meyumemeyuniyu
DONEコ○スコラボネタと日和の誕生日のお話です。金城楓×遠野日和Webオンリーイベント『僕たちTYPE4』に参加させて頂いております。
【追記】ネップリ版できました!詳細はこちらのツリーをご参照ください→
https://twitter.com/meyumemeyuniyu/status/1484845207900536834?s=20
キミが好きだ。「あっれェー? 誰かと思えば日和くんじゃぁーん」
やっと見つけた。
日和がこのファミレスでバイトを始めたと聞いて足を運んだのに、注文を取りに来たのは別の奴だったから。
「なぁにやってんだよ、こんな日に」
「ああ、来てたんだ」
振り向いた日和の第一声は、相変わらず『面倒事が歩いてやって来た』、みたいな調子だった。
「オフシーズンだからって油売ってねーで……」
「今回は、橘くんの手伝い」
「へえ……。七瀬のダチか」
「今は僕の友人でもあるからね。……それよりほら、飲み物取りに来たんじゃないの?」
ああ。そういえば。
俺が日和を捕まえたのは、ドリンクバーの前である。
メニュー表を前に悩んでいるポーズを取り、フロアをちらちら眺めながら選んだ『キャラメルりんごのクレープパイ』は、快活な店員の言うには「少々お時間頂きまぁす!」ということらしかった。じゃあ時間を潰すかと、プレミアムドリンクバーも追加注文したのだ。それで、キッチン担当と聞いていた日和がタイミングよくカップ類を補充しにフロアに出て来たのだから、ちょうどよかった。
7497やっと見つけた。
日和がこのファミレスでバイトを始めたと聞いて足を運んだのに、注文を取りに来たのは別の奴だったから。
「なぁにやってんだよ、こんな日に」
「ああ、来てたんだ」
振り向いた日和の第一声は、相変わらず『面倒事が歩いてやって来た』、みたいな調子だった。
「オフシーズンだからって油売ってねーで……」
「今回は、橘くんの手伝い」
「へえ……。七瀬のダチか」
「今は僕の友人でもあるからね。……それよりほら、飲み物取りに来たんじゃないの?」
ああ。そういえば。
俺が日和を捕まえたのは、ドリンクバーの前である。
メニュー表を前に悩んでいるポーズを取り、フロアをちらちら眺めながら選んだ『キャラメルりんごのクレープパイ』は、快活な店員の言うには「少々お時間頂きまぁす!」ということらしかった。じゃあ時間を潰すかと、プレミアムドリンクバーも追加注文したのだ。それで、キッチン担当と聞いていた日和がタイミングよくカップ類を補充しにフロアに出て来たのだから、ちょうどよかった。
unitorotamago
CAN’T MAKE小説とは呼べないようなものですが、大丈夫という方はどうぞ🙏かえひよが一緒にいるところもっと見たい。君のこと / まや ふわりと揺れるフォームミルク。カップに入ったそれをゆっくりと口に運ぶ。
(カフェラテとか飲むんだ…)
ひと息おいてから二口目。もしかして猫舌なのだろうか。
日和は目の前にいる彼のことをほとんど知らない。泳ぎのタイムならば嫌でも記憶に残っているけれど。
高校の頃から大会で会う機会はよくあったが特に仲が良いわけでもなく、これといってまともに話した記憶もない。だからこそ、自分にしばしばつっかかってくる彼のことを日和は不思議に思っていた。
暖かみのある照明に深い色のテーブル。店内のレコードから流れるジャズが、二人の間に流れる気まずい沈黙に混ざる。堅苦しすぎないゆったりとした雰囲気とあたたかいカフェラテが日和を心地よくさせてくれ、その居心地のよさに普段ならば長居してしまいそうなものだが、今日はどこか落ち着かない。
1766(カフェラテとか飲むんだ…)
ひと息おいてから二口目。もしかして猫舌なのだろうか。
日和は目の前にいる彼のことをほとんど知らない。泳ぎのタイムならば嫌でも記憶に残っているけれど。
高校の頃から大会で会う機会はよくあったが特に仲が良いわけでもなく、これといってまともに話した記憶もない。だからこそ、自分にしばしばつっかかってくる彼のことを日和は不思議に思っていた。
暖かみのある照明に深い色のテーブル。店内のレコードから流れるジャズが、二人の間に流れる気まずい沈黙に混ざる。堅苦しすぎないゆったりとした雰囲気とあたたかいカフェラテが日和を心地よくさせてくれ、その居心地のよさに普段ならば長居してしまいそうなものだが、今日はどこか落ち着かない。
meyumemeyuniyu
DONE誕生日に間に合わなかったかえひよ風邪ネタ。夜中にかぇでの家を訪ねたひょり。かえでの謎がすべて解き明かされる前に…
【追記】修正してpixivにアップしました〜 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16139593
日和誕2021かえひよ 玄関を開けたら、日和がいた。
そろそろ日付も変わろうかという夜更けにチャイムを連打され、どこぞの酔っぱらった先輩でもなだれ込んできたのかと、思ったのだ。だったら出る必要ねえかなあ、とも。
「金城が寂しがってないかと思ってさ」
しかしそこに立っていたのは確かに、鼻先を赤くして白い息を吐きながらそんなことを嘯く、日和であった。それならもっと早く迎えに出たのにと、浮かびかけた後悔は、口にはしないことにする。
「寂しいなら郁弥クンの家にすれば? 近いだろ」
「なに言ってるの。こんな時間に行ったら近所迷惑でしょ」
飄々とした調子で生意気ばかり言いながら、勝手知ったるというふうにするりと俺をすり抜けて、靴だけは手早くそろえ日和は俺の部屋へ上がり込んだのだった。すれ違いざまに、冬の冷えた匂いがした。凜と澄んで、どこか悲しげな香りだった。
4182そろそろ日付も変わろうかという夜更けにチャイムを連打され、どこぞの酔っぱらった先輩でもなだれ込んできたのかと、思ったのだ。だったら出る必要ねえかなあ、とも。
「金城が寂しがってないかと思ってさ」
しかしそこに立っていたのは確かに、鼻先を赤くして白い息を吐きながらそんなことを嘯く、日和であった。それならもっと早く迎えに出たのにと、浮かびかけた後悔は、口にはしないことにする。
「寂しいなら郁弥クンの家にすれば? 近いだろ」
「なに言ってるの。こんな時間に行ったら近所迷惑でしょ」
飄々とした調子で生意気ばかり言いながら、勝手知ったるというふうにするりと俺をすり抜けて、靴だけは手早くそろえ日和は俺の部屋へ上がり込んだのだった。すれ違いざまに、冬の冷えた匂いがした。凜と澄んで、どこか悲しげな香りだった。