アルミ
PAST夏祭りのベルアニ夏橙と小銃 今日のためにあつらえた涼しげな色合いの浴衣、父さんが選んでくれた透き通った飴玉のようなかんざしと、宝石のような鼻緒飾りの草履。
夏の宵、ごった返す祭りの中、さりげなく人の波からこちらを庇いつつ、あれやってみる?あれ食べなくても大丈夫?と、いちいちこちらへお伺いを立てるのっぽの幼なじみに、アニはため息をつく。
「…そんなに気を遣われたら、疲れるんだけど」
「え?あ、あぁごめん」
わたわたと大袈裟に慌ててみせるベルトルトの様子を尻目に、「あ、射的やろうよ。あんた得意でしょ」と声を掛けると、「う、うん!」と言いながらこっちの後をひょこひょことついてきた。なんというか、大型犬の飼い主にでもなった気分。
腰を屈めて、低い射的の台からスナイパーのように玉を撃つ。正確なショットは、水鉄砲のおもちゃの箱をパタリと倒した。
712夏の宵、ごった返す祭りの中、さりげなく人の波からこちらを庇いつつ、あれやってみる?あれ食べなくても大丈夫?と、いちいちこちらへお伺いを立てるのっぽの幼なじみに、アニはため息をつく。
「…そんなに気を遣われたら、疲れるんだけど」
「え?あ、あぁごめん」
わたわたと大袈裟に慌ててみせるベルトルトの様子を尻目に、「あ、射的やろうよ。あんた得意でしょ」と声を掛けると、「う、うん!」と言いながらこっちの後をひょこひょことついてきた。なんというか、大型犬の飼い主にでもなった気分。
腰を屈めて、低い射的の台からスナイパーのように玉を撃つ。正確なショットは、水鉄砲のおもちゃの箱をパタリと倒した。