しゅう
DOODLE仙文 🧮が安心して眠れるのは💣の前だけであってほしいという妄想--------------------------------------
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ロゼッタ
DONE【仙文】りんご飴を食べる話。現パロ。クレープの話と少し繋がっています。
りんご飴 淡い春の陽射しが柔らかく差し込む午後、鮮やかな紅色が仙蔵の目に留まった。
巷の若い女性たちが手にするそれに思わず見入っていると、文次郎が不思議そうに仙蔵の視線を追い、「ああ」と合点がいく顔をした。
「うまそうだな」
文次郎は辺りをきょろきょろと見渡し、仙蔵の腕を引いて連れていく。最初の頃と比べて行動力が段違いに上がったなあと仙蔵がしみじみ思っているうちに、文次郎が店の前で立ち止まった。看板を見上げると、日に照らされた赤と白の外観が目に染みる。シンプルながらも丸っとしたかわいいロゴが描かれていた。
「いらっしゃい!」
店主の中年男性が嬉しそうに声をかけてきた。店内にはカラフルなりんご飴が所狭しと並んでいて、丸ごとのもの、カットされたもの、チョコがけのもの、きな粉をまぶしたものがショーケースの中で輝いている。
3563巷の若い女性たちが手にするそれに思わず見入っていると、文次郎が不思議そうに仙蔵の視線を追い、「ああ」と合点がいく顔をした。
「うまそうだな」
文次郎は辺りをきょろきょろと見渡し、仙蔵の腕を引いて連れていく。最初の頃と比べて行動力が段違いに上がったなあと仙蔵がしみじみ思っているうちに、文次郎が店の前で立ち止まった。看板を見上げると、日に照らされた赤と白の外観が目に染みる。シンプルながらも丸っとしたかわいいロゴが描かれていた。
「いらっしゃい!」
店主の中年男性が嬉しそうに声をかけてきた。店内にはカラフルなりんご飴が所狭しと並んでいて、丸ごとのもの、カットされたもの、チョコがけのもの、きな粉をまぶしたものがショーケースの中で輝いている。
ロゼッタ
DONE【仙文】クレープを食べにいく話。現パロ。文次郎の家庭環境を捏造しています。
ハムチーズ 小学生の頃、店でお菓子を選ぶとき。中学生の時、新しい文房具を買うとき。高校生になって、好きな服を見つけた時も。いつも希望が通るのは、兄か弟だった。
あいつらばっかりずるい!
そう抗議する度に、母の返す言葉は決まっていた。
「お前は次男なんだから、我慢しなさい」
服や物は兄のお下がりで十分。食べ物はおねだりの激しい弟が優先で、好きなおかずに手を伸ばすのは、いつも最後。
家族の食卓でさえ、文次郎の食べたい献立が通った試しがない。最初は理不尽だと思った。どうして順番で自分の価値が決まるのだろう。
やがて兄は上京し、家を離れた。
けれど、今度は末っ子の弟への溺愛ぶりに、文次郎の願いは両親の耳に届かなくなっていった。何を頼んでも聞き入れてもらえない。次第に文次郎は、自分の欲しいものを口にすることを諦めてしまった。
3143あいつらばっかりずるい!
そう抗議する度に、母の返す言葉は決まっていた。
「お前は次男なんだから、我慢しなさい」
服や物は兄のお下がりで十分。食べ物はおねだりの激しい弟が優先で、好きなおかずに手を伸ばすのは、いつも最後。
家族の食卓でさえ、文次郎の食べたい献立が通った試しがない。最初は理不尽だと思った。どうして順番で自分の価値が決まるのだろう。
やがて兄は上京し、家を離れた。
けれど、今度は末っ子の弟への溺愛ぶりに、文次郎の願いは両親の耳に届かなくなっていった。何を頼んでも聞き入れてもらえない。次第に文次郎は、自分の欲しいものを口にすることを諦めてしまった。