紫蘭(シラン)
DONE廻あざ※付き合ってます。
「爽やかには程遠い」/廻あざ 薄暗い室内で私は本棚の整理をするふりをしながら、そばで本を読むセンター長さんを眺めていた。照明が暗いせいかより一層青白く見える肌に、くまが濃い目元。文字通り全てを見透かす目は伏せがちで、あの鋭い瞳は本の文字を追っているからか微かに揺れている。さらに目線を下げれば、鼻筋の通った鼻と薄い唇が映った。そう、彼の唇。ごくりと生唾を飲み込んでから、私の視線はそこから動けなくなった。
「……そこまで凝視されると、流石に気になりますね。私になにか?」
「へぇ? あっ、なんで……!」
さりげなく見ていたはずが気づかれてしまった。とっさのことで頭が回らずあたふたする私に対して、センター長さんは少し呆れた様子で続ける。
1933「……そこまで凝視されると、流石に気になりますね。私になにか?」
「へぇ? あっ、なんで……!」
さりげなく見ていたはずが気づかれてしまった。とっさのことで頭が回らずあたふたする私に対して、センター長さんは少し呆れた様子で続ける。
紫蘭(シラン)
DONE廻あざ+ジャスです。どこかでこんなやりとりがあったらなーという妄想。
季節先取りしてます。
春のお届け便/廻あざ「今日もお疲れー。車回してくるから、あざみーはここで待ってな」
「はい、わかりました」
とある都市伝説が絡んだ案件の調査をしている私達は、午後から現場付近の公園で聞き込みを行っていた。比較的順調に進み、噂の詳細を知っていそうな人物のことまで突き止めることができたんだけど、その人は既に公園を後にしており調査は中断。明日またやってくるとのことだったので、今日はもう早めに切り上げることになった。
車の鍵を手にしながら駐車場へと歩いて行くジャスミンさんの背を見送ると、もう少し他の情報を集めたいと思った私は鞄の中からスマートフォンを取り出し、SNSのアプリをタップした。検索ワードを入力してスクロールをするが、これといったものはなかった。明日また頑張るしかないかと思ったところで、ひらりと小さなものが上から落ちてきた。
3290「はい、わかりました」
とある都市伝説が絡んだ案件の調査をしている私達は、午後から現場付近の公園で聞き込みを行っていた。比較的順調に進み、噂の詳細を知っていそうな人物のことまで突き止めることができたんだけど、その人は既に公園を後にしており調査は中断。明日またやってくるとのことだったので、今日はもう早めに切り上げることになった。
車の鍵を手にしながら駐車場へと歩いて行くジャスミンさんの背を見送ると、もう少し他の情報を集めたいと思った私は鞄の中からスマートフォンを取り出し、SNSのアプリをタップした。検索ワードを入力してスクロールをするが、これといったものはなかった。明日また頑張るしかないかと思ったところで、ひらりと小さなものが上から落ちてきた。