tohatuka1020
PROGRESSマイユ(No.0461♂)の話 ただ褒めてほしかった。
そんな顔をさせるつもりではなかった。
ダンスコンテストで賞をとった幼い自分が、育ての親以外にも褒めてもらおうと他のメンバーたちを探している。子どもには少々重いトロフィーを落とさないように注意しながら、やがて大勢の人の中からやっと見つけたその姿に、気分が弾んで笑顔になった。
「イーネしゃ、ユリしゃ……っ!」
意気揚々と近付こうとして、ぎくりと足を止める。
名を呼んだ二匹の前には、一緒にコンテストに出場した幼馴染がいた。こちらに背を向けて立っている彼の表情は見えなかったが、小さな肩は震えていて明らかに元気がない。
泣いている。
察した瞬間、掲げかけたトロフィーを慌てて胸に抱き戻した。
1016そんな顔をさせるつもりではなかった。
ダンスコンテストで賞をとった幼い自分が、育ての親以外にも褒めてもらおうと他のメンバーたちを探している。子どもには少々重いトロフィーを落とさないように注意しながら、やがて大勢の人の中からやっと見つけたその姿に、気分が弾んで笑顔になった。
「イーネしゃ、ユリしゃ……っ!」
意気揚々と近付こうとして、ぎくりと足を止める。
名を呼んだ二匹の前には、一緒にコンテストに出場した幼馴染がいた。こちらに背を向けて立っている彼の表情は見えなかったが、小さな肩は震えていて明らかに元気がない。
泣いている。
察した瞬間、掲げかけたトロフィーを慌てて胸に抱き戻した。