しののめ
DOODLE豊前と昼寝と平和の話 やまもおちもいみもない 長閑な昼下がりに、欠伸をひとつ。豊前江は陽当たりの良い縁側で、ぐっと伸びをした。この場所は近頃、彼の休憩場所になっている。最近はずいぶんと寒さも薄れてきて、春の気配がすぐそばまで来ているのだと実感する。「暦の上ではずっと前に春なのに」と、篭手切江は毛布を被りつつぼやいていたけれど。
「ほーと、のどかな景色やね」
そう呟いて、くあとまた欠伸をこぼす。出陣も内番もない日は、大抵「れっすん」をするのが彼ら「江」の常である。その休憩時間──なんだかんだでいつも少しだけ長くなってしまう──に、ここで本丸の中庭を眺めるのは、豊前の日課のようなものになっていた。春の桜、夏の向日葵、秋の紅葉、冬の山茶花。移ろいゆく季節を、彼はここで見つめている。時折通りかかる刀たちに挨拶をして、そうして半刻が過ぎれば仲間たちの元へ戻る。「そのささやかな平和が、豊前のお気に入りなんだね」と、どこか嬉しそうに言った松井江を思い出して、豊前はそっと目を細めた。
2311「ほーと、のどかな景色やね」
そう呟いて、くあとまた欠伸をこぼす。出陣も内番もない日は、大抵「れっすん」をするのが彼ら「江」の常である。その休憩時間──なんだかんだでいつも少しだけ長くなってしまう──に、ここで本丸の中庭を眺めるのは、豊前の日課のようなものになっていた。春の桜、夏の向日葵、秋の紅葉、冬の山茶花。移ろいゆく季節を、彼はここで見つめている。時折通りかかる刀たちに挨拶をして、そうして半刻が過ぎれば仲間たちの元へ戻る。「そのささやかな平和が、豊前のお気に入りなんだね」と、どこか嬉しそうに言った松井江を思い出して、豊前はそっと目を細めた。
しおん
DOODLE豊前江×女審神者。走り書き愛しい君へ「豊前江」
「うん?」
こちらの声に穏やかに笑う豊前江に、その耳元にそっと唇を寄せる。
「好きだよ」
普段は中々恥ずかしくて言えないけど、思い切って伝えてみた。囁くような小さな声であったけど、彼に伝われば十分。どんな反応をしてくれるかな、喜んでくれるといいなとそっと豊前江を見る。
「…ッ」
そこには頬をほんのり紅くして恥ずかしそうにする豊前江がいて、その意外な反応に私まで恥ずかしくなって頬が熱くなる。
「不意打ちすぎんだろ」
「ごめん」
「うれしいけどよ」
「そ、そう?」
照れてしまったことが恥ずかしいのか、豊前江はこちらを見ない。その様子が少し可愛く思う。
「だけど、そういうことは」
そこで一度言葉を区切ると、豊前江が真っ直ぐこちらを見つめてくる、
835「うん?」
こちらの声に穏やかに笑う豊前江に、その耳元にそっと唇を寄せる。
「好きだよ」
普段は中々恥ずかしくて言えないけど、思い切って伝えてみた。囁くような小さな声であったけど、彼に伝われば十分。どんな反応をしてくれるかな、喜んでくれるといいなとそっと豊前江を見る。
「…ッ」
そこには頬をほんのり紅くして恥ずかしそうにする豊前江がいて、その意外な反応に私まで恥ずかしくなって頬が熱くなる。
「不意打ちすぎんだろ」
「ごめん」
「うれしいけどよ」
「そ、そう?」
照れてしまったことが恥ずかしいのか、豊前江はこちらを見ない。その様子が少し可愛く思う。
「だけど、そういうことは」
そこで一度言葉を区切ると、豊前江が真っ直ぐこちらを見つめてくる、
しおん
REHABILI豊前江×女審神者。オリジナル女審神者あり。審神者が朝起きると、隣にいつの間にか豊前江が寝ていて……
そんな話です。
#江ダリ の参加に合わせて書いたもの。
甘えたな君とピザトースト鳥の囀りが聞こえる。瞼越しに見る世界も柔らかに明るい。
眠っていた意識がゆっくりと覚醒していくのに合わせて、世界の輪郭が彩られていく。
遠くから人の声や物音も聞こえる。朝餉の準備に励むもの、鍛錬に赴くもの、畑へ向かうもの。そんな刀剣男士たちが奏でる生活音だ。今日も忙しない一日が始まろうとしていると、まだ寝ぼけ気味の頭で思う。
まだアラームは鳴っていないから起床時間ではないはず。このままもう少し微睡んでしまおうかと布団を引っ張り身体を埋め直した。身体を優しく包み込む暖かさが心地良くて、その温もりの中に身を寄せる。
(…うん?)
心地良い温もりに身を寄せて、ふと違和感に気づく。布団のそれとは違う温もり。明らかに体温を持ったものがそこにいる。その暖かさを私はとても良く知っている。
9062眠っていた意識がゆっくりと覚醒していくのに合わせて、世界の輪郭が彩られていく。
遠くから人の声や物音も聞こえる。朝餉の準備に励むもの、鍛錬に赴くもの、畑へ向かうもの。そんな刀剣男士たちが奏でる生活音だ。今日も忙しない一日が始まろうとしていると、まだ寝ぼけ気味の頭で思う。
まだアラームは鳴っていないから起床時間ではないはず。このままもう少し微睡んでしまおうかと布団を引っ張り身体を埋め直した。身体を優しく包み込む暖かさが心地良くて、その温もりの中に身を寄せる。
(…うん?)
心地良い温もりに身を寄せて、ふと違和感に気づく。布団のそれとは違う温もり。明らかに体温を持ったものがそこにいる。その暖かさを私はとても良く知っている。