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    あめお

    @am_mio57

    清光世界一かわいいよ

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    あめお

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    鶴清がただイチャイチャしてるだけ(未完)

    #鶴丸国永
    kuninagaTsurumaru
    #加州清光
    californiaClearLight
    #鶴清
    craneQing
    #刀剣乱腐
    swordCorruption

    たまにはくっつきたい 部屋に入ってもいいかと襖の外から問えば二つ返事で承諾された。
    「どうした?」
     壁に向かって机に肘をつき書物を読んでいたらしい鶴丸さんは、内番着の上から戦装束の羽織を羽織っている。いつものように甘やかに微笑んで迎えてくれた彼だが、俺がいつもより無愛想に「ちょっと前向いてて」と言ったらさすがに不思議そうな顔をした。
     振り向く形で捻った上半身を言われるままに元に戻したその隙に、
    「うおっ!?」
     俺は背後から羽織のフードを掴んで鶴丸さんにかぶせ、背中に頭を押し付けた。鶴丸さんは「何だ何だ急にどうした?」と戸惑っている。
    「…………ぎゅってしてもいいですか」
    「えっ? それはもちろん構わないが……、というか別に訊かなくても」
     まだ落ち着かない様子の鶴丸さんの肩の上から腕を回し、首元へ抱きつく。フード越しに頬を擦り寄せると、鶴丸さんは俺の腕をぽんぽんと優しく叩いた。
    「驚いたな。どういう風の吹き回しだい? 珍しいじゃないか」
     何も答えない俺をあやすように、その手が頭を撫でる。たったそれだけのことに、不覚にも胸が締め付けられた。
     こうやって触れるのを許してくれていることとか、手つきの優しさとか、そもそもここに居ることだとかまで遡り、色んなことが混ざり合って。
    「俺の背中がそんなに居心地がいいとは知らなかったな」
    「居心地……は、良くはない……硬いし細いし……」
    「また随分な言いようだなぁ」
     肩が揺れる。表情は見えなくても笑っているのが声色で分かる。
    「ただの甘えたがりなら、きみが嫌と言うほど甘やかしてやるぜ? もふもふでも、ふかふかでもないが」
    「べつに柔らかくなくていい」
    「おっ、じゃあどうだい、その硬いのともっと抱き合ったりあんなことやそんなことをしてみるってのは」
    「それは遠慮しとく」
    「……俺からしたらお預けを食らってるようなもんなんだが」
     鶴丸さんは片手でもそもそとフードを脱ぐ。心地よいはずの温かさが、また切なく胸を締め付ける要因になった。
    「……つるまるさんは」
    「ん?」
    「鶴丸さんは、俺が守るから……」
    「え!?」
     ひっくり返った声が上がる。
    「それは、何と言うか……逆に俺が言いたい台詞だな……?」
    「おれ、結構強いよ」
    「そりゃあ当然知っているが」
     鶴丸さんは頭をぐいっと上に向けた。後ろに傾いた背に押され、俺は少しよろめく。
    「分かった、また他所の本丸の俺が何かやらかしたんだろう。今度はどこの俺だ?」
     そろそろと腕をはずした俺はすとんと正座になり、
    「……ミュージカル」
     小さな声で正直に答えた。
    「的中か」
     はぁやれやれまたかと鶴丸さんはため息をついた。今回が初めてではないのだ。よその本丸の鶴丸国永が何か重めなことをしでかすのを見て、周囲が勝手に不安がるのは。
     腰の位置をずりずりとずらし、鶴丸さんは俺に凭れかかって言った。
    「あのな。見た目やら声やらは俺と同じかもしれないが、今ここにいるこの俺とは別だろう? その鶴丸国永は。そこを忘れてもらっちゃ困るぜ」
    「分かってるけどー……」
     後ろに片手をついて体を支えながら、俺はもう片方の手を鶴丸さんの体に回す。
    「これに限んないけどさ。鶴丸さんが辛い思いするの想像しただけで、なんか、……絶対やだからね俺そんなの」
     白銀の髪に額で触れた。
    「鶴丸さんには幸せでいてほしい……」
     俺が情けない声で言うと、鶴丸さんはしばし沈黙していたが、ふっと息を漏らして「……じゃあ、」と手のひらを俺の手に重ね、辿るように俺の腕を撫でた。
    「さっそく今。きみに幸せにしてもらおうか」
    「俺に?」
    「いつ来るかも分からない危険から守るより、とりあえず手近なところから頼めるか?」
    「俺にできる幸せってあるかなぁ」
    「そりゃあもう、いくらでもあるだろ」
     よいしょと体を起こして、鶴丸さんは体ごとこちらを向いた。久しぶりに見えた表情は柔らかい。俺としっかり目を合わせると、楽しいことでも見つけたかのように微笑んだ。
     俺に向けて両腕を広げる。
    「ぎゅっとしてもいいかい?」
     どこかで聞いた台詞だ。
    「えっ、……と」
    「ん? 躊躇うところか? 幸せにしてくれるんだろ」
    「言ったけど、どっちかというとそれで幸せになるのは俺の方じゃ……?」
     素朴な疑問をそのまま口にすると鶴丸さんは眉間に皺を寄せ、まるで未知の生物にでも出会ったかのように俺をまじまじと見た。
    「……きみは俺にぎゅっとされると幸せになるのか?」
    「え、うん」
     返答から一拍あけて、鶴丸さんは額に手を当てると大きなため息をついた。
    「そういう、そういうところがな、本当にきみは、……あ~~~」
     俺に向けてかと思いきや半ば独り言みたいに言う鶴丸さんの耳が、よく見ると赤くなっている。これは、照れてる?
    「それなら尚更だ。しない理由がない。ぎゅっとさせてくれ」
     さあ来いと膝立ちになって腕を広げて待っている鶴丸さんの険しい顔に少し気圧され、甘えると言うよりは挑みかかるように、俺はじりじりと距離を詰め——鶴丸さんの間合いに入ったら、瞬く間にその腕の中に閉じ込められた。
     もふもふでもふかふかでもない。感触としては硬いし、ただぎゅっとされているだけなのに、体温のあたたかさと何かぽわぽわした気持ちに包まれる。ためらいながら背中に手を回してみたら、鶴丸さんはますます腕の力を強めて片手で俺の頭をがっちりホールドし、頬を擦り寄せてきた。俺はされるがままだ。
    「……幸せになった?」
    「なってる」
     鶴丸さんの声が身体を伝って優しく響く。
    「毎日驚きがあって、出番があって。きみを愛させてくれて、愛してもらえて、こうしてきみに触れられる。これで幸せじゃないわけがないだろ」
     なんて甘い言葉だろう。
     今頃になってじわじわと気恥ずかしさが込み上げてきて、思わず「うぅ」なんて唸ってしまった。鶴丸さんは「すまん、苦しかったか」と腕を緩めてくれたが、それで顔を覗き込まれてしまっては根本的な解決には至らない。
     だけど。
    「加州?」
    「……や、あの、苦しいのは大丈夫なんだけど、」
     これは言葉にしなくては。
    「お、俺も……」
     なんとか絞り出した声を鶴丸さんはきょとんとしながらも聞いてくれて、「幸せになったか?」と尋ねてきた。俺はひとつ頷く。
    「……なってる」
     どこかで聞いた台詞。今日は真似っこばかりだ。
     鶴丸さんは驚いた顔を崩して笑った。
    「そうか、相思相愛だな!」
     その顔があまりにも嬉しそうで、「真っ赤だなぁ」と揶揄われても何も言い返せなかった。この状況で平気でいるなんて無理に決まっている。
    「つきましては、加州さん」
     鶴丸さんの指の背が俺の頬に優しく触れる。
    「もっと甘やかさせてほしいんですが」
    「え、これ以上?」
    「上には上がありますので。今はそうしたい気分です」
     謎の口調に茶化されて
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