let_it_tei
CAN’T MAKE2018年に書いてるっぽいけど何も思い出せない。戦闘妖精・雪風の桂城彰の話
鋏でじょきじょきする桂城くん いらない書類なら始めから書かせるなと言いたい。
桂城は不満を直接口にすることなく、手だけを動かし続ける。じょきじょきじょきじょきと厚手の紙を切るとき独特の音が室内に響く。
桂城が切っているのは先日深井とともに書き上げたレポートだ。上官であるブッカーに提出したところ、おおむね好意的な評価を与えられたそれである。それが何故今桂城の手元にあり、切り刻まれているのかというと、シュレッダーにかけておけということだった。
特殊戦にシュレッダーがない訳でもなければ、経費削減のためにそれが使えない訳でもない。桂城があまりにもうわの空で、他の仕事が手につかない状態なので集中力を取り戻せるまでひたすら紙を切っていろということだった。
575桂城は不満を直接口にすることなく、手だけを動かし続ける。じょきじょきじょきじょきと厚手の紙を切るとき独特の音が室内に響く。
桂城が切っているのは先日深井とともに書き上げたレポートだ。上官であるブッカーに提出したところ、おおむね好意的な評価を与えられたそれである。それが何故今桂城の手元にあり、切り刻まれているのかというと、シュレッダーにかけておけということだった。
特殊戦にシュレッダーがない訳でもなければ、経費削減のためにそれが使えない訳でもない。桂城があまりにもうわの空で、他の仕事が手につかない状態なので集中力を取り戻せるまでひたすら紙を切っていろということだった。
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CAN’T MAKEゾロトフ生存IFのゾロユリ同棲設定で書いてた気がするんだよなあ花見をするゾロユリ 頭上の空はこの時期にしては珍しくすっきりと青い。春の空といえばどこか霞がかった色をしている。今日の空にはその霞んだ感じがない。どこか夏の青空を連想させる濃さだ。
ふと街路樹を見ると葉の色も大分濃くなっている。アスファルトの裂け目から生える雑草にしても小さな花を咲かせていた。頬を撫でる温い空気も含めて春だと実感する。
ユーリは自宅マンション近くの公園を歩いていた。高層マンションが建ち並び、人が住みやすいようにと環境が整えられている区画だ。車の往来が激しい通りはここから少し離れている。ユーリの革靴が叩く歩道にしても段差ひとつない。この公園にしても意図的に緑が植えられているのだ。いくら大通りから離れ緑が多いとはいえ、深く息を吸い込んでも森の中にいるような濃い植物の息吹を味わえることはない。排気ガスの匂いや土埃がないことがせめてもの救いか。
1259ふと街路樹を見ると葉の色も大分濃くなっている。アスファルトの裂け目から生える雑草にしても小さな花を咲かせていた。頬を撫でる温い空気も含めて春だと実感する。
ユーリは自宅マンション近くの公園を歩いていた。高層マンションが建ち並び、人が住みやすいようにと環境が整えられている区画だ。車の往来が激しい通りはここから少し離れている。ユーリの革靴が叩く歩道にしても段差ひとつない。この公園にしても意図的に緑が植えられているのだ。いくら大通りから離れ緑が多いとはいえ、深く息を吸い込んでも森の中にいるような濃い植物の息吹を味わえることはない。排気ガスの匂いや土埃がないことがせめてもの救いか。
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CAN’T MAKEここまで書いてるなら書いてくれの劇場版屍者の帝国のフラワト劇場版屍者の帝国フラワトフラワト
その日もロンドンは例に漏れず鈍色の雲が分厚く空を覆っていた。せっかく広く取られた窓も、これでは外の光を取り入れようにもほとんど役目を果たせない。
フライデーが所有している研究室は、出入り口となる扉と窓以外書物や機器で埋め尽くされていた。言い換えてしなまえば、書物や機器が所狭しと置かれていなければ、貧乏学生相応のアパートメントハウスの狭い一室に過ぎない。ここをここたらしめているのは、屍者や魂に纏わる技術書、屍者に疑似霊素を書き込むための設備一式、そしてなによりも、この部屋の契約主であるフライデーの存在が大きかった。
知と理性と探究心で埋め尽くされた小さな城の主は、部屋の中にひとつしかない窓際の机に座って悪戯っぽく笑って見せた。
2658その日もロンドンは例に漏れず鈍色の雲が分厚く空を覆っていた。せっかく広く取られた窓も、これでは外の光を取り入れようにもほとんど役目を果たせない。
フライデーが所有している研究室は、出入り口となる扉と窓以外書物や機器で埋め尽くされていた。言い換えてしなまえば、書物や機器が所狭しと置かれていなければ、貧乏学生相応のアパートメントハウスの狭い一室に過ぎない。ここをここたらしめているのは、屍者や魂に纏わる技術書、屍者に疑似霊素を書き込むための設備一式、そしてなによりも、この部屋の契約主であるフライデーの存在が大きかった。
知と理性と探究心で埋め尽くされた小さな城の主は、部屋の中にひとつしかない窓際の机に座って悪戯っぽく笑って見せた。