mizutarou22
DONE #テラディオの日今日はテラディオの日。現パロです。
今度からは教えてね そのことに気付いた瞬間、身体中から血の気が引いたような感覚が襲った。何度目を擦ってみても、結果は同じ。
いない。いないのだ。
「何故……」
私の大事な、テディベアが。いつも置いてある場所から、いなくなっていた。
◆◇◆◇
「これを……私に?」
「うん!」
それは、まるでテランスに似たブルーグレーの瞳をした可愛いテディベア。そのテディベアを持って、にっこりと微笑み、私へと差し出してくる子供の頃のテランス。
「家の中までは一緒にはいられないから……これを、僕だと思って」
「……!」
私は嬉しかった。心の中に花が咲いたようだった。私はテランスからテディベアを受け取り、ぎゅっと抱きしめる。
家は隣同士で、よくお互いの家に遊びに行ったりしたけれど、さすがに夜までは一緒にはいられない。私が「テランスともっと一緒にいたい」と泣いてしまったことを覚えていてくれていたのだろう。優しいテランスは私のために、テディベアを買ってきてくれたのだ。
1735いない。いないのだ。
「何故……」
私の大事な、テディベアが。いつも置いてある場所から、いなくなっていた。
◆◇◆◇
「これを……私に?」
「うん!」
それは、まるでテランスに似たブルーグレーの瞳をした可愛いテディベア。そのテディベアを持って、にっこりと微笑み、私へと差し出してくる子供の頃のテランス。
「家の中までは一緒にはいられないから……これを、僕だと思って」
「……!」
私は嬉しかった。心の中に花が咲いたようだった。私はテランスからテディベアを受け取り、ぎゅっと抱きしめる。
家は隣同士で、よくお互いの家に遊びに行ったりしたけれど、さすがに夜までは一緒にはいられない。私が「テランスともっと一緒にいたい」と泣いてしまったことを覚えていてくれていたのだろう。優しいテランスは私のために、テディベアを買ってきてくれたのだ。
malsumi_1416
DONE【元使用人の独白、あるいはある男の告解】「テデの日」に寄せて
ある使用人の目線から見た、幼き日のテランス+ディオンの思い出とそれを踏まえた「彼」の告白
テデちゃんがお付き合い始めたあたり
構成成分:
モブの回想
弊テデの幼少期の幻覚
テランスの姓の捏造
テ君の出番は幼少期のみ
モブの語りから入ります
キャプションをご了承の上、お好きな方はどうぞ
元使用人の独白、あるいはある男の告解一
少し、昔話を致しましょうか。
懐かしいカモミーユのお茶は如何?
こちらのお菓子は?
ええ、あなた様とお会いできるからと今朝方から。焼きたてですのよ。
ああでも、これが好きだったのは小さなあの子の方でしたわね。
さて、どこからお聴きになりたいかしら。
……あら、そう。
最初から、と。
では、改めてわたくしとあの方の馴れ初めでもお話ししましょうか。
懐かしいこと……あの時の事は今でも憶えてますわ。
最初の報せが参りましたのは、凍てつく中に春の風が吹き始める頃。
わたくし達一家が所領の倹しい我が家で、未だ残る寒さに暖炉を囲んでいた時のことですの。
風ではなく、人の手が扉を打ち付ける音を聞いた従僕が表を確かめに行って、暫くして血相を変えて走り込んできたものですから。
16006少し、昔話を致しましょうか。
懐かしいカモミーユのお茶は如何?
こちらのお菓子は?
ええ、あなた様とお会いできるからと今朝方から。焼きたてですのよ。
ああでも、これが好きだったのは小さなあの子の方でしたわね。
さて、どこからお聴きになりたいかしら。
……あら、そう。
最初から、と。
では、改めてわたくしとあの方の馴れ初めでもお話ししましょうか。
懐かしいこと……あの時の事は今でも憶えてますわ。
最初の報せが参りましたのは、凍てつく中に春の風が吹き始める頃。
わたくし達一家が所領の倹しい我が家で、未だ残る寒さに暖炉を囲んでいた時のことですの。
風ではなく、人の手が扉を打ち付ける音を聞いた従僕が表を確かめに行って、暫くして血相を変えて走り込んできたものですから。