mame
TRAINING #絶対に被ってはいけないバソプ千ゲン小説罰ゲーム、選曲は三ツ星力ルテットです
時間軸は石油探索中石神村と旧司帝国の情報共有のための定時連絡は役割としては決まっていない。
一日の作業が終わり、残すは就寝のみという時間。数分間のみの電波を介してのやりとりをする。それだけなので、石神村は千空が自然と固定になったとしても、農耕チームの方ではわざわざ決めなかったのだ。
だから最初は気にしていなかった。しかしこうも連絡係としてある人物が出てこないとは思ってもみなかったので、千空は少しずつ少しずつ不思議な感覚に蝕まれていった。
大樹、杠、仁姫、カセキ……と毎晩電話を天文台に持ち込んで石油探索チームで通話を担当する千空の相手は変わる。みんな楽しそうに農耕チームの情報や不足している物資のことなどを千空に伝える。情報の取りまとめがあまりに秀逸で、間違いなくあの自称ペラペラ男が噛んでいることがわかるのに本体を掴めない。ついに本日、通話相手がスイカになったことにより千空はこれがゲンの意図的なものだと確信を得たのだった。理由はわからないが、ゲンは千空との接触を絶っている。
「なんなんだアイツ……」
眉間にシワを寄せぼそりと呟いた音が通話相手のスイカに届いたらしい。言葉自体はわからなかったようで聞き 2557
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DONE #絶対に被ってはいけないバソプ千ゲン小説イメージ「真っ赤な空を見ただろうか」真っ赤な空を見ただろうか
「夕日が赤くてきれいだな、で俺は終わってきたわけだけど、千空ちゃんは夕日が赤いのはなんでだろうってなってきてるんだよね~……つくづく別の生き方をしてきたんだなあって思っちゃうね」
赤色に照らされた横顔はいっそ清々しささえ滲んでいて、そのとき千空はなにを返せばいいかわからず、潮風に吹かれるその横顔をただ眺めていた。ゲンだったらなにか返せたのだろうな、なんて思いながら。
外にはアスファルトの道が通り、その上を車が走る。車道の端には街灯。建築物には企業が入り、飲食店ができ、住宅街も出来た。あちこちで平らにならした土地の争奪戦が起きては、高層ビル建設の噂が飛び交う。物流の面で陸路だけでなく、空路も海路も早々に整えられた。政界関係者や専門家が多く利用しているが、民間人が使いだすのも時間の問題だろう。
世界各地で復活者が日に日に増え、日々新しくも懐かしい物が増えている。まだまだ三七〇〇年前の風景には届かないが、それでも石化前の科学知識も技術も復活した今、あとは現実が追い付いてくるだけだ。
きっと表現するならば『復興中』だ。世界を復興させるための土台 4794