葡萄を一粒摘み上げる印さん。皮を少し剥いてakt君の口に持っていく。黒く艶めく葡萄から溢れた汁が彼の指先を赤黒く染めている。
少し口を開くとつるりと口内に入り込む果肉。皮が摘み上げられ皿の上に乗せられる。印さんの唇がキュッとあがっていて、自分に食べさせる事を楽しんでいるのはわかる。けど、なんでこんなのが楽しいんだろう?
手を汚すから食べさせてあげるなんて言われてこうしてるけれど、子供じゃないのになんだか少し恥ずかしい。
飲み込み終わったのを見計らいまた唇に一粒押し当てられて、さっきより大きな口を開けたせいか印さんの指ごと口に入れてしまう。
あっと思って口を離そうとするも反射的に指を軽く噛んでしまってもごもご咀嚼しながら慌てて謝るakt君。ふふふと笑いながら大丈夫だと印さんが葡萄と茎からぷちと離して自分の口に運ぶ。
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