ほっぺもち
DOODLEつづき:医師フェスタで怪しい匂いを感じる椒丘。警戒しながらも触手の忌み物討伐に向かうも、やっぱり椒丘は攫われてしまう! でも飛霄将軍がいるから大した被害もなく倒せそうで詰まったんだよね触手ネタ(触手なし) 狐族の医師が、確かな手取りで電子カルテを整理していく。それを静かに眺めた後、曜青の将軍はわざと足音を立てて彼の机に近付いた。しかし「ああ将軍。居たんですね」と言う医師に将軍は顔を顰める。扉を開けるところから音を立てるべきだった。将軍はもうどうしようも無い後悔を飲み込み、なるべく明るい声を意識して医師に要件を伝え始める。
「……触手の忌み物?」
「ええ。なんでも狐族にだけ反応するけど、それ以外の時は巣穴に隠れて絶対に出てこないんですって。羅浮には狐族の軍隊が無いから、誘い出せなくて困ってるそうよ」
「はあ……。それは羅浮から正式に依頼されたのですよね? なら僕に聞かずとも部隊を率いて討伐しに行けば良いではありませんか」
3394「……触手の忌み物?」
「ええ。なんでも狐族にだけ反応するけど、それ以外の時は巣穴に隠れて絶対に出てこないんですって。羅浮には狐族の軍隊が無いから、誘い出せなくて困ってるそうよ」
「はあ……。それは羅浮から正式に依頼されたのですよね? なら僕に聞かずとも部隊を率いて討伐しに行けば良いではありませんか」
ほっぺもち
DOODLEつづき:椒丘さんが薬王秘伝に攫われた! 助けに行く飛霄将軍! 一方椒丘は地下室で苦しんでいる少年モゼを見つけた! 船と地下室、二層構造で巻き起こる豊穣ミステリ!(?)曜青海軍パロ(途中)「モゼ。船が来るぞ」
細身の男が暗闇の中に立っていた。石壁の地下室ではその低音が何重にも反響し、自分の心臓を叩いてくる。
「…………船?」
久しく出していなかった声は掠れていて、相手にしっかり聞こえたかどうか不安になった。自分と相手以外誰もいない、静かで、音が反響する地下室にいて、聞こえないはずが無いのに。
「家族の仇の船だ。あれをうち沈め、薬王の真理を得るのだ。モゼ、お前の病が完治する時も近いぞ」
病の完治。それは苦痛を意味する。しかしそれは今自分の生きるただ一つの目標だった。その言葉にふっと希望が差し込むような心地がし、
「さあ、今日の薬だ。飲み込め、吐き戻すな……」
そして、また地の底に落ちた。
4399細身の男が暗闇の中に立っていた。石壁の地下室ではその低音が何重にも反響し、自分の心臓を叩いてくる。
「…………船?」
久しく出していなかった声は掠れていて、相手にしっかり聞こえたかどうか不安になった。自分と相手以外誰もいない、静かで、音が反響する地下室にいて、聞こえないはずが無いのに。
「家族の仇の船だ。あれをうち沈め、薬王の真理を得るのだ。モゼ、お前の病が完治する時も近いぞ」
病の完治。それは苦痛を意味する。しかしそれは今自分の生きるただ一つの目標だった。その言葉にふっと希望が差し込むような心地がし、
「さあ、今日の薬だ。飲み込め、吐き戻すな……」
そして、また地の底に落ちた。