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    let_it_tei

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    2018年に書いてるっぽいけど何も思い出せない。
    戦闘妖精・雪風の桂城彰の話

    #ハヤカワ
    hayakawa

    鋏でじょきじょきする桂城くん いらない書類なら始めから書かせるなと言いたい。
     桂城は不満を直接口にすることなく、手だけを動かし続ける。じょきじょきじょきじょきと厚手の紙を切るとき独特の音が室内に響く。
     桂城が切っているのは先日深井とともに書き上げたレポートだ。上官であるブッカーに提出したところ、おおむね好意的な評価を与えられたそれである。それが何故今桂城の手元にあり、切り刻まれているのかというと、シュレッダーにかけておけということだった。
     特殊戦にシュレッダーがない訳でもなければ、経費削減のためにそれが使えない訳でもない。桂城があまりにもうわの空で、他の仕事が手につかない状態なので集中力を取り戻せるまでひたすら紙を切っていろということだった。
     命じたのはブッカーである。「正座で写経か、椅子に座って紙を切り刻む作業、好きな方を選ばせてやる」とどっちもどっちな選択肢を突き付けられ、桂城は椅子に座って人力シュレッダーになることを選択したのだ。
     今桂城が切り刻んでいるのは自分が書いたレポートである。一応ブッカーにも「ジャムに関するレポートなのに切ってしまっていいんですか」と尋ねた。その答えは「そいつはコピーだから安心して思う存分切り刻め」だった。わざわざ桂城に切らせるためにコピーまで印刷したらしい。資源の無駄遣いである。
     その腹立たしさを鋏と紙にぶつける。
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    wakako_sks

    REHABILI以前にぷらいべったーに投下した五夏たとえるならウユニ塩湖。鏡面のように凪いだ海に白いテーブルクロスの掛かったテーブルセットが浮いていて、夏油はそこに腰掛けているのだった。どういう原理なのかはわからないが、そこではそれが自然なことだと理解している。
    周囲には何もなく、空と溶け合う水平線は夕焼けの赤に染まっている。少し上を見上げれば雲が折り重なり、淡く青に溶けてそこから藍。見事なグラデーションが描かれている。
    顔を正面に向けると、そこには五条のふぬけた笑顔があった。
    「何食べたい?」
    問われて、夏油はそうだ、ここはレストランなのだったと思い出す。
    「ラーメン半チャーハンセットと唐揚げ」
    「お前いつもそればっかだよな」
    半ば呆れた表情の五条がつぶやく。何食ってもいいのに。
    「俺はね、ステーキ丼とデザートにパフェ」
    五条がそう言った瞬間、影のようなものがあらわれ瞬く間にテーブルクロスの上に給仕がされていく。気づけばテーブルの上には馴染みの中華食堂のラーメンセットと、その三軒隣にあるステーキ屋のランチセットが並んでいた。
    「食べようぜ」
    いただきます、と手を合わせ箸を持つ。唐揚げを齧る。いつもに比べて味が薄いような気がして胡椒を 1193