saipoko2021
DONE『結果が発表された夜の二人』を題材に書いたSSです。恋人同士な二人。
DRBを現実でしか知らないので、(ドラパ・コミカライズは半端に履修)
矛盾や解釈違いは笑って流して頂けると有り難いです(汗)
『その夜にー銃二ー』 その瞬間。
天を仰いだその横顔に、涙の幻が見えた。
2thDRB決勝が終わり、それぞれに割り当てられたホテルの部屋でスマホ画面を操作する。LINEにメッセージを一言、それだけを打ち込んで銃兎は立ち上がった。
「ん?どっか行くのか?」
我らの王の詰問に夜風に当たってくるとだけ告げて部屋を出る。
今日の出場者がホテル外に出ることは禁じられている。閉じられたフロントを通り過ぎ、中庭へと続くガラス扉を開けた。
途端に吹き付ける冷たい風に思わず首を竦ませる。
墨を流したような空には星も見えない。闇に沈む庭を迷いなく進んでいくと背後でもう一度扉が開く気配。
かつかつと石畳に足音が響く。それは、いつものスニーカーとは違う音。こちらへと近付く気配に足を止め、銃兎は煙草に火をつけた。
1794天を仰いだその横顔に、涙の幻が見えた。
2thDRB決勝が終わり、それぞれに割り当てられたホテルの部屋でスマホ画面を操作する。LINEにメッセージを一言、それだけを打ち込んで銃兎は立ち上がった。
「ん?どっか行くのか?」
我らの王の詰問に夜風に当たってくるとだけ告げて部屋を出る。
今日の出場者がホテル外に出ることは禁じられている。閉じられたフロントを通り過ぎ、中庭へと続くガラス扉を開けた。
途端に吹き付ける冷たい風に思わず首を竦ませる。
墨を流したような空には星も見えない。闇に沈む庭を迷いなく進んでいくと背後でもう一度扉が開く気配。
かつかつと石畳に足音が響く。それは、いつものスニーカーとは違う音。こちらへと近付く気配に足を止め、銃兎は煙草に火をつけた。
saipoko2021
DONE『結果が発表された夜の二人』を題材に書いたSSです。恋人同士な二人。
DRBを現実でしか知らないので、(ドラパ・コミカライズは半端に履修)
矛盾や解釈違いは笑って流して頂けると有り難いです(汗)
『その夜にー寂銃ー』 その瞬間。
貴方はその穏やかな瞳で、ただ前を見据えていた。
2thDRB決勝が終わり、中王区に急遽招集されたリーダーミーティングに向かう左馬刻を見送って、銃兎は煙草に火をつけた。
会場を共に出てきた理鶯には先に宿舎となるホテルに帰ってもらった。
自分が誰を待つのか分かっているのだろう。何も聞かず頷いてくれた理鶯に今更ながら気恥ずかしさがこみ上げる。
別に、待つ必要などなかった。何を約束をしている訳でもなし。ミーティングがどれだけかかるのかも、彼がそのまま出てくるのかすら銃兎は知らないのだから。
陽が落ちて冷たさを増す風に揺れる紫煙を、見るとはなしに目で追いかける。
それでも、このまま帰りたくなかった。
2397貴方はその穏やかな瞳で、ただ前を見据えていた。
2thDRB決勝が終わり、中王区に急遽招集されたリーダーミーティングに向かう左馬刻を見送って、銃兎は煙草に火をつけた。
会場を共に出てきた理鶯には先に宿舎となるホテルに帰ってもらった。
自分が誰を待つのか分かっているのだろう。何も聞かず頷いてくれた理鶯に今更ながら気恥ずかしさがこみ上げる。
別に、待つ必要などなかった。何を約束をしている訳でもなし。ミーティングがどれだけかかるのかも、彼がそのまま出てくるのかすら銃兎は知らないのだから。
陽が落ちて冷たさを増す風に揺れる紫煙を、見るとはなしに目で追いかける。
それでも、このまま帰りたくなかった。