだった。
あめお
MOURNING付き合ってないふたりがちゅーしてます意識朦朧な鶴さんがほぼ無意識に清光を襲っちゃう話「すまん! 責任は取るから! 俺のとこに嫁に来てくれ!」
鶴丸は加州に向かって額を床にこすりつけた。
「もういいから、そんなことより早く忘れて……って、ろくに憶えてないんだっけ。じゃあとっとと水に流そうよ」
「それは、その」
歯切れの悪い鶴丸に加州は溜息をつき、
「あのねぇ、その方がお互いのためだと思うけど?」
てか嫁とか意味わかんないし、と冷静に言い放った。
とある日の夜。
鶴丸は白い装束を血で赤く染め、雪崩込むようにして帰還した。そろそろ寝ようかと支度していたところで偶然玄関の近くを通りかかった加州は、よろよろと歩く鶴丸を見つけ息を呑んだ。
「鶴丸さん!? なんで……遠征だったはずじゃ……」
今朝、遠征を命じられ、鶴丸は単騎で出陣した。時間遡行軍との戦は関係ない地であったはずだ。それが何故、こんなことになったのだろう。
4054鶴丸は加州に向かって額を床にこすりつけた。
「もういいから、そんなことより早く忘れて……って、ろくに憶えてないんだっけ。じゃあとっとと水に流そうよ」
「それは、その」
歯切れの悪い鶴丸に加州は溜息をつき、
「あのねぇ、その方がお互いのためだと思うけど?」
てか嫁とか意味わかんないし、と冷静に言い放った。
とある日の夜。
鶴丸は白い装束を血で赤く染め、雪崩込むようにして帰還した。そろそろ寝ようかと支度していたところで偶然玄関の近くを通りかかった加州は、よろよろと歩く鶴丸を見つけ息を呑んだ。
「鶴丸さん!? なんで……遠征だったはずじゃ……」
今朝、遠征を命じられ、鶴丸は単騎で出陣した。時間遡行軍との戦は関係ない地であったはずだ。それが何故、こんなことになったのだろう。