まいあみ
DONE浴衣デートのくろそら。2018年ごろ書いたやつです縁日に行くくろそら溶けかけのあんず飴がこちらを見つめている。
清澄は思考の隅に浮かんだその考えを打ち消す様に瞼を閉じる。
「じゃんけんに勝ったから2つもらったんだー」
そう言って差し出されたあんず飴はつやつやと夜店の灯を反射して光っていた。
縁日は、好きだ。人々の笑顔やお囃子の音色、花火の彩り。
とりわけ清澄は太鼓の響きが大好きで、幼い頃、まだ親しかった祖父の手を握って屋台を見て回った。
祖父は相変わらず厳しい人だったため、食べ歩きなどを清澄家の男児がするものではないと厳しく言いつけられていた。
神社の階段などに座りこむことはおろか、普段ならば決して許されないであろう、ソースせんべいや綿あめ、チョコバナナなどを食べた。
お茶会で出される高級な和菓子に比べれば、大雑な味だが、幼い清澄にとっては1年に1度お目にかかれるご馳走だった。
1126清澄は思考の隅に浮かんだその考えを打ち消す様に瞼を閉じる。
「じゃんけんに勝ったから2つもらったんだー」
そう言って差し出されたあんず飴はつやつやと夜店の灯を反射して光っていた。
縁日は、好きだ。人々の笑顔やお囃子の音色、花火の彩り。
とりわけ清澄は太鼓の響きが大好きで、幼い頃、まだ親しかった祖父の手を握って屋台を見て回った。
祖父は相変わらず厳しい人だったため、食べ歩きなどを清澄家の男児がするものではないと厳しく言いつけられていた。
神社の階段などに座りこむことはおろか、普段ならば決して許されないであろう、ソースせんべいや綿あめ、チョコバナナなどを食べた。
お茶会で出される高級な和菓子に比べれば、大雑な味だが、幼い清澄にとっては1年に1度お目にかかれるご馳走だった。
まいあみ
DONE雨クリ+くろそらが事務所でお茶を点てる話七夕ライブの後くらい
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24476134
【雨クリ+くろそら】星たちの茶会「はい九郎先生、お土産ですー」
315プロの事務所、待ち合わせに現れた九郎に想楽は風呂敷につつまれた箱を差し出す。
中身は七夕にLegendersとAltessimoで行ったライブイベント先で購入した羊羹だ。
「北村さん、ありがとうございます。天の川を模した素晴らしい意匠ですね…。勿体無くて食べられるでしょうか」
北村の撮った羊羹の写真を見ながら、美しさに目を輝かせる九郎。
「でしょー?九郎先生こういうの好きだよねー」
「ええ、流石北村さんです。実は、私からもお渡ししたいものがあって……」
九郎がそっと差し出したのは、笹の葉や短冊をかたどった繊細な練り切り。
緑と白の意匠に、ほんのり金粉のあしらい。
並べてみれば、どちらも季節の彩りを映している。見つめ合ったふたりが、ふわりと笑った。
2753315プロの事務所、待ち合わせに現れた九郎に想楽は風呂敷につつまれた箱を差し出す。
中身は七夕にLegendersとAltessimoで行ったライブイベント先で購入した羊羹だ。
「北村さん、ありがとうございます。天の川を模した素晴らしい意匠ですね…。勿体無くて食べられるでしょうか」
北村の撮った羊羹の写真を見ながら、美しさに目を輝かせる九郎。
「でしょー?九郎先生こういうの好きだよねー」
「ええ、流石北村さんです。実は、私からもお渡ししたいものがあって……」
九郎がそっと差し出したのは、笹の葉や短冊をかたどった繊細な練り切り。
緑と白の意匠に、ほんのり金粉のあしらい。
並べてみれば、どちらも季節の彩りを映している。見つめ合ったふたりが、ふわりと笑った。
なふたはし
DONEhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23834159 の後日譚?です「では、お先にお風呂いただきます」
「急いじゃダメだよー。ちゃんと温まってねー」
恋人を送り出し、想楽はなんともない顔で後片付けに戻った。二人がいない間に片付けてはいたものの、到底俺一人では終えられる量ではなかった。一体この部屋で何があったんだ。
「兄さん、床掃くからそこ退いて―」
「あ、ああ……」
想楽は淡々と観葉植物の土を掃き集める。俺が帰宅した時の状況から察するに、想楽が恋人を襲おうとするから抵抗していたんだろうか。それとも、大暴れする恋人を想楽が止めたのだろうか。……いや、どちらでも修羅場には違いない。乱入したタイミングが真っ最中じゃなかっただけでもありがたく思おう。
しかしやはり好奇心は消えず、俺は想楽にそれとなく視線を送るが、一向に気にする様子はない。カチャカチャと物を動かす音だけがリビングに響き、沈黙がだんだん辛くなっていく。
1523「急いじゃダメだよー。ちゃんと温まってねー」
恋人を送り出し、想楽はなんともない顔で後片付けに戻った。二人がいない間に片付けてはいたものの、到底俺一人では終えられる量ではなかった。一体この部屋で何があったんだ。
「兄さん、床掃くからそこ退いて―」
「あ、ああ……」
想楽は淡々と観葉植物の土を掃き集める。俺が帰宅した時の状況から察するに、想楽が恋人を襲おうとするから抵抗していたんだろうか。それとも、大暴れする恋人を想楽が止めたのだろうか。……いや、どちらでも修羅場には違いない。乱入したタイミングが真っ最中じゃなかっただけでもありがたく思おう。
しかしやはり好奇心は消えず、俺は想楽にそれとなく視線を送るが、一向に気にする様子はない。カチャカチャと物を動かす音だけがリビングに響き、沈黙がだんだん辛くなっていく。