建河羊子
DONE対馬にはまって二番目に走り書いたネタが昇華できそうだったので、仕上げてみました。限りなく竜→仁に近い幼馴染み。当初、心意気だけは紛れもなく竜仁でした。周年とは何ら関係ありませんが、ともかく二周年おめでとうございます。星仰ぐ星を見やるれば 紅の狭間、蒼の波打ち際に萌え生うる季節外れの山吹を、竜三はしばし棒立ちになって眺めていた。
彩は目にも鮮やか。何より奏で立てられる音がまた、良い。
寄せては返すさざ波。どこより来訪するのか、この時期になると島のあちこちで目に付くようになる、腹毛の赤い鳥の神経質そうな鳴き声。天から吊るされた簾のごとき紅葉を豪奢な敷物へと変じさせる、芳しい香の風音。そして、ひゅ、ひゅ、と空を裂く素振りの音。所作ごとに踏み荒らされかき鳴らされる葉音。食いしばった歯の間から、鋭く抜ける息の音。
場は多種多様な音で満たされ、喧噪とも云えるほどであるのに、耳を覆いたくなりはしない。むしろ、たいそう落ち着く。目を閉じて傾注すれば、眠り誘う調べとも感ぜられる数多の音は、竜三を包み込み、その場に揺蕩っていた。
9220彩は目にも鮮やか。何より奏で立てられる音がまた、良い。
寄せては返すさざ波。どこより来訪するのか、この時期になると島のあちこちで目に付くようになる、腹毛の赤い鳥の神経質そうな鳴き声。天から吊るされた簾のごとき紅葉を豪奢な敷物へと変じさせる、芳しい香の風音。そして、ひゅ、ひゅ、と空を裂く素振りの音。所作ごとに踏み荒らされかき鳴らされる葉音。食いしばった歯の間から、鋭く抜ける息の音。
場は多種多様な音で満たされ、喧噪とも云えるほどであるのに、耳を覆いたくなりはしない。むしろ、たいそう落ち着く。目を閉じて傾注すれば、眠り誘う調べとも感ぜられる数多の音は、竜三を包み込み、その場に揺蕩っていた。