Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    きじと ら

    @lh0_w3のきじとら。です。細々とこっちに文をあげるかも

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 11

    きじと ら

    ☆quiet follow

    pkmクロスオーバージャミカリ(予定)
    続くかもしれないし続かないかもしれない。

    pktw大嫌いだ。

    ふわりと足に擦り寄ってきたそのイーブイは悪くない。
    ただ、アイツとお揃いなのが嫌なだけだ。

    「ジャミルとお揃いだ!」

    屈託なく笑うカリムの笑顔に腹が立つ。もっと小さい頃にこのポケモンが貰えたら、俺もカリムのように喜べたのかもしれない。
    俺の元から離れてカリムのイーブイと駆け回り始めた俺のイーブイをうんざりと眺める。
    まるで「お前たちもこうであれ」と諭されているようだ。もちろんコイツらに他意がないのは分かっている。だけどそう思えてしまうのだ。


    最初のポケモンはどれにしようか、ずっと夢見ていた。別にイーブイでも構わない。
    ただ[カリムとお揃いにするために用意された]イーブイが嫌なんだ。

    「このイーブイは複数の進化系があります。だから、カリム様やジャミル次第でこの子たちの将来が決まるんですよ」

    見透かしたような、ただの説明のような商人の言葉が脳にこびりつく。唯一の救いはそこなのかもしれない。
    「イーブイ!よろしくな!」
    ギュッとイーブイを抱きしめるカリムの頭のてっぺんを見下ろす。
    俺が育てたらブラッキーになるのだろうな。そしてカリムが育てたらエーフィかニンフィアだろう。別にブラッキーが悪いわけではないけど、そんな気がする。実際、コイツに構ってやれるのは夜が多くなるだろうし。ピンク色のニンフィアを連れて歩くよりはブラッキーが良い。
    いや、イーブイの進化系で考えればブラッキーが一番[俺]っぽいだろう。砂漠の月夜を思わせるあの模様は美しくて好きだ。
    だからブラッキーに不満があるわけではない。目に見えない決まったレールに乗ることが嫌なだけだ。

    そこまで考えてため息をつく。そもそもカリムが[お揃い]に拘って進化の石を持って来たら、それ以前の問題になってしまう。
    「お前は何になるんだろうなぁ。楽しみだな!」
    今はカリムはそう言っているが、いつ気が変わるかも分からない。グッと奥歯を噛み締めると足元にふわりとした何かが触れた。
    「ブイ?」
    心配そうに俺を見上げているイーブイにハッとする。不満ばかりでコイツのことを考えられなかった。
    「あぁ、すまない。考え事をしていた」
    別に謝る必要もないのかもしれない。だけど、否応なしにここに連れて来られたコイツが俺と重なってしまった。
    「名前、どうしようかな?」
    イーブイを抱き上げると、彼は嬉しそうな声を出した。
    「俺はもう決めたぜ!」
    「もう?」
    俺と同じようにイーブイを抱き上げたカリムはニコニコと笑いながら「ソルテだ」と答えた。幸運を意味する言葉をつけるのが、なんだかカリムらしい。
    ソルテと被らないような全く違う名前がいい。
    進化先も想像できているのだから合わせてもいいかもしれない。じっとイーブイの目を見つめる。
    「ヨル なんてどうだ?」
    それがブラッキーにうってつけの名前のような気がした。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭👏👏💞💞
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    きじと ら

    MAIKING🐍☀️
    某漫画パロ。死んだ☀️の記憶を🐍が見る話。
    そのうち続きを書くかもしれない
    死後の脳を取り出しスキャンをする事で死の直前に何が起きたか、その人物の視覚を通してみることができる。

    良い技術だと、今まではそう思っていた。正確には目の前の彼の遺体を目にするまでは。
    昨日まで元気に動いていた彼は今、保存庫の中で眠ったように死んでいる。死因が分からないため脳をスキャンする事を当主が決めてしまったのだ。

    生き返るかもしれないと、そう思えるほど彼の遺体は綺麗で美しかった。キスのひとつでもすれば彼は再び目を覚ますんじゃないかと、そう思うほどに。
    「嫌だ!絶対に嫌だ」
    遺体に覆い被さり子供のように泣きながら駄々をこねる。
    「ジャミル」
    「コイツの体に傷なんかつけたくない。もう散々痛い目にあったんだ。やめてくれ」
    バシンと力任せに父の手を振り払うと、周囲から啜り泣く声が聞こえてきた。
    「死んでまで苦しめなくてもいいだろ!?」
    「ジャミル、これも当主様が決めた事なんだ。お前だって本当は分かっているんだろう?どうしてカリム様が殺されなければならなかったのか、犯人は誰なのか突き止めなければならない。これはアジーム家の為なんだ。カリム様も分かってくれる」
    父が言っている事は正論なのだ 1500

    recommended works