タイムイズマネーの極意。(🕰親子)「ねぇ父ちゃん。5日ってお金にするといくらになると思う?」
タイムイズマネーが口癖の父親に、そっくりな見た目の息子が問い掛ける。どういう風に計算するのかな?と、クロックマスターの息子。マイサンは、両手の指を折って懸命に考え始めた。
子どもの純粋な疑問に、父親はうむ…と少し考えて口を開く。
「良いかマイサン?時間というのは有限なんじゃ。無限でないから、人は焦り彷徨うんじゃ」
息子はウーン?と首を傾げる。父親は床に膝をついて、息子と視線を合わせた。
「5日がいくらか。それを今、お主は一生懸命考えているじゃろ?」
うん。という素直な返事を聞いて、父親は頷く。
「この時間もまた、有限なんじゃよマイサン」
つまり……どういうこと?と、頭上にハテナマークを浮かべた息子の肩に両手を置いて、クロックマスターは優しく微笑む。
「考えてもしょうがない事はな……考えないに限る」
父親の解に、いまいち納得のいかなかった様子の息子が、それじゃあ答えになってないよ!と頬を膨らませた。
父親はそれを受けて笑いながら立ち上がり──息子を優しく抱き上げたのだった。
おわり。