無意識に頑張りすぎて熱を出す🐬とどうにかしたい🦈の話あれ、ジェイドもしかして。
ニコニコしながらトレーを左手に乗せて、オキャクサマへとドリンクやフードをテキパキ運ぶきょうだいは、どう見たっていつも通り。
それなのにそんなことを思ったのは、いわゆる経験則ってヤツだった。
「ジェイド。それオレ運んどくから、休憩行ってきていいよぉ」
「?いえ。休憩なら、もう少し落ち着いてからいただくので大丈夫ですよ」
「いーから。貸して」
「あっ、」
白いグローブからそれを拐って、トントンとフロアの上で踵を鳴らす。7卓と8卓ね、オッケー。
「お待たせしましたぁ」
シーフードピザになりまぁす、なんてご注文の品を読み上げながらサーブして。モストロ・ラウンジが開店したばっかりの頃、アズールにネチネチしつこく言われたせいで、意識しなくたって料理に触れないよう、自然とオレの親指は伸びるようになっていた。
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