氷輪(ひょうりん)
DONE金カ夢、krus金カ夢文字書き24時間一本勝負のものです
お題は週末、お相手はkrusです
限界社畜の夢主ちゃんと世話焼きなkrusくんのお話。なんてことはない、日常切り取り系の話
週末「ただいま……」
重い体を引きずるように、部屋へと帰ってきた。仕事が忙しいのに加え、人間関係のゴタゴタに巻き込まれ、体力も精神力も真っ赤、あと何ミリレベルだ。
「おかえり……って、疲れてんな、お前」
玄関にへたり込んでいた私は、その声に顔を上げる。恋人のキラウシは、片手にお玉を持ちながら近付いてきた。
「来てたんだ」
「…………まず風呂入ってこい」
キラウシは有無を言わさず私を立ち上がらせると、ぐいぐいと背中を押してお風呂へと連れていく。
「スーツ……」
「俺が掛けておく」
「着替え……」
「用意するから、さっさと入れ」
無理矢理脱がされそうな雰囲気を感じ取り、私は扉を閉めるともぞもぞと服を脱ぎお風呂へと入った。体を洗うのも髪を洗うのも、疲れていると正直面倒臭い。でもやらないとまたキラウシに怒られそうなのでもそもそと緩慢な動きで洗っていく。ようやく湯船に入ると、はぁぁぁと大きく息を吐き出した。忙しいとシャワーだけということが多いから、湯船に入るのは久しぶりだ。そのままゆっくりと目を閉じる。
1298重い体を引きずるように、部屋へと帰ってきた。仕事が忙しいのに加え、人間関係のゴタゴタに巻き込まれ、体力も精神力も真っ赤、あと何ミリレベルだ。
「おかえり……って、疲れてんな、お前」
玄関にへたり込んでいた私は、その声に顔を上げる。恋人のキラウシは、片手にお玉を持ちながら近付いてきた。
「来てたんだ」
「…………まず風呂入ってこい」
キラウシは有無を言わさず私を立ち上がらせると、ぐいぐいと背中を押してお風呂へと連れていく。
「スーツ……」
「俺が掛けておく」
「着替え……」
「用意するから、さっさと入れ」
無理矢理脱がされそうな雰囲気を感じ取り、私は扉を閉めるともぞもぞと服を脱ぎお風呂へと入った。体を洗うのも髪を洗うのも、疲れていると正直面倒臭い。でもやらないとまたキラウシに怒られそうなのでもそもそと緩慢な動きで洗っていく。ようやく湯船に入ると、はぁぁぁと大きく息を吐き出した。忙しいとシャワーだけということが多いから、湯船に入るのは久しぶりだ。そのままゆっくりと目を閉じる。
氷輪(ひょうりん)
MOURNING金カ夢kdkrもう1つのバージョン
こちらは不穏でもなんでもなく、ヤマもオチもありませぬ……
薄暮時日が暮れるの、早くなったな。
学校からの帰り道、ふと立ち止まると赤く染まった空を見上げた。今日は部活がないからこの時間に帰れるけど、部活がある日は真っ暗になってしまっているだろう。
やだなぁ。
部活は楽しいけど、真っ暗のなかを帰るのはちょっと怖い。最寄駅の近くは明るいけど、少し離れれば街灯の数もそんなに多くはない。
そんなことを考えていたら、ドンと衝撃を受けた。
「あ、ごめんなさい」
立ち止まっていたせいか、誰かにぶつかったようだ。咄嗟に謝ったけど、周囲に人影はない。
「あれ?」
それどころか、確か街中にいたはずなのに知らない場所にいた。
「え、どこ、ここ」
家もなければ人もいない。見渡す限りの原っぱに、道が一本だけ。いつもなら綺麗に思える真っ赤な夕焼けも、今は不安を煽るだけだ。
3827学校からの帰り道、ふと立ち止まると赤く染まった空を見上げた。今日は部活がないからこの時間に帰れるけど、部活がある日は真っ暗になってしまっているだろう。
やだなぁ。
部活は楽しいけど、真っ暗のなかを帰るのはちょっと怖い。最寄駅の近くは明るいけど、少し離れれば街灯の数もそんなに多くはない。
そんなことを考えていたら、ドンと衝撃を受けた。
「あ、ごめんなさい」
立ち止まっていたせいか、誰かにぶつかったようだ。咄嗟に謝ったけど、周囲に人影はない。
「あれ?」
それどころか、確か街中にいたはずなのに知らない場所にいた。
「え、どこ、ここ」
家もなければ人もいない。見渡す限りの原っぱに、道が一本だけ。いつもなら綺麗に思える真っ赤な夕焼けも、今は不安を煽るだけだ。
氷輪(ひょうりん)
DONE金カ夢tksm金カ夢文字書き24時間一本勝負で書いたものです。
pixivで書いている「半券」シリーズの設定で書いてますので、少し分かりにくいところがあるかもしれません。あとほの暗いです。甘くもなんともないです。結局、月島軍曹はいご草ちゃんを忘れられないねって話です。
彼岸花って北海道ではもともと咲かなかったらしいですね……。 1305
氷輪(ひょうりん)
DONE金カ夢kkt菊田さんと葡萄を食べるだけの話
葡萄/菊田何度目かのお家デート。今日は彼女の家で夕飯をご馳走になった。そして食後のデザートにと食卓に並んだのは、葡萄。もうそんな時期か、と大振りな実を眺めた。
「スイカじゃなくてごめんなさい」
彼女はそう言って向かいに座る。気にするな、といって葡萄に手を伸ばすが、彼女が俺の好きなものを覚えていてくれたのが何だか嬉しい。
「今は一年中なんでも手に入るが、やはり旬のものが一番旨いからな」
一粒皮を剥き、口へと放り込んだ。瑞々しい甘さが口の中に広がる。
皮を剥く手間があるのと手がベトベトになるのがなぁ、と思うが、スイカもたいして変わらない事を思い出し、用意されていた濡れタオルで手を拭いた。
「葡萄といえば、三国志に出てくる曹丕って人が葡萄が好きでね……」
986「スイカじゃなくてごめんなさい」
彼女はそう言って向かいに座る。気にするな、といって葡萄に手を伸ばすが、彼女が俺の好きなものを覚えていてくれたのが何だか嬉しい。
「今は一年中なんでも手に入るが、やはり旬のものが一番旨いからな」
一粒皮を剥き、口へと放り込んだ。瑞々しい甘さが口の中に広がる。
皮を剥く手間があるのと手がベトベトになるのがなぁ、と思うが、スイカもたいして変わらない事を思い出し、用意されていた濡れタオルで手を拭いた。
「葡萄といえば、三国志に出てくる曹丕って人が葡萄が好きでね……」