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    ashi_5687

    らくがき・進捗置き場時々えっちなやつ
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    ashi_5687

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    ロー君にこの最初の台詞を言わせたいがために書いた文章。ロールなんですけど、続きは何も考えてない。現パロ。
    恵まれた家庭に生まれ育って全て奪われた原作のトラファルガー・ローが性癖すぎる。

    無題 私は、とローは言った。

    「私は、多くの罪を犯しました。人を殺め、陥れました。その事について今更後悔はないが、もし、その報いに私からなにかを奪うというのなら、それは私自身にしてくれないだろうか。私の罪と無関係な子供ではなく」

     深夜の病院。集中治療室の前に一人取り残されたローは、ダークブラウンの合皮が張られた粗末な長椅子に腰掛けると、細長い指を組んだ両手を額に当て、目を瞑り、そして祈った。声は出さないで、心の中で言葉を紡いだ。あの、人好きのする朗らかな少年に初めて出会った頃の自分を思い、その時の自身の選択を後悔しながら。
     一年前のあの日。太陽が強く照りつけ、自分の背後にくっきりと映し出された影が印象的だった日。地上に生きる罪深き者どもを罰し、すべてを焼き尽くすかのように思われた強い陽射しを覚えている。
     無菌的な青白い照明がリノリウムの床に反射し、拡散し、病院の廊下独特の消毒液や化学薬品の匂いが鼻をつく。経年により薄汚れた白い壁は所々に薄いヒビが入っていて、頭上の蛍光灯がぶうん、と鈍い音を立てていた。

     そうして、ただ時間だけがすぎる無力感の中、ローは思った。あいつをこちら側に踏み入れさせるべきではなかった。シンバはムファサの弱点だ。ずる賢いハイエナたちの巣窟に、たった一匹の獅子の子供の存在は格好の餌食だった。
     しかし、皮肉なことに、ローのこうした考えは、こちら側の世界に足を踏み入れることを許したあの日のローが、少年と一年を共にすごし、そうして抱くようになった感情に起因するものでもあった。そしてそれは同時に、彼がどう足掻こうと、ハイエナ側の住人である現実を突きつけた。
     

     それでもローは、祈り続けた。ただの気休めだと知っていてもなお、祈らずにはいられなかった。

    「私は神など信じません。あの日、全てが焼け落ちた日、私の中の神も焼け死にました。けれども、もしあなたがいるというのなら、この子供をお救い下さい。彼に、救わせてください。どうか」

     彼もかつては祈りを捧げ、神に救いや祝福を求め、善行を心がける敬虔なキリスト教徒だったが、彼の家族は父親の元患者に生きたまま焼かれた。父は、優秀な町医者で、母は優しく、妹はまだ幼かった。その日は日曜日で、家族で教会から帰ってきてすぐのことだった。
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    ashi_5687

    DOODLE昔書いた冬の海のローサンに反応頂いて、懐かしい〜!て気持ちになったので、小説投稿し直し🙏🏼書き直したいところ結構あるけどまあそのままで😂
    死ネタです。
    無題/ローサン アイツはある日突然、死期を悟った野良猫のように、何も残さずおれの前から消えた。そして今日、五年越しに手紙が届いた。「この手紙は、おれが死んだら渡すように言伝した。」から始まる、おれへの謝罪と今住んでいる地について、そしてかつて過ごした日々のことを綴った短い手紙。涙も出なかった。
     その手紙を持って、アイツが死ぬまでの五年間を過ごしたらしいその地を訪れた。そこは小さな港町で、二月の早朝は人もまばらだ。吐く息は白く、鼻先と耳は冷たくて痛む。
     防波堤に沿って歩く。人の住む気配のない木造家屋、地蔵が祀られている小さな祠、長年強い日差しに晒されて劣化し色褪せた、バス停のブルーのベンチ。防波堤の石階段を上り、さらにその上を歩む。砂浜が見えた。防波堤のすぐ側では、海浜植物が打ち捨てられた漁船の船底を突き破り、まるで船体を丸呑みする大きな生き物の様に覆っている。砂浜に足を踏み入れ、波打ち際まで歩いた。潮の流れの影響か、漂着したゴミばかりだったが、そんなことは構わなかった。波打ち際の流木の上に腰かけ、しばらく遠くを眺めた。
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