ウリセンボーイの虎杖悠仁に恋する高給ストーカーは誰か「マジかよ……」
ゴミを荒らされた、郵便物を盗まれた、と来れば部屋に盗聴器の一つや二つあってもおかしくない。だからよく探してみるといい。そうアドバイスをくれたのは店長の夏油さんだった。
今俺がため息をついている理由はと言うと、店長の予感がズバリ的中していたせいだ。コンセントを外すとその中から盗聴器が出てきた。えーっと、俺は今から他のコンセントも全部確認しないと寝れないってこと?もう深夜二時なんですけど。
「マジかよぉ……」
俺は涙目になりながら、八つ当たりの意味も込めて盗聴器を拳でぶっ叩いた。それが砕ける音よりも、拳が床に衝突する音の方が大きく響いた。集合住宅だから苦情が来るかもしれない。でもこっちは正直、それどころじゃないのだ。
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