肴飯のポイ箱
DONE1人ワンドロ「明星、アラーム、日だまり」※CP要素無し
強い、とても強い人達の話。
kbnさんと、kbさんが出ます。それぞれ違った奮起の仕方やタイミングがあるのかなって。
明星のアラーム 人工的な灯りが無いワイルドエリアの夜は、まるで黒のペンキをぶちまけたように暗い。子どもの時は少し怖かったが、知識も経験も得て大人になったキバナにとっては、恐怖よりも安心感の方が大きい。暗くて静かであれば、それはひとによってのトラブルが起きていない証拠であるからだ。
風が草木を揺らす音。目を覚まして動き出そうとするポケモン達の小さな鳴き声。日だまりの温もりがすっかりと抜け切った地面に腰を下ろすと、ざらりと手のひらに乾いた土の感触が伝わってくる。キバナは頬に風を受けながらぼんやりと暗闇を眺める。
ワイルドエリアの定期巡回。ナックルジムとエンジンジム、リーグ職員と持ち回り制で行われるそれは数ヶ月に一度、キバナにも平等に機会が回ってくる。
2569風が草木を揺らす音。目を覚まして動き出そうとするポケモン達の小さな鳴き声。日だまりの温もりがすっかりと抜け切った地面に腰を下ろすと、ざらりと手のひらに乾いた土の感触が伝わってくる。キバナは頬に風を受けながらぼんやりと暗闇を眺める。
ワイルドエリアの定期巡回。ナックルジムとエンジンジム、リーグ職員と持ち回り制で行われるそれは数ヶ月に一度、キバナにも平等に機会が回ってくる。
シン/今年もプロメア見れる嬉しい
DONEクロスフォリオに掲載中!https://xfolio.jp/portfolio/3P-ThreePii-/works/4386083
踊るペン先
久しぶりにマスタング大佐
シン/今年もプロメア見れる嬉しい
DONEクロスフォリオに掲載中!https://xfolio.jp/portfolio/3P-ThreePii-/works/4381583
ワンドロ(最終回バレあります)
ポーマニのお題が出なかったので別所のワンドロをしていました。
肴飯のポイ箱
DONE少年kbn君と同年代🚺dndちゃんの話。「まずは一手」の続きです。
何でもかんでも楽しくなっちゃう2人の話。
※dndさん先天性女体化
ずっとキラキラが見えた ナックルシティの少し奥まった所にある漆喰と煉瓦壁が特徴の小さなティールームの一角。青々とした観葉植物が並べられたコンサーバトリー内では、淡いブルーの茶器に注がれた花のような香りのする紅茶に、同じく淡い色を基調にしたティースタンド。その上には宝石のような軽食やお菓子達が行儀良く並んでいた。
「…おお…キラキラだぜ!」
テーブルに広げられたそれらを、琥珀色の瞳を無邪気に輝かせながら笑顔になるダンデの姿に、キバナはホッと胸を撫で下ろす。
「喜んでくれて良かった」
「お昼、迷子になってたら食べ損ねてたんだ。助かったぜ」
「そんなに歩き回ってたのかよ?電話すればよかったじゃん」
「いや、まあそうなんだが。服を見てもらいたいって電話は流石にし難くて…」
1750「…おお…キラキラだぜ!」
テーブルに広げられたそれらを、琥珀色の瞳を無邪気に輝かせながら笑顔になるダンデの姿に、キバナはホッと胸を撫で下ろす。
「喜んでくれて良かった」
「お昼、迷子になってたら食べ損ねてたんだ。助かったぜ」
「そんなに歩き回ってたのかよ?電話すればよかったじゃん」
「いや、まあそうなんだが。服を見てもらいたいって電話は流石にし難くて…」
肴飯のポイ箱
DOODLEワンドロ少年kbn君と同年代🚺dndちゃんの話。
※先天性女体化です。
心より行動が先にくる1人と、心が来てから一気に行動し始める1人の話
お題『初恋or意識し始め』
まずは一手 昼下がりのナックルシティ。ジムリーダーになって一年とちょっと。自分に割り振られた仕事をなんとか回せるようになってきたキバナは、最近になって漸く入ることを許された宝物庫内の書庫に昼休憩はもっぱら入り浸っていた。保存の観点から外に全く出される事のない書庫は、知的好奇心が強いキバナにとっては大分豪華なオモチャ箱のようなものだった。
「(今日は午後から休みだし、入室許可も取った。絶対閉まるギリギリまで入り浸ってやる!)」
少し浮き足だった歩みで書庫の扉を開け、少し埃っぽい空気を吸い込む。この、何とも言えない紙とインクの香りがキバナは大好きだった。
ナックルジムの書庫は少し不思議な形をしている。吹き抜け式の円柱型の室内には螺旋階段がぐるりとドラゴンの体のように巻き付いている。その螺旋に沿って壁に本棚が埋め込まれている。光を最低限取り込む為に作られた丸い天窓には、月と太陽をモチーフにしたステンドグラスが嵌められており、外の光を透かして淡い彩光を放っている。
2021「(今日は午後から休みだし、入室許可も取った。絶対閉まるギリギリまで入り浸ってやる!)」
少し浮き足だった歩みで書庫の扉を開け、少し埃っぽい空気を吸い込む。この、何とも言えない紙とインクの香りがキバナは大好きだった。
ナックルジムの書庫は少し不思議な形をしている。吹き抜け式の円柱型の室内には螺旋階段がぐるりとドラゴンの体のように巻き付いている。その螺旋に沿って壁に本棚が埋め込まれている。光を最低限取り込む為に作られた丸い天窓には、月と太陽をモチーフにしたステンドグラスが嵌められており、外の光を透かして淡い彩光を放っている。
肴飯のポイ箱
DONEワンドロお題「駆け引き•取り引き」
立ち止まって周りを見たら不安になってしまった1人と、立ち止まった先でずっと待っていた1人の話。
※イズオーバー後同棲設定
すっごい…難産でした…でも楽しかった!
よーいどん すっかりと夜の帳が下りたナックルシティの片隅。夕食もシャワーも終わらせたキバナは、リビングでのんびりと読書をしながら膝に顎を乗せてくるフライゴンの頭を撫でて存分にリラックスモードだった。間接照明によって柔らかい明るさに包まれた部屋の中では、他のポケモン達ものんびりと寛いでおり平和の一言だ。ただ、少し引っかかる事があるとすれば同棲している恋人の様子が変だったこと。仕事から帰って来たと思えば夕飯もそこそこに共有してる書斎に引き篭もってしまった。
まあ、何かに集中したい時には同じような事は度々あった。キバナもたまにやる。ただ、今回は表情がいつもより鬼気迫ったというか焦っていたというか。
「…ふりゃ」
撫でる手が止まっていた事にちょっと不満げな声でフライゴンが拗ねる。それに謝るように撫でる動きを再開すると、満足そうに目を細めて擦り寄ってくる。そんな可愛い姿に、今日は甘えただなぁ。なんて思いながらキバナは読書を続ける。
3171まあ、何かに集中したい時には同じような事は度々あった。キバナもたまにやる。ただ、今回は表情がいつもより鬼気迫ったというか焦っていたというか。
「…ふりゃ」
撫でる手が止まっていた事にちょっと不満げな声でフライゴンが拗ねる。それに謝るように撫でる動きを再開すると、満足そうに目を細めて擦り寄ってくる。そんな可愛い姿に、今日は甘えただなぁ。なんて思いながらキバナは読書を続ける。
肴飯のポイ箱
DOODLEワンドロ開催ありがとうございます!⏳30分
お題『手を握る』
一歩分の見える景色の違いの話です。
一歩前の世界「ほら」
心底仕方がないという顔をした後に、宙を彷徨っていたオレの手を引いて足速に歩き出すその背中を、静かに眺めながら歩く時間が実は密かな楽しみだと言ったらキミは怒るだろうか。
何度も繰り返されるこの道案内のやり取りに、いつか愛想を尽かされてしまうかもな。なんて自嘲しながらも、自分と同じ所にタコのあるトレーナー特有のガサついた手を、少しだけ力を入れて握り返す。自分より低い体温を帯びた指先が、少しでも長く自分の手と繋がってくれてたらいいのに。
そんな自分勝手な想いを、自分より幾分か広い背中に向かって視線と共に密かに飛ばしたが、キバナの足並みは勿論全く変わらなかった。
◇◆◇
「ほら」
スイっと目の前に差し出された彼の手の意図が掴めずキョトンと見つめていたら。差し出してきた本人も先ほどジュースバーでお揃いで買ったウブのみ入りのスムージーを空いたもう一方の手に持ちながら、一緒になって首を傾げていた。
992心底仕方がないという顔をした後に、宙を彷徨っていたオレの手を引いて足速に歩き出すその背中を、静かに眺めながら歩く時間が実は密かな楽しみだと言ったらキミは怒るだろうか。
何度も繰り返されるこの道案内のやり取りに、いつか愛想を尽かされてしまうかもな。なんて自嘲しながらも、自分と同じ所にタコのあるトレーナー特有のガサついた手を、少しだけ力を入れて握り返す。自分より低い体温を帯びた指先が、少しでも長く自分の手と繋がってくれてたらいいのに。
そんな自分勝手な想いを、自分より幾分か広い背中に向かって視線と共に密かに飛ばしたが、キバナの足並みは勿論全く変わらなかった。
◇◆◇
「ほら」
スイっと目の前に差し出された彼の手の意図が掴めずキョトンと見つめていたら。差し出してきた本人も先ほどジュースバーでお揃いで買ったウブのみ入りのスムージーを空いたもう一方の手に持ちながら、一緒になって首を傾げていた。
肴飯のポイ箱
DONEワンドロお題「恋バナ•恋愛相談」⏳半日ちまちま
nzさんにだけめっちゃ自を出して事あるごとに駆け込み寺にしていたdndさんの話と、まさかの全力疾走する事になったkbnさんの話。
※🗼時空
やったもん勝ちの勝利宣言 好きに種類があるなんて、ダンデはキバナに会うまで知らなかった。知らなかったのだ。
『ダンデ、恋の昇級戦!?』
『深夜の密会か?夜の街に消えるニ人』
ちょっと上手い言い回しだな。なんて現実逃避をしながら本日発売されたゴシップ誌のページを捲るが、内容の事実無根さに眩暈を覚えて思わず目頭を押さえる。
「…この記事を書いた記者は、小説家にでもなったほうがいいんじゃないか?」
「良いですねそれ。この腐れゴシップ誌を発行した会社へしっかりと伝えておきますね!」
ダンデの少し仄暗い皮肉をしっかりと拾い上げた秘書は、声は明るさこそ保っているが顔は一つも笑っていなかった。
「一月後、このクソな会社の土地を更地にする勢いで法務部がやり合いますのでご安心を。ただ2、3日はタワーも通常営業どころでは無いので今日はこのままお帰りください」
2892『ダンデ、恋の昇級戦!?』
『深夜の密会か?夜の街に消えるニ人』
ちょっと上手い言い回しだな。なんて現実逃避をしながら本日発売されたゴシップ誌のページを捲るが、内容の事実無根さに眩暈を覚えて思わず目頭を押さえる。
「…この記事を書いた記者は、小説家にでもなったほうがいいんじゃないか?」
「良いですねそれ。この腐れゴシップ誌を発行した会社へしっかりと伝えておきますね!」
ダンデの少し仄暗い皮肉をしっかりと拾い上げた秘書は、声は明るさこそ保っているが顔は一つも笑っていなかった。
「一月後、このクソな会社の土地を更地にする勢いで法務部がやり合いますのでご安心を。ただ2、3日はタワーも通常営業どころでは無いので今日はこのままお帰りください」