unknowntb140
DONEなんかついかっとなって書いた。刀ミュ準拠の鶴丸さんについてお話する火車切君と大倶利伽羅君ですが、まあ独自設定っていうか独自解釈があります。あと花歴で次期花当番になったコンビが話だけ出てくる。香水売り場の乾いたテスター程度のくりつるのかほりが…しませんか?そうか…… 4
ながら(半分収納場)
DONE大倶利伽羅がほとんどいない、大倶利伽羅と火車切の話。主に歌仙。竜と猫。/言霊本丸のお迎え「おつかれ。あとは引き継ぐからもう休むといい」
「…ああ」
頷いた大倶利伽羅に思わず、え? と顔を上げれば、伸びてきた手に、くしゃりと頭をかき乱された。
「すまないね、火車切」
戸惑ったまま呆然と火車切がその背中を見送っていると、引き継ぐと言った刀から謝罪の言葉とともに呼びかけられた。
「僕は歌仙兼定。この本丸の始まりの一振りだよ。よろしく」
「…あ、うん」
「ここの審神者は少しばかり言霊の力が強いようでね。本来なら大倶利伽羅は冬眠の時期で、あまり戦には出ないんだ」
「…冬眠」
「竜、春分にして天に昇り、秋分にして淵に潜む。審神者の中では竜は冬眠をする生き物らしくてね、刀身に竜の彫り物を持つ刀やそれに由来する名前を持つ刀はどうしてもその影響を受けやすくできているようなんだ」
1020「…ああ」
頷いた大倶利伽羅に思わず、え? と顔を上げれば、伸びてきた手に、くしゃりと頭をかき乱された。
「すまないね、火車切」
戸惑ったまま呆然と火車切がその背中を見送っていると、引き継ぐと言った刀から謝罪の言葉とともに呼びかけられた。
「僕は歌仙兼定。この本丸の始まりの一振りだよ。よろしく」
「…あ、うん」
「ここの審神者は少しばかり言霊の力が強いようでね。本来なら大倶利伽羅は冬眠の時期で、あまり戦には出ないんだ」
「…冬眠」
「竜、春分にして天に昇り、秋分にして淵に潜む。審神者の中では竜は冬眠をする生き物らしくてね、刀身に竜の彫り物を持つ刀やそれに由来する名前を持つ刀はどうしてもその影響を受けやすくできているようなんだ」
ながら(半分収納場)
DONE大倶利伽羅と火車切。みえるもの「…ねぇ」
くい、と上着を引かれる感触。足を止め、どうした、と言葉にはせず目をやれば、火車切の指が庭先の塀を指し示す。
「あれ、斬らなくていいの…?」
「あれはまだいい」
「…ふーん」
伸びていた指が丸まり、肘のあたりの布地を摘まんでいた手が、するりと離れていく。
「…おまえにはあれが何に見える」
「え?」
「何に見える」
「…鳥っぽい、何か…。…幽霊、じゃないけど、いい感じもしない…」
「そうか」
随分よく見えている、と内心で感心しながら、ひょいと背中に垂れたフードを摘まみ、その頭へとかぶせてやる。
「うわ…っ、なに」
「…見えすぎるのも困りものだな」
わたわたとフードを上げようとする手を制し、被っていろ、と言葉を落とす。
585くい、と上着を引かれる感触。足を止め、どうした、と言葉にはせず目をやれば、火車切の指が庭先の塀を指し示す。
「あれ、斬らなくていいの…?」
「あれはまだいい」
「…ふーん」
伸びていた指が丸まり、肘のあたりの布地を摘まんでいた手が、するりと離れていく。
「…おまえにはあれが何に見える」
「え?」
「何に見える」
「…鳥っぽい、何か…。…幽霊、じゃないけど、いい感じもしない…」
「そうか」
随分よく見えている、と内心で感心しながら、ひょいと背中に垂れたフードを摘まみ、その頭へとかぶせてやる。
「うわ…っ、なに」
「…見えすぎるのも困りものだな」
わたわたとフードを上げようとする手を制し、被っていろ、と言葉を落とす。