gnsnmta
DONEレイチュリワンウィークお題:「ジンクス」
短いのでピクシブには加筆修正後に投稿予定です。
ヤドリギの下では誰も 冬の雲も少ない晴れた朝。
それは久しぶりに休日が重なるタイミングだった。アベンチュリンがクリスマスマーケットに行ってみたいということだったので、ピアポイントからは離れた静かな漁師町でクリスマスの時期だけ開催されるクリスマスマーケットを訪れたのだった。
レイシオの目の前を歩く金髪の恋人は興味津々で、いろんなものに視線を向けていた。
「見て!レイシオ、不思議な形の人形!」
「それはくるみ割り人形だ」
まるで万年筆のインクを吸い込む吸い取り紙のように、見たものの疑問を横のレイシオに投げ、その回答を吸収しているようだった。
「これでくるみを?あごの部分がそういう仕組みなのか…そういえばさっきから売られている同じ形のクッキーばかりなんだけど、そういうお祭りなの?」
2065それは久しぶりに休日が重なるタイミングだった。アベンチュリンがクリスマスマーケットに行ってみたいということだったので、ピアポイントからは離れた静かな漁師町でクリスマスの時期だけ開催されるクリスマスマーケットを訪れたのだった。
レイシオの目の前を歩く金髪の恋人は興味津々で、いろんなものに視線を向けていた。
「見て!レイシオ、不思議な形の人形!」
「それはくるみ割り人形だ」
まるで万年筆のインクを吸い込む吸い取り紙のように、見たものの疑問を横のレイシオに投げ、その回答を吸収しているようだった。
「これでくるみを?あごの部分がそういう仕組みなのか…そういえばさっきから売られている同じ形のクッキーばかりなんだけど、そういうお祭りなの?」
gnsnmta
DONE前に書いたレイチュリを手直ししました。ピクシブにも同じものを投稿しています。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23391586
アティニークジャクの羽を休めて ツガンニヤという星は一日の寒暖差が激しい。日中帯は日差しが大地を焼きつくし、痛覚を伴うようだった。かと思えば、日も暮れて日差しがなくなった途端にまるで太陽などこの世界に一度たりとも存在していないかのように一気に冷え込み、足元から体温を急速に奪い取る。住む人類にとってはあまりにも容赦のない環境であり、エヴィキン人はその過酷な環境を日々生き抜いていたのだった。
しかしそれも今は昔。カンパニーがあるピアポイントの気候は温暖ではあるものの、夏から秋にかけての季節の移り変わりには身体がその遠い記憶を呼び覚ましてしまうようだった。
——「カカワーシャ、ほらもう寝る時間よ、目を閉じて。カカワーシャの具合が早く良くなりますように、地母神さまにこの想いが伝わりますように」
7101しかしそれも今は昔。カンパニーがあるピアポイントの気候は温暖ではあるものの、夏から秋にかけての季節の移り変わりには身体がその遠い記憶を呼び覚ましてしまうようだった。
——「カカワーシャ、ほらもう寝る時間よ、目を閉じて。カカワーシャの具合が早く良くなりますように、地母神さまにこの想いが伝わりますように」
gnsnmta
DONEレイチュリワンウィークお題:「筆跡」
収集癖のあるアベンチュリンがちまちまと処方箋になりうるものを集める話。
ピクシブにも同じものを投稿しています。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23389333
よすがとなりうるささやかな紙屑 いくらインターネットの普及によりクラウド化やデータでのやりとりが増えたとはいえ、スターピースカンパニーであっても紙を用いた資料のやり取りは未だ健在だ。特に社外の相手とのやり取りを比較的多く行う部署である戦略投資部では、定期的にシュレッダーや溶解処理が行われていた。
期日の迫ったプロジェクトも、月末に提出しなければならない請求書や人材奨励部に送る予定の申請書も今は抱えていない。今日は絶好の事務作業日和であった。
「あっこれ、」
プレゼン資料と思われるグラフ付きのモノクロの資料に貼られた付箋紙が目に留まる。
カラフルな付箋紙には流麗な字が書かれていた。
『作為的な図表、留意するように』
内容をざっと読み込むとピノコニーに向かう前に行った案件のようだった。相手は特に問題のなさそうな気の良いその星所属の官僚で、このまま合意をしようとした際に念のため向こうの用意した資料を技術開発部に精査してもらおうとレイシオに渡したものだった。
6367期日の迫ったプロジェクトも、月末に提出しなければならない請求書や人材奨励部に送る予定の申請書も今は抱えていない。今日は絶好の事務作業日和であった。
「あっこれ、」
プレゼン資料と思われるグラフ付きのモノクロの資料に貼られた付箋紙が目に留まる。
カラフルな付箋紙には流麗な字が書かれていた。
『作為的な図表、留意するように』
内容をざっと読み込むとピノコニーに向かう前に行った案件のようだった。相手は特に問題のなさそうな気の良いその星所属の官僚で、このまま合意をしようとした際に念のため向こうの用意した資料を技術開発部に精査してもらおうとレイシオに渡したものだった。
bois
DONEレイチュリワンウィーク#28 お題「筆跡」今回は、付き合って5年くらい経った熟成🍎🍯って感じの2人です。
封蝋の設定は、Ayakaさん(X|@nico3a)のシグネットリングのアイデアが素敵すぎたので、今回盛り込みました!
bois
DONEレイチュリワンウィーク#27 お題「Trick or ???」ハロウィン後夜祭的な感じの設定です。まだ付き合ってないレイチュリ。両片想い、
🛀自覚あり、🦚自覚なし前提。先週のハロウィン絵の続きです。
🛀が仮装でケモ耳つけてます。あと、うちの🛀は酔うと軽装になりたがる設定なので、いろいろ外してます。
おバカなノリの2人によるギャグなので、なんでも笑って許せる方向け。 2
bois
DONE「追いかけっこ」レイチュリワンウィーク#25
この🛀は、割と早い段階で🦚と戦パを組んで3~4回一緒に任務したくらいの設定。そして、まだ余裕のある時期の🛀君ですw ここから思い通りにいかない歯がゆさにもだもだすると良きかな()
しっかり筋肉ついてるように見えますが、まだ健康のための筋トレしかしてなくて、マッチョにはなりきれてない体格設定です^_^
kuromituxxxx
PROGRESSさよならだけならいくらでも 4 夢を見る。
夢は大抵いつも同じ。
僕はひとり迷子のように何もない空間を歩き続けている。どこまで行ってもただ無の空間が広がるだけのその場所に『僕』といくつもの『声』がいる。
声はやさしく僕の名前を呼ぶ。遠くから。それは懐かしい誰か、一瞬交わっただけの誰か、いずれにせよ今はもういない誰かの声をしている。
『カカワーシャ、カカワーシャ』
『祝福の子』
『地母神の祝福を受けた子』
呼ぶ声は少しずつ近付いてきているのに僕はその主を探し出すことができない。そうしてすぐ背後まで迫ってきた声は耳元で囁くのだ。
『どうしてお前だけが生きているの』
『お前が殺した』
『お前の幸運が』
『殺した』『殺した』『殺した』
幾つもの声が僕を責める。
3174夢は大抵いつも同じ。
僕はひとり迷子のように何もない空間を歩き続けている。どこまで行ってもただ無の空間が広がるだけのその場所に『僕』といくつもの『声』がいる。
声はやさしく僕の名前を呼ぶ。遠くから。それは懐かしい誰か、一瞬交わっただけの誰か、いずれにせよ今はもういない誰かの声をしている。
『カカワーシャ、カカワーシャ』
『祝福の子』
『地母神の祝福を受けた子』
呼ぶ声は少しずつ近付いてきているのに僕はその主を探し出すことができない。そうしてすぐ背後まで迫ってきた声は耳元で囁くのだ。
『どうしてお前だけが生きているの』
『お前が殺した』
『お前の幸運が』
『殺した』『殺した』『殺した』
幾つもの声が僕を責める。