宇宙最強の陰陽師📟
PASTさるいお再掲 さるいおに敗北するモブ女ちゃんが出てくる奴隷の居ぬ間に◇◇◇side MOBU♀◇◇◇
大学の授業が終わり、図書室で調べ物をしていたら19時を過ぎていた。時計を見て慌てて荷物を片付け急いで大学を後にする。夜になると大学から近くの駅に行く道は人通りが極端に少なくなる。街灯こそあるがそれ以外の明かりは遠くにしか見えない、加えて夜には明らかにガラの悪い人達がたむろしている。
(一度絡まれればオシマイ…)
鞄の取っ手を力強く握り締めて足を早めた。
(最悪だ…)
まだ19時半にもなっていないのに、その道には既にガラの悪い人達が数人いらっしゃる。
どうか私に絡んで来ませんように…と心の中で祈りながら早歩きをする。するとその人達が近付いてきた。
(やめて、私は何も出来ません。素通りしてください)
9391大学の授業が終わり、図書室で調べ物をしていたら19時を過ぎていた。時計を見て慌てて荷物を片付け急いで大学を後にする。夜になると大学から近くの駅に行く道は人通りが極端に少なくなる。街灯こそあるがそれ以外の明かりは遠くにしか見えない、加えて夜には明らかにガラの悪い人達がたむろしている。
(一度絡まれればオシマイ…)
鞄の取っ手を力強く握り締めて足を早めた。
(最悪だ…)
まだ19時半にもなっていないのに、その道には既にガラの悪い人達が数人いらっしゃる。
どうか私に絡んで来ませんように…と心の中で祈りながら早歩きをする。するとその人達が近付いてきた。
(やめて、私は何も出来ません。素通りしてください)
砂漠うみ
DONEお雑煮にお餅何個入れるか訊かれるのがお正月の醍醐味。事後を匂わせる描写がありますお餅いくつにする? ふあぁ、と眠たげに目を擦りながら、猿川慧はダイニングに現れた。気の抜けた表情やもったりとした寝起きの雰囲気に反して、髪はきちんとセットされている。そのギャップがなんだかおかしくて、依央利はふっとこっそり笑った。
「おそよう、猿ちゃん」
正確には一度顔を合わせているのだが、お雑煮を温めなおしながらわざと依央利はそう言った。慧はうん、とぼんやり返す。
「お餅いくつにする?」
「ひとつ」
「えー? 少なすぎない?」
「うるっせぇ。食欲ねーよ、寝起きで……」
またひとつ、大きなあくび。
「昨日はずいぶん遅くまで起きてたもんね」
歌うように含みを持たせてそう言うと、慧はずかずかと歩いてきて依央利の尻を蹴った。
「痛ぁ!」
989「おそよう、猿ちゃん」
正確には一度顔を合わせているのだが、お雑煮を温めなおしながらわざと依央利はそう言った。慧はうん、とぼんやり返す。
「お餅いくつにする?」
「ひとつ」
「えー? 少なすぎない?」
「うるっせぇ。食欲ねーよ、寝起きで……」
またひとつ、大きなあくび。
「昨日はずいぶん遅くまで起きてたもんね」
歌うように含みを持たせてそう言うと、慧はずかずかと歩いてきて依央利の尻を蹴った。
「痛ぁ!」
秘色-ヒソク-
CAN’T MAKE2022/12/12 さるいお 【雨中の昏い部屋】 一応さるいおになってはいるけどさるいおじゃなくておさななのふたりかもしれない。 秘密基地、というにはあまりにも他人任せで無責任なものだったけれど、あのころの僕たちにはそんな場所があった。
施設を抜け出すさるちゃんの背を追って走る。畦道を軽い足取りで、用水路を飛び越えて、林を抜けた丘のあたり。建設途中のまま今は誰も来ない、二間程度の小さな小屋。
晴れた日には丘を駆け回った。風の強い日は上空を旋回する大きな鳥を見上げていた。一度か二度、夜に星を見たけれどそのあとすごく怒られた記憶がある。雨の日には、たくさん話して、歌をうたって、絵を描いて本を読んで、また話した。いつもいつも、手元が見えるかどうかもあやしくなるくらい遅くまでそこにいて、それからようやく、渋々と帰っていた。
いま、電気の通らないこの部屋は、あの夕暮れと同じ昏さを宿している。見上げる空からは雷鳴、吹き付ける暴風雨。慌てるのもバカらしくなるくらいの悪天候だ。抗いようもない。
1401施設を抜け出すさるちゃんの背を追って走る。畦道を軽い足取りで、用水路を飛び越えて、林を抜けた丘のあたり。建設途中のまま今は誰も来ない、二間程度の小さな小屋。
晴れた日には丘を駆け回った。風の強い日は上空を旋回する大きな鳥を見上げていた。一度か二度、夜に星を見たけれどそのあとすごく怒られた記憶がある。雨の日には、たくさん話して、歌をうたって、絵を描いて本を読んで、また話した。いつもいつも、手元が見えるかどうかもあやしくなるくらい遅くまでそこにいて、それからようやく、渋々と帰っていた。
いま、電気の通らないこの部屋は、あの夕暮れと同じ昏さを宿している。見上げる空からは雷鳴、吹き付ける暴風雨。慌てるのもバカらしくなるくらいの悪天候だ。抗いようもない。
秘色-ヒソク-
CAN’T MAKEさるいお おともだちに影響されて初挑戦!でも全然わかんない!難しすぎ!!服従とは別の気持ち、反発も忘れちゃうくらい、この二人はもっと根底で繋がってるよねって思うけど形にするのは難易度高すぎ。無謀な挑戦しました……。 お題【いつもの呪文がきかないの】https://shindanmaker.com/1130533 滅私、貢献、奉仕。
滅私、貢献、奉仕。
頭で考えて意識して、胸の内に留めるために繰り返す。負荷は欲しいけれど、それは自分を抑えるような圧迫感とは違う。服従したいけれど、この衝動には抗わなきゃいけない。だってなんだか乗っ取られそう。空っぽのはずの僕の中から顔を出そうとしているもの。奥の奥にいたのは無我だったはずなのに、これはなに、きみはだれ。
「さるちゃん、」
「あ? ンだよ、急に。ぼーっとしてたかと思ったら」
さっきまで呼んでも気付かなかったくせに、って言われて、それが自分のことだってすぐには繋がらなかった。いけない、こんなの奴隷失格だ。しっかりしなくちゃ、なんて思ったそばから、こんなことを訊ねる自分がやっぱり信じられない。
1614滅私、貢献、奉仕。
頭で考えて意識して、胸の内に留めるために繰り返す。負荷は欲しいけれど、それは自分を抑えるような圧迫感とは違う。服従したいけれど、この衝動には抗わなきゃいけない。だってなんだか乗っ取られそう。空っぽのはずの僕の中から顔を出そうとしているもの。奥の奥にいたのは無我だったはずなのに、これはなに、きみはだれ。
「さるちゃん、」
「あ? ンだよ、急に。ぼーっとしてたかと思ったら」
さっきまで呼んでも気付かなかったくせに、って言われて、それが自分のことだってすぐには繋がらなかった。いけない、こんなの奴隷失格だ。しっかりしなくちゃ、なんて思ったそばから、こんなことを訊ねる自分がやっぱり信じられない。