Kirin_muzi
PROGRESS5/5超賢マナ新刊の小説パートのサンプルです。断片一
「ティコ湖にはさ、人魚の伝説があるんだって」
髪が雲みたいにたなびいて、ゆるゆると、揺れている。肩も、腹も、胸も、全部が揺れている。魂を揺らしながら笑っているのだ。
ミスラはそれを見るのが好きだ。胸にオレンジ色の花が甘ったるく咲くみたいな、くすぐったくうねるような感じがする。
「空から隕石が落ちてきてさ、他にいないような生き物たちがいっぱい生まれてね、その中には人魚もいたんだって」
「ふうん」
「だから、人魚は、星から生まれてきたんだよ」
突然、チレッタはお気に入りのベッドに横たわるみたいに、自然に後ろに倒れ、そのまま、湖に落ちていった。水はするりとチレッタを受け入れる。
「どう、人魚みたい?」水面に金の髪がふわりと広がっている。
5351「ティコ湖にはさ、人魚の伝説があるんだって」
髪が雲みたいにたなびいて、ゆるゆると、揺れている。肩も、腹も、胸も、全部が揺れている。魂を揺らしながら笑っているのだ。
ミスラはそれを見るのが好きだ。胸にオレンジ色の花が甘ったるく咲くみたいな、くすぐったくうねるような感じがする。
「空から隕石が落ちてきてさ、他にいないような生き物たちがいっぱい生まれてね、その中には人魚もいたんだって」
「ふうん」
「だから、人魚は、星から生まれてきたんだよ」
突然、チレッタはお気に入りのベッドに横たわるみたいに、自然に後ろに倒れ、そのまま、湖に落ちていった。水はするりとチレッタを受け入れる。
「どう、人魚みたい?」水面に金の髪がふわりと広がっている。
かき揚げ
INFO12/11【DR22】ミスルチ新刊漫画 さようなら A5 / 70p 【東6 グ35a】月花妖異譚にて、神狐チレッタと、その遣いだった竜のミスラ、チレッタの息子である妖狐のルチルの3人の縁にまつわる話。
★会場頒布価格¥1000
★通販 https://ec.toranoana.jp/joshi_r/ec/item/040031025733/ 12
unhkiss
DONEビズログエレベーター小話から着想を得たチレッタのマナ石の行方のお話。フィガロ・ガルシアは大魔女の葬式に出られない毒花のごとく麗しく、蛇のように狡猾で、太陽のように鮮烈な大魔女――チレッタが死んだ。
その報せは瞬く間に大陸全土に広がった。
あのチレッタが死んだ! 石と化した彼女を食らえば強大な力を手に入れられる!
野心ある魔法使い・魔女たちは色めき立った。西の国で酒場を営む店主は憂いを帯びたため息をつき、東の国の料理屋は眉を潜めてしかめっ面をした。
チレッタのマナ石を巡って血で血を洗うような略奪と闘争が起きることを、多くの者が予見し、震え上がった。
そして力を求める魔法使い・魔女たちは箒にまたがり、我先にと南の国を目指した。
戦いの火蓋は誰にも知られず、ひそかに切って落とされようとしていた。
■
オギャア、オギャアと生まれたばかりの赤ん坊が隣の寝室で泣いている。
4570その報せは瞬く間に大陸全土に広がった。
あのチレッタが死んだ! 石と化した彼女を食らえば強大な力を手に入れられる!
野心ある魔法使い・魔女たちは色めき立った。西の国で酒場を営む店主は憂いを帯びたため息をつき、東の国の料理屋は眉を潜めてしかめっ面をした。
チレッタのマナ石を巡って血で血を洗うような略奪と闘争が起きることを、多くの者が予見し、震え上がった。
そして力を求める魔法使い・魔女たちは箒にまたがり、我先にと南の国を目指した。
戦いの火蓋は誰にも知られず、ひそかに切って落とされようとしていた。
■
オギャア、オギャアと生まれたばかりの赤ん坊が隣の寝室で泣いている。
wasui_awira119
DONE2022.1.23.Sunピクスク開催北師弟Webオンリー
HAPPY北師弟DAY
開催おめでとうございます🎉
スペース:氷 い5
新作展示:燃える空【北師弟+チレッタ】
パスワードは会場リンク先にて公開中です
良かったら感想ください!
はぴして 北師弟+チレッタ 新作展示『燃える空』 空が燃えていた。どんよりとたちこめる雲は、眼下の火の粉を吸い上げ、重く暗い赤に染まっている。もう夜半になろうという頃であるのに、地上は昼間の空のごとく明るく煌めいて、チカチカと私の瞳を刺激する。
「双子様~! こーんばーんはー!」
「おお、チレッタか」
「久しいのう」
煙を吸い込まぬよう風上に避けながら、お二人のもとへと箒を飛ばす。燃ゆる炎を双眸に反射させて、双子は静かにその光景を見下ろしていた。その[[rb:煌々 > きらきら]]しく光る四つの瞳からは、何の感情も読み取ることができない。
「いやー、派手ですねえ」
「ほんに」
「やんちゃが過ぎるのう」
やれやれとでも言うように、ホワイト様が肩をすくめ、スノウ様がため息をつく。
1753「双子様~! こーんばーんはー!」
「おお、チレッタか」
「久しいのう」
煙を吸い込まぬよう風上に避けながら、お二人のもとへと箒を飛ばす。燃ゆる炎を双眸に反射させて、双子は静かにその光景を見下ろしていた。その[[rb:煌々 > きらきら]]しく光る四つの瞳からは、何の感情も読み取ることができない。
「いやー、派手ですねえ」
「ほんに」
「やんちゃが過ぎるのう」
やれやれとでも言うように、ホワイト様が肩をすくめ、スノウ様がため息をつく。