summeralley
DOODLE荒野の飯P。#飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負
お題【月】
【飯P】月が落ちる時 荒野の夜に、月はなかった。
何気なく「この荒野からは、月が見えませんね」と話した悟飯に、ピッコロは興味がないといった様子で「軌道が変わったのではないか」と答えた。どんな本でもそんな話は読んだことのない悟飯だったが、子供を荒野に放り出す大人も、戻ってくるなり毎日ぼろぼろになるまで修業に取り組ませる大人も、そのくせ時たま、直視を躊躇うほど優しく笑いかけてくれる大人も、やはり本には載っていなかった。衛星の軌道が変わるくらい、大した現象でもないかもしれないと自分を納得させていた。
高台に熾した焚火の側に腰を下ろし、悟飯は疲れた身体を休めていた。荒野に覆い被さる夜空は晴天で、砕いた氷を撒いたような星が瞬いている。
1683何気なく「この荒野からは、月が見えませんね」と話した悟飯に、ピッコロは興味がないといった様子で「軌道が変わったのではないか」と答えた。どんな本でもそんな話は読んだことのない悟飯だったが、子供を荒野に放り出す大人も、戻ってくるなり毎日ぼろぼろになるまで修業に取り組ませる大人も、そのくせ時たま、直視を躊躇うほど優しく笑いかけてくれる大人も、やはり本には載っていなかった。衛星の軌道が変わるくらい、大した現象でもないかもしれないと自分を納得させていた。
高台に熾した焚火の側に腰を下ろし、悟飯は疲れた身体を休めていた。荒野に覆い被さる夜空は晴天で、砕いた氷を撒いたような星が瞬いている。
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DONEバーテンダーPとマスター💅と客🍚の三角関係。ネイPシーン多めで飯P帰結予定です。ジキルのレシピ色々あるようですが、視覚的に綺麗な部分の良いとこ取りで書いてます。それに二層に分かれてて一気飲みするタイプのカクテルはマスター💅の店みたいなお上品バーでは出ないと思いますが、全ては、バー小説でなくてネイP飯P小説なので……🥹
【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/04ジキル 今日の食事会は、本当に気分が悪かった。研究者の集まりというのは、高め合うことが出来る時もあれば、牽制と探り合いが渦巻く時もある。今日は、後者だった。
そう飲まされたわけではなかったが、場の空気にあてられた僕はひどく苛立っていた。いつしかあの店のことを思い出し、足は勝手に表通りから一本入り込む。
地面を睨みながら歩いていると、ビルとビルの間の暗闇から話し声が聞こえた。ちらと目線を向ければ、気の荒そうな男が、どうやら学生に絡んでいる。肩がぶつかったとか、なんとか、ろくでもない理由で……咄嗟に二人の間に入り込み、苛立ちそのままに雑に声をかけた。
「もういいだろ、どっちも早く帰りなよ」
絡まれていた学生は、間に僕が入ったことでこれ幸いと駆け出す。絡んでいた男は、矛先を僕に向けはじめた。当然の結果だろう。
3317そう飲まされたわけではなかったが、場の空気にあてられた僕はひどく苛立っていた。いつしかあの店のことを思い出し、足は勝手に表通りから一本入り込む。
地面を睨みながら歩いていると、ビルとビルの間の暗闇から話し声が聞こえた。ちらと目線を向ければ、気の荒そうな男が、どうやら学生に絡んでいる。肩がぶつかったとか、なんとか、ろくでもない理由で……咄嗟に二人の間に入り込み、苛立ちそのままに雑に声をかけた。
「もういいだろ、どっちも早く帰りなよ」
絡まれていた学生は、間に僕が入ったことでこれ幸いと駆け出す。絡んでいた男は、矛先を僕に向けはじめた。当然の結果だろう。
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DONEまだくっついてない飯P。#飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負
お題【秘密】
【飯P】手の中の秘密 「ピッコロさん。僕に秘密にしてることって、ありますか?」
午後おそい光に満ちた僕の部屋で、ピッコロさんは机の本を見るともなしに捲っていた。窓から吹き込む初春の風はまだ少し冷たいが、ピッコロさんのマントを揺らすほどの強さはない。昼というには遅く、夕方というには早い、なんとも間延びした時間帯だ。
「……話したら、秘密ではなくならないか」
「まぁ、確かに……じゃあ、そろそろ白状してもいいかなっていう秘密」
ピッコロさんは本を閉じて、少し思案する。窓からのやわらかい光がその横顔を照らし、よりいっそう思慮深い印象にしていた。
「人に話させる前に、お前はあるのか?」
「僕は、いーっぱいありますよ。荒野でマント踏んづけて汚したのに、知らん振りしてたのとか……」
1643午後おそい光に満ちた僕の部屋で、ピッコロさんは机の本を見るともなしに捲っていた。窓から吹き込む初春の風はまだ少し冷たいが、ピッコロさんのマントを揺らすほどの強さはない。昼というには遅く、夕方というには早い、なんとも間延びした時間帯だ。
「……話したら、秘密ではなくならないか」
「まぁ、確かに……じゃあ、そろそろ白状してもいいかなっていう秘密」
ピッコロさんは本を閉じて、少し思案する。窓からのやわらかい光がその横顔を照らし、よりいっそう思慮深い印象にしていた。
「人に話させる前に、お前はあるのか?」
「僕は、いーっぱいありますよ。荒野でマント踏んづけて汚したのに、知らん振りしてたのとか……」
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DONE客🍚がマスター💅とバーテンダーぴを取り合う話。ネイPシーン多めかつ、飯Pエンド予定です。03話にしてやっと煙り、飯Pの距離が少し縮まりました。店員と客だからなかなか詰まらないね……
【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/03ブルームーン 火曜の繁華街は、週末に比べるといくらか落ち着いていた。古びたビルの周りにも、そう酩酊している人はいない。夜の街に生きる人々が足取り軽やかに行き交い、曜日の感覚の薄れている学生たちだけが、酔いのまわった陽気さで語り合っている。
足音の響く薄暗い階段を上がり、四階にある『Veil』の扉を開けると、前回と違いマスターが不在だった。
「いらっしゃいませ、どうぞ」
ピッコロさんは相変わらず微笑みもしないが、僕が二度座ったカウンターの席を手で示してくれる。覚えてもらえていたということが、浮き足立つように嬉しい。
「何になさいますか」
「僕、本当にお酒よく知らなくて……ピッコロさんの好きなカクテル、作ってもらえますか?」
3991足音の響く薄暗い階段を上がり、四階にある『Veil』の扉を開けると、前回と違いマスターが不在だった。
「いらっしゃいませ、どうぞ」
ピッコロさんは相変わらず微笑みもしないが、僕が二度座ったカウンターの席を手で示してくれる。覚えてもらえていたということが、浮き足立つように嬉しい。
「何になさいますか」
「僕、本当にお酒よく知らなくて……ピッコロさんの好きなカクテル、作ってもらえますか?」
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DONE #飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負お題【眼鏡】
【飯P】焦点の先 常緑樹の木立は冬でも青々として、木漏れ日をちらつかせている。湧き水に濡れた手を払いながら振り向いたピッコロさんは、僕を見るなり怪訝な顔をした。何か言われる前に口を開く。
「すっかり視力が落ちて……とうとう眼鏡になりました」
濡れた口元から、首まで水の筋が延びて光っている。怒られるかな、という予想に反し、ピッコロさんは静かに頷いた。
「勉学に打ち込んでいたからだな」
「最近まで、なんとか裸眼で暮らせてたんですが」
眼鏡を作ってはじめて、どれほど視力が落ちていたか分かった。そして眼鏡をかけてはじめて、どれほど世界がくっきりと鮮やかだったかを思い出した。この人の目が、こんなにも美しかったことも。
ふと、ピッコロさんの面差しが困惑に染まる。
1884「すっかり視力が落ちて……とうとう眼鏡になりました」
濡れた口元から、首まで水の筋が延びて光っている。怒られるかな、という予想に反し、ピッコロさんは静かに頷いた。
「勉学に打ち込んでいたからだな」
「最近まで、なんとか裸眼で暮らせてたんですが」
眼鏡を作ってはじめて、どれほど視力が落ちていたか分かった。そして眼鏡をかけてはじめて、どれほど世界がくっきりと鮮やかだったかを思い出した。この人の目が、こんなにも美しかったことも。
ふと、ピッコロさんの面差しが困惑に染まる。
summeralley
DONEマスター💅と客🍚がバーテンダーぴを取り合う連載です。が、ギスギスはない予定です。ネイPシーン多めに書くつもりだけど、最終的に飯Pに帰結するはずなので繊細なネイP派の方は避けてね。
【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/02アフターエイト 賑やかな表通りから入り込んだ裏通りは、まだ木曜日なのに週末のような様相だった。既に酩酊している集団、あきらかに夜の仕事のきらびやかな男女、電話へ向かって頭を下げる人、缶のお酒を片手に談笑する若者たち……飲食店の照明と看板の灯り、ビルの壁に飾られたネオンが煌々とそれらを照らし出している。
そのビルは比較的古びていて、入口のテナントサインにも抜けている部分が何ヵ所かあった。二階は、20時には閉店の洋食屋とカレー屋、三階は数軒の居酒屋、そして四階に、半月前に訪ねたバー『Veil』がある。
「こんばんは……」
窓つきの扉をゆっくり開くと、店内にはマスターだけがいた。
「おや、少し前に……研究の話を聞かせて下さった……」
3429そのビルは比較的古びていて、入口のテナントサインにも抜けている部分が何ヵ所かあった。二階は、20時には閉店の洋食屋とカレー屋、三階は数軒の居酒屋、そして四階に、半月前に訪ねたバー『Veil』がある。
「こんばんは……」
窓つきの扉をゆっくり開くと、店内にはマスターだけがいた。
「おや、少し前に……研究の話を聞かせて下さった……」
summeralley
DONE #飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負お題【ぬいぐるみ】
【飯P】真夜中に目覚めた時は 窓から覗く冬の三日月は、刃のように鋭かった。されども部屋の中は暖炉にあたためられ、燭台の灯りも手伝いほの明るい。
ピッコロはベッドに掛け、サイドテーブルの隅にある小さなぬいぐるみを、見るともなしに眺めていた。
「これ、まだ持ってくれてるんですね」
悟飯はテーブルへ歩み寄り、ぬいぐるみを片手に持ち上げた。ピッコロはきまり悪そうに目を逸らし、捨てる理由がなかっただけだ、と呟く。手の中にあるぬいぐるみと、そのようなものに興味はないとでもいうように窓の外に目を遣ったピッコロとを見比べ、悟飯は声に出して笑った。
「ずーっとそんな風に言ってますよ。もう何年も」
「そんなことはない」
ピッコロの返答は実に素っ気ない。だが、悟飯が握っていたぬいぐるみを取り上げて、テーブルの隅ではなく自分の膝の上へ転がした。
1351ピッコロはベッドに掛け、サイドテーブルの隅にある小さなぬいぐるみを、見るともなしに眺めていた。
「これ、まだ持ってくれてるんですね」
悟飯はテーブルへ歩み寄り、ぬいぐるみを片手に持ち上げた。ピッコロはきまり悪そうに目を逸らし、捨てる理由がなかっただけだ、と呟く。手の中にあるぬいぐるみと、そのようなものに興味はないとでもいうように窓の外に目を遣ったピッコロとを見比べ、悟飯は声に出して笑った。
「ずーっとそんな風に言ってますよ。もう何年も」
「そんなことはない」
ピッコロの返答は実に素っ気ない。だが、悟飯が握っていたぬいぐるみを取り上げて、テーブルの隅ではなく自分の膝の上へ転がした。
summeralley
DONEマスター💅、バーテンダーぴ、客🍚がじわじわと距離を詰め三角関係に陥る予定の連載です。が、見てて辛いギスギスはないです。ネイPシーン多めに書くつもりだけど、最終的に飯Pに帰結するはずなので繊細なネイP派の方は避けてね。
【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/01ウォッカトニック 大人になるにつれ飲酒の場面が増えるとは、大学でもさんざんに聞かされた。自分の飲める量を把握しておかないと、痛い目に遭うと。
ところが実際は、把握していようがいまいが、飲まなければいけない場面は出てくる。今がまさにそうだ。お世話になっている教授に「もう一軒」と言われれば、上手く断る術をまだ僕は知らなかった。
賑やかな飲食店の並ぶ表通りから、少し入り込んだ裏通りは雑多な印象だった。車止めに座り込んで話し込んでいるのは、学生だろうか? ビルとビルの間には不穏な暗闇が蹲り、通りに輝くネオンのせいで余計にその陰を濃くしていた。
教授がビルの階段を上がって行くので、僕もついて行く。もう大人だが、夜の街には慣れていない。こういうビルには、何か悪いものが潜んでいそうで、一人では絶対に踏み入らなかっただろう。
4010ところが実際は、把握していようがいまいが、飲まなければいけない場面は出てくる。今がまさにそうだ。お世話になっている教授に「もう一軒」と言われれば、上手く断る術をまだ僕は知らなかった。
賑やかな飲食店の並ぶ表通りから、少し入り込んだ裏通りは雑多な印象だった。車止めに座り込んで話し込んでいるのは、学生だろうか? ビルとビルの間には不穏な暗闇が蹲り、通りに輝くネオンのせいで余計にその陰を濃くしていた。
教授がビルの階段を上がって行くので、僕もついて行く。もう大人だが、夜の街には慣れていない。こういうビルには、何か悪いものが潜んでいそうで、一人では絶対に踏み入らなかっただろう。
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DONEお題【寿命】 #飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負●お題の通りの、二人の寿命の違いに起因する死別のお話ですので、そのあたりが苦手な方は避けてね●
【飯P】インクが尽きるまで 悟飯が差し出したのは、一本の万年筆だった。一目でそれと分かる立派なもので、濃い紫の軸に、金であろうペン先がよく映えている。
「これ、受け取ってください。昔、初任給で買って……ずっと使ってたんですけど」
初夏の陽は暮れかけて、窓の外には、気の早いひぐらしの声が響いていた。
「あまり書き物はしないが……」
「僕が死んだあと、僕のこと、思い出したら書いてほしいんです。花を見て、雨が降って、海へ行って、何かの拍子に思い出したら……一緒にこんなことしたとか、言っていたとか……僕がどれほど、ピッコロさんのこと、好きだったか」
悟飯の提案に、思わず動揺を露にしてしまう。いつか向き合うべきなのに、先延ばしにしてきた問題だった。悟飯は先に死出の旅へ踏み出し、おれは現世へ残される。
1956「これ、受け取ってください。昔、初任給で買って……ずっと使ってたんですけど」
初夏の陽は暮れかけて、窓の外には、気の早いひぐらしの声が響いていた。
「あまり書き物はしないが……」
「僕が死んだあと、僕のこと、思い出したら書いてほしいんです。花を見て、雨が降って、海へ行って、何かの拍子に思い出したら……一緒にこんなことしたとか、言っていたとか……僕がどれほど、ピッコロさんのこと、好きだったか」
悟飯の提案に、思わず動揺を露にしてしまう。いつか向き合うべきなのに、先延ばしにしてきた問題だった。悟飯は先に死出の旅へ踏み出し、おれは現世へ残される。
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DONE #飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負お題【林檎】
【飯P】毒りんごの木立で よく繁った枝葉の間に、瑞々しいりんごがいくつも生っている。翠葉を透かして見る秋空は涼やかで、流れる雲もひつじの群れのようだ。
思わず、美味しそう、と溢した僕の視線に気付くと、ピッコロさんも目線を上げた。僕にくれるつもりなのか、りんごの中からよく熟れていそうな一つを捥ぎ取って眺めている。
「……荒野でピッコロさんがくれたのは、毒りんごでしたよね」
「なんだ、藪から棒に」
果樹園ではなく、山中の一帯に自生しているものだから、片手に載せて余裕がある程度の小さなりんごだ。
「毒とは失礼なことだな、手助けしてやったというのに」
「いいえ、あれは毒でした。あの時から僕は、りんごをくれた人に恋い焦がれて、今も患っているんですから」
1973思わず、美味しそう、と溢した僕の視線に気付くと、ピッコロさんも目線を上げた。僕にくれるつもりなのか、りんごの中からよく熟れていそうな一つを捥ぎ取って眺めている。
「……荒野でピッコロさんがくれたのは、毒りんごでしたよね」
「なんだ、藪から棒に」
果樹園ではなく、山中の一帯に自生しているものだから、片手に載せて余裕がある程度の小さなりんごだ。
「毒とは失礼なことだな、手助けしてやったというのに」
「いいえ、あれは毒でした。あの時から僕は、りんごをくれた人に恋い焦がれて、今も患っているんですから」
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DOODLEJKマジュニアもうひとつ書いた。可愛いねJKタイトル変えました。キーロックの件りをまるまる削除したの忘れてタイトルにだけ残してた🙄意味不明🙄
【飯マジュ】空っ風とダッフルコート コンビニから出ると、真冬の風が吹きつけ思わず肩を竦めた。コートを着ている僕でさえ寒くて仕方ないのに、マジュニアさんは制服だけで平気なんだろうか?
駐輪スペースが混んでいて、自転車をずいぶん隅へ停めてしまった。駐車場を横切る途中、前を歩いていたマジュニアさんが不意に足を止める。
「どうしました?」
「自転車に何かついてる」
慌てて足を早めると、二人で乗ってきた僕の自転車に、ワイヤーロックがかけられていた。
「えーっ、いたずらかなぁ?」
マジュニアさんをちらと見遣ると、困ったような、憤慨したような表情で黙り込んでいる。時間はそう遅くなかったが、日が暮れるのが早い季節だ。夕焼けさえも失せかけて、空の端にはもう夜が顔を覗かせていた。
3266駐輪スペースが混んでいて、自転車をずいぶん隅へ停めてしまった。駐車場を横切る途中、前を歩いていたマジュニアさんが不意に足を止める。
「どうしました?」
「自転車に何かついてる」
慌てて足を早めると、二人で乗ってきた僕の自転車に、ワイヤーロックがかけられていた。
「えーっ、いたずらかなぁ?」
マジュニアさんをちらと見遣ると、困ったような、憤慨したような表情で黙り込んでいる。時間はそう遅くなかったが、日が暮れるのが早い季節だ。夕焼けさえも失せかけて、空の端にはもう夜が顔を覗かせていた。
summeralley
DONE #飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負お題【指輪】
なんとか書いたよ、まだくっついてない飯P
【飯P】金属の温度 神殿の奥、久々に訪れたピッコロさんの部屋の机には、見慣れないものが沢山積んであった。歯車にネジ、鍵、コインやメダルのようなもの。大小様々なナイフ、万年筆、文鎮、動物や乗り物を象った無数の置物のようなもの。どれも片手に載るほどの大きさで、どうやら金属で作られているという点で共通している。
じろじろと無遠慮に眺めていると、ピッコロさんはややきまり悪そうに口を開いた。
「昔、お前に服を出してやっただろう? 服は簡単だが、硬い素材の小さなものが得意ではないから、色々と試しているんだ、最近」
「じゃあこれみんな、ピッて出したんだ」
僕は感心して、ひとつひとつをあらためた。手にとってみると、どれも冬の空気にすっかり冷やされている。動物の置物はちょっと粗く大きめのものから、鱗まで美しく整った爬虫類まで様々だ。この粗いものが、試しはじめた頃のものなのだろう。
2700じろじろと無遠慮に眺めていると、ピッコロさんはややきまり悪そうに口を開いた。
「昔、お前に服を出してやっただろう? 服は簡単だが、硬い素材の小さなものが得意ではないから、色々と試しているんだ、最近」
「じゃあこれみんな、ピッて出したんだ」
僕は感心して、ひとつひとつをあらためた。手にとってみると、どれも冬の空気にすっかり冷やされている。動物の置物はちょっと粗く大きめのものから、鱗まで美しく整った爬虫類まで様々だ。この粗いものが、試しはじめた頃のものなのだろう。
summeralley
DOODLEJKマジュニア流れてきて可愛すぎるから風呂入る前にさーっと書いた校正もしてないし一人ワンライ状態
【飯マジュ】きみがきらい 窓の外は、今にも雨の降り出しそうな空だ。バッグの中から、くぐもった着信音が聞こえた。
「マジュニア、鳴ってるぞ」
「ほんとだ、もう帰りますか?」
「ああ、夕課外、終わったらしいから」
二人の前で電話には出ない。出ないことを向こうも分かっているから、留守電に切り替わったタイミングで切れる。バッグに荷物を仕舞うオレを、デンデとネイルが微笑みながら見ている。何だか腹が立って、二人を睨みつけた。
「なんだよっ」
「いーえ、ねぇ、ネイルさん」
「何も言ってないのにな」
大体、あいつが特進クラスの課外授業になんか参加しているのが悪い。授業が終わったらさっさと帰れば、こうしてオレが待つ必要もないのに。
「そんなに怒るなよ、マジュニアがあいつを気に入ってることくらい、誰でも知ってる」
2304「マジュニア、鳴ってるぞ」
「ほんとだ、もう帰りますか?」
「ああ、夕課外、終わったらしいから」
二人の前で電話には出ない。出ないことを向こうも分かっているから、留守電に切り替わったタイミングで切れる。バッグに荷物を仕舞うオレを、デンデとネイルが微笑みながら見ている。何だか腹が立って、二人を睨みつけた。
「なんだよっ」
「いーえ、ねぇ、ネイルさん」
「何も言ってないのにな」
大体、あいつが特進クラスの課外授業になんか参加しているのが悪い。授業が終わったらさっさと帰れば、こうしてオレが待つ必要もないのに。
「そんなに怒るなよ、マジュニアがあいつを気に入ってることくらい、誰でも知ってる」
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DONE荒野の冬を思い出す🍚ちゃ【飯P】その冬はじめての雪の日には あの荒野にいた時、一度だけ雪が降ったことがあるんですよ。ピッコロさんと別れてから三ヶ月の頃だったかなぁ。毎日岩壁に印つけて、ちゃんと日数を数えてたんですよ、僕。マメでしょ? あと何日で六ヶ月経つ、あと何日であの人が来てくれる、って。まだピッコロさんのこと全然知らなかったけど、「六ヶ月経てば」ってことだけが心の支えでしたから。
あそこはなんていうか、代わり映えのしない土地でしょう。秋の内はまだ、花や虫なんかが目を楽しませてもくれましたけど、寒くなるにつれて本当に枯れ草と砂埃だけって感じで。あんなところに子供を放り出すなんて、ピッコロさんのやり方は今考えてみても本当に容赦なかったですよ。ふふ、責めてるわけじゃないですよ。お陰で身体は短期間で強くなったし、生きる術も身に付きました。
4090あそこはなんていうか、代わり映えのしない土地でしょう。秋の内はまだ、花や虫なんかが目を楽しませてもくれましたけど、寒くなるにつれて本当に枯れ草と砂埃だけって感じで。あんなところに子供を放り出すなんて、ピッコロさんのやり方は今考えてみても本当に容赦なかったですよ。ふふ、責めてるわけじゃないですよ。お陰で身体は短期間で強くなったし、生きる術も身に付きました。
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DONE #飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負お題【お風呂】
飯Pが同棲している都合のいい時空
決定的なことはしてないけど性的な空気のシーンはほんの少しだけあります。
【飯P】ぬるい水にあなたと 子供の頃、真夏のこんな暑い日は庭にビニールプールを出して遊んだ。円いかたちの青いプールで、壁面には賑やかな魚や貝の絵がプリントされていた。水ははじめ暴力的に冷たく、だが陽射しにさらされる内にぬるく温まっていく。ビニールの匂いがかすかに立ちのぼって、なんとも言えない「夏の気分」を掻き立てたものだ。
暑さからふとそれを思い出し、ぬるい水を溜めた浴槽は、ビニールプールとは様子が違っていた。手足の長いピッコロさんのために、この家の浴槽は大きいものを選んでいた(なのに、ピッコロさんは全く浴槽に浸からない。暮らしはじめてすぐ湯あたりしてから、シャワーで済ませるようになってしまった)。さりとてビニールプールの広さには遠く及ばず、白いプラスチックは無愛想で固かった。そんなものへせっせとぬるい水を溜めている僕を、朝から神殿へ出掛けているピッコロさんが見たら、きっと呆れただろう。
2624暑さからふとそれを思い出し、ぬるい水を溜めた浴槽は、ビニールプールとは様子が違っていた。手足の長いピッコロさんのために、この家の浴槽は大きいものを選んでいた(なのに、ピッコロさんは全く浴槽に浸からない。暮らしはじめてすぐ湯あたりしてから、シャワーで済ませるようになってしまった)。さりとてビニールプールの広さには遠く及ばず、白いプラスチックは無愛想で固かった。そんなものへせっせとぬるい水を溜めている僕を、朝から神殿へ出掛けているピッコロさんが見たら、きっと呆れただろう。
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DONE #飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負お題【口笛】
【飯P】ひとさらい 休日にも関わらず、僕は朝から大学の研究室に籠っていた。論文が行き詰まり、もう何週間も休みらしい休みもとれず過ごしている。
季節はすっかり春で、いつの間にか空調を入れる必要もなくなっていた。眠気を誘われそうになり、窓を開けようかと考えたその時、まさにその窓を外から叩く音がする。三階の研究室だ、そんなことが出来る人はそう多くない。僕は早足に窓へ近付いて、鍵を外す。
まさしく、今一番会いたかった人が、ピッコロさんがそこにいた。
「休みの日にまで、ご苦労なことだな」
「嬉しいな、よくここにいるって分かりましたね」
「たまたま上を通ったら、窓からお前が見えた」
中へどうぞ、と促したが、断られる。研究室は狭く、所属する学生がみんな荷物を好き勝手に積んで、まるで物置のようだ。客観的に見て、積極的に入りたい様相ではないし、寛げそうにもなかった。
2352季節はすっかり春で、いつの間にか空調を入れる必要もなくなっていた。眠気を誘われそうになり、窓を開けようかと考えたその時、まさにその窓を外から叩く音がする。三階の研究室だ、そんなことが出来る人はそう多くない。僕は早足に窓へ近付いて、鍵を外す。
まさしく、今一番会いたかった人が、ピッコロさんがそこにいた。
「休みの日にまで、ご苦労なことだな」
「嬉しいな、よくここにいるって分かりましたね」
「たまたま上を通ったら、窓からお前が見えた」
中へどうぞ、と促したが、断られる。研究室は狭く、所属する学生がみんな荷物を好き勝手に積んで、まるで物置のようだ。客観的に見て、積極的に入りたい様相ではないし、寛げそうにもなかった。
ℯ𝓁
PAST💄🤐のんびりお酒でも飲みながら過ごしてる内に
だんだん絡み始めてしまう2人…
とろける🤐さん……
いつもの威厳は何処へ?(*´ω`*)
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
ほころんだように見える💄さんの表情から
一緒に居るときは本当にリラックスしてるん
だなって…
[12/28/2024] お引越ししました。 4
ℯ𝓁
PAST🍓🍊🍊:フーゴ〜見て〜ひこうき雲!
🍓:あ、ああ…そう..ですね…
(エアロスミスによる即席の…?)
🍊:なんでそんな微妙なカオ
するんだよォ〜ꐦꐦ
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
ある日のくつろぎフーナラちゃん🍓🍊
反応が見たくて飛行機雲出してみたけど、
ちょっと微妙な反応をされてスネる
ナラくんの図
[12/28/2024] お引越ししました。 2
molyouni
DONE2024年5月26日のCOMIC CITY 大阪 126にて無料配布したK富の漫画です。一つ目の話は富永先生がT村にいた頃で、二つ目の話は富永先生が院長になった後の設定です。
K富のお互い信頼し合って分かり合っているところが好きですが、とはいえ好きな相手には秘密にしておきたいこともあろうと、可愛いネタを思いつけばよかったんですがなんだかK先生が俗っぽいことで悶々とする話になってしまいました…。 8
笹(ささ)
PROGRESS【影日】6月ミラコン発行予定作業進捗です。サンプル掲載予定ページ。
下書きとペン入れが混在してます。
ページ繋がってません。セリフ入ってないページあります。
ほんの少しセンシティブワードが含まれるので閲覧ご注意下さいませ。 23
tsubasa_cleumi
DOODLEジェオに女性との交際経験があります。せっかくなのでジェオくんにおモテいただきました😊
ジェオ誕とは全く関係ない片思いイーくんのお話飲めない酒を猫のようにチロと舐めただけですっかり出来上がった友人を前に、イーグル・ビジョンは辟易としていた。
手元のグラスはぬるい。
オートザム産の―だいぶグレードの低い―酒を口に含む。上等なボトルをヤケ酒のために開けてやるには惜しい。
ジェオがため息をつく度に苛立ちは募るが、お開きにしましょうとは言いださずイーグルはただ彼の愚痴を聞いていた。
「今度こそうまくいくと思ったんだけどなあ」
ジェオがこぼす。
逞しい腕をクッションにし、机につっぷしたままジェオは重く顔を上げた。イーグルの顔を覗き「何がいけないのかねえ」と次いで零した。
ジェオのため息がテーブルの上に鈍く白い円をつくる。
「教えてくれよモテ男様」ジェオがそう続けると、イーグルは自分の苛立ちがじわりと濃くなるのを感じた。
1677手元のグラスはぬるい。
オートザム産の―だいぶグレードの低い―酒を口に含む。上等なボトルをヤケ酒のために開けてやるには惜しい。
ジェオがため息をつく度に苛立ちは募るが、お開きにしましょうとは言いださずイーグルはただ彼の愚痴を聞いていた。
「今度こそうまくいくと思ったんだけどなあ」
ジェオがこぼす。
逞しい腕をクッションにし、机につっぷしたままジェオは重く顔を上げた。イーグルの顔を覗き「何がいけないのかねえ」と次いで零した。
ジェオのため息がテーブルの上に鈍く白い円をつくる。
「教えてくれよモテ男様」ジェオがそう続けると、イーグルは自分の苛立ちがじわりと濃くなるのを感じた。
ΦωΦ゛
DONE学パロレイチュリ🗿🦚推しCPには一生ちゅっちゅしててほしい。
学パロ🗿🦚「んっ」
思いがけないことに濁った声を零すとトパーズが「どうしたの?」と聞いてくる。アベンチュリンは買ったばかりのリップクリームを睨みながら溜息をついた。
「さっき適当に買ったリップが味付きだったんだよ」
「ああ、最近よくあるわよね。何の味だったの?」
「なんだろう? 甘い。唇に味があると不快だなぁ。コンビニでも買えたっけ? 落としたい……っン」
「バニラ味だな。不愉快だ」
アベンチュリンの唇にキスをしたレイシオは本に視線を戻しながらむすりと眉根を寄せた。アベンチュリンが「だろう?」と返せば、前を歩いていたトパーズがわなわなと肩を震わせて吠えた。
「あんたたちいい加減にしなさいよ! 少しは人目を気にして! 私も居るんだから!」
3535思いがけないことに濁った声を零すとトパーズが「どうしたの?」と聞いてくる。アベンチュリンは買ったばかりのリップクリームを睨みながら溜息をついた。
「さっき適当に買ったリップが味付きだったんだよ」
「ああ、最近よくあるわよね。何の味だったの?」
「なんだろう? 甘い。唇に味があると不快だなぁ。コンビニでも買えたっけ? 落としたい……っン」
「バニラ味だな。不愉快だ」
アベンチュリンの唇にキスをしたレイシオは本に視線を戻しながらむすりと眉根を寄せた。アベンチュリンが「だろう?」と返せば、前を歩いていたトパーズがわなわなと肩を震わせて吠えた。
「あんたたちいい加減にしなさいよ! 少しは人目を気にして! 私も居るんだから!」
ΦωΦ゛
DONEレイ+チュリにCO-OP型脱出ゲームやらせたら爆速クリアするんだろうなと思いつつ、シオ先生が考え込み始めて詰むかもっていうネタ両方詰めた。🗿🦚未満。CO-OP型脱出 硬い地面に足がついた。
強制的な空間転移を終えたとてつもない不快感に頭を押さえてゆっくりと目を開く。今立っている場所は研究所のようで、石造りの部屋には見慣れない装置や本が散らばっている。人が居るような気配はない。だが長年放置されたというほど埃や砂を被ってもいない。
さて、とアベンチュリンは頭が正常に働いているのか状況を整理する。
カンパニーの人間が数名行方不明になった原因である奇物の回収と行方不明者の捜索部隊に何故だか戦略投資部のアベンチュリンが同行することになった。詳しい事情は聞かされていない。スケジュールが空いたところに不意に上から命じられて断る余地もなかった。
ビーコンが途切れた場所で奇物を発見した途端、体が意識ごとどこかへ持って行かれてしまったのだ。その場所がここだということは理解できた。
7639強制的な空間転移を終えたとてつもない不快感に頭を押さえてゆっくりと目を開く。今立っている場所は研究所のようで、石造りの部屋には見慣れない装置や本が散らばっている。人が居るような気配はない。だが長年放置されたというほど埃や砂を被ってもいない。
さて、とアベンチュリンは頭が正常に働いているのか状況を整理する。
カンパニーの人間が数名行方不明になった原因である奇物の回収と行方不明者の捜索部隊に何故だか戦略投資部のアベンチュリンが同行することになった。詳しい事情は聞かされていない。スケジュールが空いたところに不意に上から命じられて断る余地もなかった。
ビーコンが途切れた場所で奇物を発見した途端、体が意識ごとどこかへ持って行かれてしまったのだ。その場所がここだということは理解できた。
ΦωΦ゛
MOURNINGレイチュリ🗿🦚すけべが書きたかったけど、公式の怒涛の供給でこの二人がどんなセッをするのか分からなくなったので至らず!すまん!(笑)書きたい部分は書いてて勿体ないので晒しあげ。
レイチュリ🗿🦚 甘やかし「レイシオー、いる?」
彼の自宅にやって来て真っ先にバスルームを覗いたけれど顔が見られず、リビングもハズレで書斎に顔を出せば気難しい顔に眼鏡をかけた彼が端末にかじりついていた。
「あれ? 仕事中かい?」
本に没頭するでもなく、家で仕事なんて滅多にないことだ。視線はこちらに向かなかったが「ああ」と返事が返ってくる。
何やら集中した様子でキーボードを打ち込むレイシオを見れば、自分の望むものも得られそうにない。
「そう、なら後でいいや」
「何か用事だったか?」
「用事というか……」
「なんだ」
答えを渋ると、すいっと視線が上がって目が合った。気を引くつもりもなかったのに。
大したことじゃないんだと前置きして、唇をむずりとさせた。
2901彼の自宅にやって来て真っ先にバスルームを覗いたけれど顔が見られず、リビングもハズレで書斎に顔を出せば気難しい顔に眼鏡をかけた彼が端末にかじりついていた。
「あれ? 仕事中かい?」
本に没頭するでもなく、家で仕事なんて滅多にないことだ。視線はこちらに向かなかったが「ああ」と返事が返ってくる。
何やら集中した様子でキーボードを打ち込むレイシオを見れば、自分の望むものも得られそうにない。
「そう、なら後でいいや」
「何か用事だったか?」
「用事というか……」
「なんだ」
答えを渋ると、すいっと視線が上がって目が合った。気を引くつもりもなかったのに。
大したことじゃないんだと前置きして、唇をむずりとさせた。
ΦωΦ゛
DONE付き合ってない。好き合ってるのは知ってるレイチュリ🗿🦚レイチュリ 恋のフレーバー 人通りの多いショッピングモールで知った顔を見つけて気分が上向いた。
「レイシオ!」
本屋を出てきたばかりの気難しい表情の美貌に向けて声を飛ばす。呼ばれた男は辺りを見回して、軽く手を振るこちらを見つけると眉を顰めた。歩み寄ってくれるわけもない、けれど無視をしようともしない優しい友人だ。
「奇遇だねぇ! 君もオフ?」
問いかけても眉を顰めたままこちらの全身をゆっくり眺めるレイシオ。
「あれ? 誰だか分かってない? アベンチュリンだよ」
「その軽薄な声で分かった。無駄に着飾らない君を初めて見た」
サングラスを外してタネ明かしをするようにおどけて見せればレイシオは呆れたように息を吐く。
普段なら『無駄』と称されるほど身につけている装飾品も今日は腕時計だけと最低限で、髪もほとんどセットしていない。服装も黒デニムにカットソーだ。街に溶け込むならこんなものだろう。
10585「レイシオ!」
本屋を出てきたばかりの気難しい表情の美貌に向けて声を飛ばす。呼ばれた男は辺りを見回して、軽く手を振るこちらを見つけると眉を顰めた。歩み寄ってくれるわけもない、けれど無視をしようともしない優しい友人だ。
「奇遇だねぇ! 君もオフ?」
問いかけても眉を顰めたままこちらの全身をゆっくり眺めるレイシオ。
「あれ? 誰だか分かってない? アベンチュリンだよ」
「その軽薄な声で分かった。無駄に着飾らない君を初めて見た」
サングラスを外してタネ明かしをするようにおどけて見せればレイシオは呆れたように息を吐く。
普段なら『無駄』と称されるほど身につけている装飾品も今日は腕時計だけと最低限で、髪もほとんどセットしていない。服装も黒デニムにカットソーだ。街に溶け込むならこんなものだろう。
kyonkunhaahaa
PAST↓2019年pixiv投稿時のキャプション終盤キスシーンあるから背後に気を付けてくれ!
ツイッターで連載してた迅ヒュ下描き漫画が第一部完といいますか、とりあえず描きたいとこまで描けたので次のワを読む前にまとめておきました。
途中からペン入れしてないのはしてたら一生アップ出来ないと思ったからです。続編はパワーが貯まったら描きます。
ちなみにアレは綿入れか半纏が正しい呼び名です。 29
akkkkkkira053
DONE天上天下三井独尊5オン延長戦全年齢 展示作品『LastLoveLetter』
鉄男×三井 鉄男が三井と少しだけ手紙を交わす風の設定。
描かれていない部分は想像にお任せするタイプの散文です。
▼全年齢
三井に対する愛と、鉄男への愛、三井からの愛。
photo by 昶 5