月希(@tsuki359)
DONE荀攸夢小説「鳳凰于飛」の夢主視点前日譚※シリアス/若干のグロテスク描写あり
(洛陽が燃えた部分)
※タイトル変えました
一人の薄暮「嬢ちゃんありがとな! 護衛を引き受けてくれて助かったぜ」
「いえいえ。こちらこそ報酬の他におまけまで頂いて、ありがとうございます!」
「なんの。機会があればまたよろしくな!」
「はい、また……」
仕入れてきたばかりの商品を抱え揚々と自分の店に入っていく商人の背中に、ひらひらと手を振る。今しがた完了した護衛依頼のおかげで懐は温かいし、おまけで貰った特大肉まんがあるから小腹も満たせそうだ。
ほかほかと湯気をたてている肉まんを齧れば、じゅわりと口の中いっぱいに肉汁が広がる。あ、タケノコ入ってる。皮もふわふわで美味しい。
二口目を咀嚼しながら、初めて来た町を当て所なく歩く。
あまり大きな町ではないけど人の往来は多く、通りにはいろいろなお店が並んでいて活気があった。食べ物や服、花、日用品など眺めているだけでも楽しい。
3767「いえいえ。こちらこそ報酬の他におまけまで頂いて、ありがとうございます!」
「なんの。機会があればまたよろしくな!」
「はい、また……」
仕入れてきたばかりの商品を抱え揚々と自分の店に入っていく商人の背中に、ひらひらと手を振る。今しがた完了した護衛依頼のおかげで懐は温かいし、おまけで貰った特大肉まんがあるから小腹も満たせそうだ。
ほかほかと湯気をたてている肉まんを齧れば、じゅわりと口の中いっぱいに肉汁が広がる。あ、タケノコ入ってる。皮もふわふわで美味しい。
二口目を咀嚼しながら、初めて来た町を当て所なく歩く。
あまり大きな町ではないけど人の往来は多く、通りにはいろいろなお店が並んでいて活気があった。食べ物や服、花、日用品など眺めているだけでも楽しい。
月希(@tsuki359)
DONE現パロ/荀攸夢/同僚夢主日常のふとした瞬間に関係性が変わる兆しがあったりなかったり
きざはし「何もかも捨てて、どこか遠くに行きたい……」
仕事終わりに荀攸さんと連れ立って訪れたいつもの居酒屋で、酔いに任せてくだを巻く。
常連さんしか来ないこぢんまりした店は週末ということもあって賑わっていて、わたしたち以外にも多くのお客さんがいた。ともすれば店内の騒めきにかき消されそうなわたしの愚痴は、隣で生ビールのジョッキを傾けていた荀攸さんに届いたらしい。
「なにかありましたか」
淡々と、けれど温かみのある声で荀攸さんが尋ねてくれる。
同僚の荀攸さんはあまり多くを語るタイプではないけれど、その分秘密主義で口も堅い。お酒が入ると饒舌になるとはいえ、聞いた話を言いふらす事はしない。
だから信用出来るし、落ち着いた言動に癒しを求め、ついつい話を聞いてもらいたくなる。
2717仕事終わりに荀攸さんと連れ立って訪れたいつもの居酒屋で、酔いに任せてくだを巻く。
常連さんしか来ないこぢんまりした店は週末ということもあって賑わっていて、わたしたち以外にも多くのお客さんがいた。ともすれば店内の騒めきにかき消されそうなわたしの愚痴は、隣で生ビールのジョッキを傾けていた荀攸さんに届いたらしい。
「なにかありましたか」
淡々と、けれど温かみのある声で荀攸さんが尋ねてくれる。
同僚の荀攸さんはあまり多くを語るタイプではないけれど、その分秘密主義で口も堅い。お酒が入ると饒舌になるとはいえ、聞いた話を言いふらす事はしない。
だから信用出来るし、落ち着いた言動に癒しを求め、ついつい話を聞いてもらいたくなる。
月希(@tsuki359)
MENU25/02/16「昼想夜夢2」で頒布予定の夢小説サンプル。・荀攸×アプリ主人公(女)
・アプリ主名前なし/「傭兵」「彼女」表記
・アプリ魏ルート沿い
鳳凰于飛(冒頭) 傑物と評される曹操に仕えるべく、荀攸は荀彧や郭嘉らと共に許昌近くの街道で曹操の到着を待っていた。
人を集めるのならば、許昌に立ち寄るに違いない。軍師らの読みは的中し、やがて夏侯惇、夏侯淵を伴った曹操が姿を現した。
遠目にもわかる威風堂々とした佇まいは、洛陽で見かけた時よりも凄みを増しているようだった。
「――いらっしゃいましたね」
「ああ。では、行こうか」
荀彧、郭嘉が先んじる一方、荀攸は背後でぶつぶつと独り言を呟いている満寵を振り返る。満寵は「ここをこうして、こうすればもっと威力が……」とひたすらに手を動かしていた。
「満寵殿。曹操殿が到着しました」
荀攸が声をかけても、満寵は空返事すら返さない。目の前の自作の兵器以外に興味はないといわんばかりの彼に、荀攸は小さく嘆息する。こうなると何を言っても満寵の耳には届かないことは、短い付き合いのなかで嫌と言うほど思い知っていた。
4303人を集めるのならば、許昌に立ち寄るに違いない。軍師らの読みは的中し、やがて夏侯惇、夏侯淵を伴った曹操が姿を現した。
遠目にもわかる威風堂々とした佇まいは、洛陽で見かけた時よりも凄みを増しているようだった。
「――いらっしゃいましたね」
「ああ。では、行こうか」
荀彧、郭嘉が先んじる一方、荀攸は背後でぶつぶつと独り言を呟いている満寵を振り返る。満寵は「ここをこうして、こうすればもっと威力が……」とひたすらに手を動かしていた。
「満寵殿。曹操殿が到着しました」
荀攸が声をかけても、満寵は空返事すら返さない。目の前の自作の兵器以外に興味はないといわんばかりの彼に、荀攸は小さく嘆息する。こうなると何を言っても満寵の耳には届かないことは、短い付き合いのなかで嫌と言うほど思い知っていた。