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PASTただただ濡れ場があるだけのお話です。ご容赦ください。式神晴明と製作者道満的確に脾臓を狙って打撃を叩きこまれるとは予想の外であった。流石は医療を司る神といったところか、単に彼が師と仰いでいた半神の指導の賜物であったのか。内臓ひとつ破裂させた肉体を一度放棄し、新たな肉の皮にてキャスター・リンボは現在の塒である、幾つかの不安定な空間を繋ぎ合わせた影に隠した空間の中へと帰還した。
日本の、平安時代の首都にて見られた寝殿造り。
蘆屋道満と呼ばわれた法師陰陽師が棲んでいた邸と寸分違わぬ、訳ではなかった。此処は。
「リンボ様♡」
リンボよりは遥かに小柄なものの成人男性として過不足は無い細身の体が突進し、両腕を使ってリンボの胸まわりに抱き着いた。
「お待ちしておりました。おかえりなさいませ旦那様♡」
2770日本の、平安時代の首都にて見られた寝殿造り。
蘆屋道満と呼ばわれた法師陰陽師が棲んでいた邸と寸分違わぬ、訳ではなかった。此処は。
「リンボ様♡」
リンボよりは遥かに小柄なものの成人男性として過不足は無い細身の体が突進し、両腕を使ってリンボの胸まわりに抱き着いた。
「お待ちしておりました。おかえりなさいませ旦那様♡」
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MEMOよくわからないどませい。羅刹王髑髏烏帽子と狂鯖晴明。宝具レベル3の拙僧への道。「二人目の拙僧が参りました」
「ふたりめのせっそうが」
瑞々しい葡萄を飴の薄膜で閉じ込めた、いわゆるぶどうあめを食べていた晴明は首を傾げ、召喚のことをいっているのかと思い至った。
「そうですか。われらがマスターであれば直ぐに宝具の強化に」
途端、食堂の電気の光量が一段階落ち、代わりに赤い光と、ブザー音が鳴り響く。
【非常事態だ! アルターエゴ蘆屋道満、バーサーカー安倍晴明、いますぐ管制室に向かって欲しい!!】
耳慣れた少女の声が、それなりの緊迫感をもって告げてくる。
「二人目の……おまえが脱走をしたのでは?」
「レベルさえ上がっておらぬ分際で何とも、何とも、まさかそんなよもや」
晴明の右手はぶどうあめを持っている。道満の、右腕が晴明の肋骨下あたりに回され、ぶどうあめごと晴明の体を持ち上げる。
2261「ふたりめのせっそうが」
瑞々しい葡萄を飴の薄膜で閉じ込めた、いわゆるぶどうあめを食べていた晴明は首を傾げ、召喚のことをいっているのかと思い至った。
「そうですか。われらがマスターであれば直ぐに宝具の強化に」
途端、食堂の電気の光量が一段階落ち、代わりに赤い光と、ブザー音が鳴り響く。
【非常事態だ! アルターエゴ蘆屋道満、バーサーカー安倍晴明、いますぐ管制室に向かって欲しい!!】
耳慣れた少女の声が、それなりの緊迫感をもって告げてくる。
「二人目の……おまえが脱走をしたのでは?」
「レベルさえ上がっておらぬ分際で何とも、何とも、まさかそんなよもや」
晴明の右手はぶどうあめを持っている。道満の、右腕が晴明の肋骨下あたりに回され、ぶどうあめごと晴明の体を持ち上げる。