さえじま
DONE不良に絡まれる🍫を助けに来た🍰の話ナマモノ売りは慎重に 久楽間 潮とは、町でハンカチを落として「すみません、落としましたよ」と声を掛ければ、「触んないでくれない?」と嫌そうな顔を浮かべハンカチをもぎ取って去っていく素質を持つ(否、この表現は誇張であり、流石の潮でも「どーも」と嫌な顔をしながらもお礼を言ってくれる。余談だが、拾われたハンカチはごみ箱へ捨てられるまでがセットだ)。
そんな彼は人の感情を逆なですることを得意として、意図せず敵を作ってしまうタイプの人間であった。本人もその自覚があるため、極力人と関わらないようにしているが、生きているだけで他人との接触は生まれる。現に今も帰宅時に路地裏を通ろうとしたが、目の前で立ち往生する不良に「邪魔なんだけど」と脊髄反射で楯突いてしまうのだった。
1782そんな彼は人の感情を逆なですることを得意として、意図せず敵を作ってしまうタイプの人間であった。本人もその自覚があるため、極力人と関わらないようにしているが、生きているだけで他人との接触は生まれる。現に今も帰宅時に路地裏を通ろうとしたが、目の前で立ち往生する不良に「邪魔なんだけど」と脊髄反射で楯突いてしまうのだった。
さえじま
DONEほんのり暗いかぐくら。幼児化した🍫が出てきます。
悪夢 おそらくこの空間は夢のようだ。
見覚えのない部屋は子供部屋のようで、カラフルなもので溢れている。ベッドに敷かれている布団は飛行機と青空の柄で、本棚には昔に読んだ犬と蛙の料理の話や、小さい生き物が大きなカステラを作ろうと奮闘する懐かしいもので沢山だ。
子供が一人入れそうなくらい大きな宝箱の中はおもちゃでいっぱいで、まだ使われていないのか綺麗に整頓されている。
そして、ベッドがあるというのに床のふかふかした芝生のようなカーペットで気持ちよさそうに眠っている、明るい髪をした少年──久楽間 潮が自身の身体を包きしめるように縮こまっていた。
凡そ歳は小学生に上がりたての頃だろうか。当時の彼は人と触れ合うことが好きで、誰よりも甘えん坊で構ってがりだった時期の潮だ。今とは違う、凄惨な事件が起きる前の“彼”だ。
1028見覚えのない部屋は子供部屋のようで、カラフルなもので溢れている。ベッドに敷かれている布団は飛行機と青空の柄で、本棚には昔に読んだ犬と蛙の料理の話や、小さい生き物が大きなカステラを作ろうと奮闘する懐かしいもので沢山だ。
子供が一人入れそうなくらい大きな宝箱の中はおもちゃでいっぱいで、まだ使われていないのか綺麗に整頓されている。
そして、ベッドがあるというのに床のふかふかした芝生のようなカーペットで気持ちよさそうに眠っている、明るい髪をした少年──久楽間 潮が自身の身体を包きしめるように縮こまっていた。
凡そ歳は小学生に上がりたての頃だろうか。当時の彼は人と触れ合うことが好きで、誰よりも甘えん坊で構ってがりだった時期の潮だ。今とは違う、凄惨な事件が起きる前の“彼”だ。
さえじま
DONEモブ凪(未遂)のレイプ未遂事件の話。凪視点。ネタバレ:子タろが助けに来てくれる。
モブ凪が読みたいだけなのに…… 傘が欲しかったんだと思う。記憶が曖昧なのは極力思い出したくないからか、それとも本当は傘なんか要らなかったのか。少なくともあの時、何か目的を持って商業施設に入ったんだ。
雨に濡れた体は冷房の効いている施設内でぶるりと震えて、「あ、そういえばトイレに行きたかったのかも」なんてとってつけたように思いだして。あとは帰るだけの自分を急かすものはないから、一番空いてそうなトイレを選んで用を足してさあ帰ろうと手洗いも済ませたんだ。
「すみません、紙を取ってくれませんか」
一番奥の個室から、男の声が聞こえてきた。切羽詰まっている声ではない、淡々と状況を伝える姿勢に少しだけ「この人、危機的状況なのに全く狼狽えていない……大人だ」と感心してしまった。すぐにハッとして「任せてください」自身満々に答えてみせて、与えられたミッションを華麗にスマートにこなそうとすぐに隣の個室から一つトイレットペーパーを拝借する。
2566雨に濡れた体は冷房の効いている施設内でぶるりと震えて、「あ、そういえばトイレに行きたかったのかも」なんてとってつけたように思いだして。あとは帰るだけの自分を急かすものはないから、一番空いてそうなトイレを選んで用を足してさあ帰ろうと手洗いも済ませたんだ。
「すみません、紙を取ってくれませんか」
一番奥の個室から、男の声が聞こえてきた。切羽詰まっている声ではない、淡々と状況を伝える姿勢に少しだけ「この人、危機的状況なのに全く狼狽えていない……大人だ」と感心してしまった。すぐにハッとして「任せてください」自身満々に答えてみせて、与えられたミッションを華麗にスマートにこなそうとすぐに隣の個室から一つトイレットペーパーを拝借する。