TokageIppai
DONEアミュエスのハロウィン妄想SS(2019年ハロウィンイベント準拠)です。ご都合主義・捏造山盛りなのでなんでも許せる人向けきみとかぼちゃのクッキーを「トリック・オア・トリート~!!」
突然ドアが勢いよく開いたかと思うと、元気な声が部屋中に響き渡った。
「あら、リッカちゃんに、ニーナちゃん。こんにちは」
部屋の入り口に立っているのは、私と同じオルテア生まれの女の子二人組だ。書き物をしていた手を止めて、彼女たちに挨拶する。種族は違うけれど、とても仲のいい二人の様子を見ていると、こちらまで心が弾んでくる。
「とりっく、おあ、とりーと」
「トリック・オア・トリート…あのう、お仕事中、すみません…」
リッカちゃんとニーナちゃんの背後から、少し控えめな声がする。同じオルテア出身のエステアちゃんとフェクタちゃんだ。
「エステアちゃんとフェクタちゃんも、こんにちは。…その帽子、おそろい?とってもかわいい」
2517突然ドアが勢いよく開いたかと思うと、元気な声が部屋中に響き渡った。
「あら、リッカちゃんに、ニーナちゃん。こんにちは」
部屋の入り口に立っているのは、私と同じオルテア生まれの女の子二人組だ。書き物をしていた手を止めて、彼女たちに挨拶する。種族は違うけれど、とても仲のいい二人の様子を見ていると、こちらまで心が弾んでくる。
「とりっく、おあ、とりーと」
「トリック・オア・トリート…あのう、お仕事中、すみません…」
リッカちゃんとニーナちゃんの背後から、少し控えめな声がする。同じオルテア出身のエステアちゃんとフェクタちゃんだ。
「エステアちゃんとフェクタちゃんも、こんにちは。…その帽子、おそろい?とってもかわいい」
TokageIppai
DONE「わたし」と白百合 ――どうしてこの人は、突然わたしと散歩がしたいだなんて言ったんだろう。
並んで歩き出したはいいものの、オルテア親衛隊所属の軍人だというこの女性は、時折たわいもない話をするばかりで、さっきの話については一言も触れない。
誰かと一緒に行動するのは、この冒険団に入ってからが初めてだったから、たまに人との距離をはかりかねる時がある。セプティムたちが話しかけてくれるのは嬉しかったけれど、自分がその優しさにちゃんと応えられているのか、よく分からなかった。だから今日も、あんな話をしたせいでこの人に気を遣わせてしまったのだとしたら、申し訳ないと思う気持ちの方が強かった。
そっと隣を見る。日の光を浴びて、彼女の銀髪がきらきらと光った。
2497並んで歩き出したはいいものの、オルテア親衛隊所属の軍人だというこの女性は、時折たわいもない話をするばかりで、さっきの話については一言も触れない。
誰かと一緒に行動するのは、この冒険団に入ってからが初めてだったから、たまに人との距離をはかりかねる時がある。セプティムたちが話しかけてくれるのは嬉しかったけれど、自分がその優しさにちゃんと応えられているのか、よく分からなかった。だから今日も、あんな話をしたせいでこの人に気を遣わせてしまったのだとしたら、申し訳ないと思う気持ちの方が強かった。
そっと隣を見る。日の光を浴びて、彼女の銀髪がきらきらと光った。
TokageIppai
DONE「私」と双剣双剣が宙を舞う。
音もなく着地した小さな影が森の中を駆け抜け、魔物の群れに飛び込む。
青白い光が一筋閃いた、
と思った次の瞬間、魔物たちは両断されていた。
それは、剣技というより剣舞と呼ぶにふさわしい、軽やかな動きだったけれど、
手にした双剣以外には、何もかも───自分の感情さえ、捨ててしまっているように見えて。
だから、気づいてしまった。
ああ、この子はきっと、ずっと一人で戦ってきたんだろう、と。
***
拠点へ帰り、寝床に入ったあとも、その少女のことが頭から離れず、なかなか寝付けなかった。彼女の戦い方は、明らかに常人のそれではない。熟練の冒険者でも、あれほど双剣を扱える人はわずかだろう。けれどもそれは、一人で戦うことを前提としているもののように見えた。協調性がないというわけでもなさそうだったが、仲間の動きを確認するよりも先に、敵の方へと体が動いている、といった風であった。そういう戦い方には、何よりも自分自身の過去に覚えがあった。
1700音もなく着地した小さな影が森の中を駆け抜け、魔物の群れに飛び込む。
青白い光が一筋閃いた、
と思った次の瞬間、魔物たちは両断されていた。
それは、剣技というより剣舞と呼ぶにふさわしい、軽やかな動きだったけれど、
手にした双剣以外には、何もかも───自分の感情さえ、捨ててしまっているように見えて。
だから、気づいてしまった。
ああ、この子はきっと、ずっと一人で戦ってきたんだろう、と。
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拠点へ帰り、寝床に入ったあとも、その少女のことが頭から離れず、なかなか寝付けなかった。彼女の戦い方は、明らかに常人のそれではない。熟練の冒険者でも、あれほど双剣を扱える人はわずかだろう。けれどもそれは、一人で戦うことを前提としているもののように見えた。協調性がないというわけでもなさそうだったが、仲間の動きを確認するよりも先に、敵の方へと体が動いている、といった風であった。そういう戦い方には、何よりも自分自身の過去に覚えがあった。