後天性女体化子作りおねだりリリシル「親父殿。俺と子作りをしてください」
「……………………ん?」
夜半。消灯時間を過ぎた寮の廊下は薄暗く、人里を離れた森の中のように静かだった。そこに響いた凛とした声は、男子校には……いや、神聖なる学舎にはあまりに似つかわしくない音を象った。
聞き間違いだろうか。それはきっと、プレイしていた携帯ゲーム機をベッドに放り、なんじゃこんな時間に、と突然の訪問者に扉を開けたリリアのそうであってほしいという願いに他ならない。
しかし、現実とはいつも無情なもので。たっぷりの間の後で首を傾げた父に、「聞き取れなかったのだろう」と解釈したらしい素直な子どもはまた口を動かした。
「俺と子作りをしてください、と言いました」
「聞き間違いじゃないんかーい!」
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