bittersweet day 隣室からの騒音の合間に呼び出し音が鳴る。「……やっとか」とボヤきながら応答すれば、半ばキレ気味の声が響く。
『足止め完了だッ!さっさとヤれッ!』
「ディ・モールト、ギアッチョ。あんたにしては時間掛かったなぁ」
『うるせーぞッ!やらなくていいことわざわざやってンだからよォ!早く終わらせろッッ!』
一方的に吠え『今からそっち戻るぞ!』と伝え電話は切られた。さて、と立ち上がったメローネは隣室へと移動する。
「ペッシ、そのまま監視頼むぞ」
扉を閉めたメローネには目を向けず「分かった」と短い返事をしたペッシは、カーテンも掛かっていない小さな窓から外を眺める。とある一室の扉がギアッチョによって施された氷で塞がれている。
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