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    きじと ら

    @lh0_w3のきじとら。です。細々とこっちに文をあげるかも

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    きじと ら

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    転生もの。🐍☀️(♀にするか悩み中)
    放置子☀️を🐍が拾う話

    夜は嫌いだ。

    しんとした暗さは私に孤独だという事実を突きつける。

    きぃきぃとブランコを漕ぐ音が公園に響く。


    「何やってるんだ?」

    ほぼ毎日こうして時間を無為に過ごしていたが、声をかけられたのは初めてだ。顔を上げると綺麗な顔立ちの男性が私を見下ろしている。
    その人は見慣れた顔だった。そしてとても会いたくて、会いたくなかった人だ。突然の出来事に言葉を見失う。

    「あ…ごめんなさい!」

    パッと立ち上がりその場から走り去る。
    背後から声がしたが振り返らず公園から出て近くの自分の家の前にたどり着く。
    オンボロアパートの部屋の扉は固く閉ざされている。
    何度かガチャガチャとするが反応はない。

    「お母さん、開けて!」

    一声かけると勢いよくドアが開いた。顔がぶつかりそうになり慌てて数歩下がると、不機嫌そのものの母親が私を睨みつけた。

    「何?金なら渡したでしょ。邪魔だからまだ帰ってこないで」

    ドンと細い腕が私を突き飛ばす。
    分かってはいたが何を期待していたのだろうか?
    よろけて後ろに倒れそうになると、ぽすりと何かに抱きとめられた。

    「何よ、あんた」
    「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。隣に越してきましたバイパーと申します」

    冷や汗がダラダラと流れる。隣と今言っただろうか?

    顔を上げると先程声をかけてきた男性が、綺麗に愛想笑いをしている。

    あぁ、こんな所見られたくなかった。

    前世の従者、そして友だちになりたいと切に願ったジャミルには特に見られたくなかった。

    誰からも必要とされず、母親にさえ疎まれいる。
    服も薄汚れており、風呂にもろくに入れていない。
    そんな汚くて見窄らしい自分なんて見られたくなかった。
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    きじと ら

    MAIKING🐍☀️
    某漫画パロ。死んだ☀️の記憶を🐍が見る話。
    そのうち続きを書くかもしれない
    死後の脳を取り出しスキャンをする事で死の直前に何が起きたか、その人物の視覚を通してみることができる。

    良い技術だと、今まではそう思っていた。正確には目の前の彼の遺体を目にするまでは。
    昨日まで元気に動いていた彼は今、保存庫の中で眠ったように死んでいる。死因が分からないため脳をスキャンする事を当主が決めてしまったのだ。

    生き返るかもしれないと、そう思えるほど彼の遺体は綺麗で美しかった。キスのひとつでもすれば彼は再び目を覚ますんじゃないかと、そう思うほどに。
    「嫌だ!絶対に嫌だ」
    遺体に覆い被さり子供のように泣きながら駄々をこねる。
    「ジャミル」
    「コイツの体に傷なんかつけたくない。もう散々痛い目にあったんだ。やめてくれ」
    バシンと力任せに父の手を振り払うと、周囲から啜り泣く声が聞こえてきた。
    「死んでまで苦しめなくてもいいだろ!?」
    「ジャミル、これも当主様が決めた事なんだ。お前だって本当は分かっているんだろう?どうしてカリム様が殺されなければならなかったのか、犯人は誰なのか突き止めなければならない。これはアジーム家の為なんだ。カリム様も分かってくれる」
    父が言っている事は正論なのだ 1500