pri_rin9886
DONE以前Xに投げた短編の続き。記憶ありなフリで89話後スピに囲われながら隠密しようとしている(できてない)フリのお話。イツワリノぎしり、と微かな音を立ててフリードはベッドから身を起こした。
薄暗い部屋の中で、服が床に散らばっているのが見える。いつまでも素っ裸のままというのも心許ないが、ベッドから降りるのも億劫だ。しばらくこのままでいいか、とフリードは座ったまま再び目を閉じた。
ここは社長室から扉一枚を隔てた仮眠室である。その名の通り社長であるスピネルが仮眠を取るための部屋なのだが、スピネルが1人で呑気に寝ている姿など見たことはない。主な用途は休憩と称してフリードを連れ込むためのものである、ように思う。
少なくともフリードにとってはそうだった。
名ばかりの社長というわけではなく、なんだかんだと忙しく動き回っているスピネルに「少しは休んだらどうだ?」と声をかけても「休んでいるじゃないですか」といつもの笑顔が返ってくる。
2414薄暗い部屋の中で、服が床に散らばっているのが見える。いつまでも素っ裸のままというのも心許ないが、ベッドから降りるのも億劫だ。しばらくこのままでいいか、とフリードは座ったまま再び目を閉じた。
ここは社長室から扉一枚を隔てた仮眠室である。その名の通り社長であるスピネルが仮眠を取るための部屋なのだが、スピネルが1人で呑気に寝ている姿など見たことはない。主な用途は休憩と称してフリードを連れ込むためのものである、ように思う。
少なくともフリードにとってはそうだった。
名ばかりの社長というわけではなく、なんだかんだと忙しく動き回っているスピネルに「少しは休んだらどうだ?」と声をかけても「休んでいるじゃないですか」といつもの笑顔が返ってくる。