hirata_cya
DONEビマヨダワンドロ様のお題をお借りしたもの。30回おつかれさまでした!ユッディの口調を捏造しています。
このお話のポイント→よだぴを倒せばおしまいだと思い込んでいるがこの後この世全ての地獄を見る五王子
運命 細く長い指が器用に骨で作られた骰子を弄ぶ。
武器を握れば驚くほどの重さで打ち込んでくる胼胝だらけの掌は、しかし見た目だけなら俺の親指と人差指で摘んで潰してしまえそうなほどに華奢だ、不思議なことに。
「必ず勝つ勝負が一番好きだ。負けるのが分かっている戦いなど、してもなにが楽しいのか」
そう言って骰子を眺める暁の目に、嘘は一片たりとも存在していなかった。
運命
血の気を失った頬、得物を強く握りすぎて蒼白となった指先。ぽたぽたと滴る水が地面に染みを作る。
カウラヴァの旗頭はたった一人となってなお、人を食ったような態度を崩さずそこにいる。
あいつの有力な味方はあらかた死んだ。あいつの兄弟たちは一人残らず俺が殺した。あとは料理に例えるのなら皿の上に乗った僅かな米粒を指で掬う段階で、そして皿は綺麗に空となる。
2362武器を握れば驚くほどの重さで打ち込んでくる胼胝だらけの掌は、しかし見た目だけなら俺の親指と人差指で摘んで潰してしまえそうなほどに華奢だ、不思議なことに。
「必ず勝つ勝負が一番好きだ。負けるのが分かっている戦いなど、してもなにが楽しいのか」
そう言って骰子を眺める暁の目に、嘘は一片たりとも存在していなかった。
運命
血の気を失った頬、得物を強く握りすぎて蒼白となった指先。ぽたぽたと滴る水が地面に染みを作る。
カウラヴァの旗頭はたった一人となってなお、人を食ったような態度を崩さずそこにいる。
あいつの有力な味方はあらかた死んだ。あいつの兄弟たちは一人残らず俺が殺した。あとは料理に例えるのなら皿の上に乗った僅かな米粒を指で掬う段階で、そして皿は綺麗に空となる。
m_rotktn
DONE第4回 お題「祝福」特異点で現地民をタラタラしてるヨダナにちょっとグっと来てしまったビーマくんのはなし
ナウツカ姫姉様みたいな兄王子が見たかったなどと供述しており
まだ名はない「そら」
無造作にずい、と差し出された手の中には、小ぶりな果実がひとつばかり鎮座している。
「……」
こころとからだ、咄嗟の反応が相反し、持ち上げかけた手は半端な位置で静止した。持て余した勢いを掌中で宥めながら、ビーマは努めて静かな声を出す。昼日中、ひと目もある往来でこちらから騒ぎを起こす事態は避けたい。
「なんだよ、これは」
「なに、ささやかだが報酬と言ったところか。護衛の任の足労と高貴なこの身を案じる殊勝な心映えは、わし様自ら労うに値するものだからして」
「……ふざけろ。誰が護衛だ」
ビーマともそう変わらない筋力A+190cm90kgの謀略系ヴィランに必要なのは目付、監視の意味での守り役である。当然ながらそのつもりで同道してきたビーマは、レイシフト先のややうらぶれた街中を孔雀のごとく闊歩する男を横目で睨め付けるが、当の本人はどこ吹く風という顔で長い髪と耳に提げた房飾りを肩口に遊ばせている。
4160無造作にずい、と差し出された手の中には、小ぶりな果実がひとつばかり鎮座している。
「……」
こころとからだ、咄嗟の反応が相反し、持ち上げかけた手は半端な位置で静止した。持て余した勢いを掌中で宥めながら、ビーマは努めて静かな声を出す。昼日中、ひと目もある往来でこちらから騒ぎを起こす事態は避けたい。
「なんだよ、これは」
「なに、ささやかだが報酬と言ったところか。護衛の任の足労と高貴なこの身を案じる殊勝な心映えは、わし様自ら労うに値するものだからして」
「……ふざけろ。誰が護衛だ」
ビーマともそう変わらない筋力A+190cm90kgの謀略系ヴィランに必要なのは目付、監視の意味での守り役である。当然ながらそのつもりで同道してきたビーマは、レイシフト先のややうらぶれた街中を孔雀のごとく闊歩する男を横目で睨め付けるが、当の本人はどこ吹く風という顔で長い髪と耳に提げた房飾りを肩口に遊ばせている。