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    #6

    りうさき@

    DONEバレンタインの⚽️してない⚽️部パロ

    これの設定を引き継いでます
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18553394#6
    寮の部屋のドアの向こうから「開けてください」と声がしたので開けてやると、紙袋を両手にどっさりと抱えて、更に腕にぶら下げた月島が思い切り不機嫌な顔で「ただいま」と呟いた。反射的に「おかえり」と答えたものの、鯉登の視線はその荷物に釘付けで、部屋の片隅にそれらを漸く下ろした背中が深く重い溜息を吐き出す。
    「た…大量だな」
    今日はバレンタインデー。紙袋の中は大量のカラフルな包み、とくれば、中身は考えずともわかった。
    どうやら同室で二つ年上の先輩は随分とモテるらしい。見る目があるな、と誇らしくなる反面、その中のいくつが本命で、どれかに気持ちを返すのかと考えると胃の中がぐるぐるした。

    月島に憧れて、鹿児島のユースから無理を言って北海道の高校に転入した春からもうすぐ一年が経つ。三年生の月島はもう卒業が間近だ。先月就職試験を受けた彼は無事に希望の就職先への進路を決め、あとは卒業を待つばかり。社会人サッカー部のある会社ではあるが、一緒にサッカーをやる機会ももうなくなってしまう。まして卒業してしまったら、今のように朝も夜も顔を合わせることなどなくなってしまうのだ。
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    risya0705

    DONEポン中軸柏真 #6 (#5の続きがまだ……)ラスト
    #6 サイケ・ブルードアを閉めて、助手席に座る男を見遣る。左ハンドルの車だと、こちらからは真島の表情が眼帯で隠れてしまうのがもどかしい。大人しく座って窓に凭れる男の肩上からシートベルトを引っ張り、きちんと装着させてやる。その動きのまま、真島の顔をじっと見つめた。

    頬は痩せこけて肌色は蒼白、健在な右目も酷い隈で落窪んで見える。目尻の皺が増えた。もうずっと何年もかけて見つめ続けてきた、愛おしい狂人が静かに眠っている。

    ドアをロックしてエンジンをかける。車がゆっくりと動き出すのに、んん、と真島が吐息を漏らした。

    「起きたか。気分はどうだ」
    「……どこ、いくん?」
    「どこに行きたい?」
    「…………」

    駐車場を出て、自然と導かれるように神室町への経路を辿っている。それきりまた黙ってしまった真島をちらと伺いながら、踏切に引っかかったタイミングで煙草に火をつけた。カンカンカン、と警報音が聞こえるのになぜか不安な気持ちになる。真島が嗤いながら飛び出して行ってしまうようなビジョンが浮かんだ。そんな杞憂を鼻で笑うかのように、真島は隣で静かに目を瞑ってぐったりとしている。始発電車が通過していくのを横目に真島の口元に吸いさしを宛てがうと、条件反射のように薄く口を開いてそれを受け取った。遮断機が上がる。冬の夜明けはまだ遠い。
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