ティータイム(欲求不満な昼休み) 紅茶のペットボトルを投げつけると、狡噛は曲線を描いたそれをきれいに受け止めた。アールグレイのホット、茶葉に文句をつけなきゃ結構美味い安価なもの。
「それで、捜査は進展したのか?」
昼食休憩で官舎の俺の部屋に戻って来た狡噛に尋ねると(俺は今日は休日だった)、首を振ってペットボトルの蓋を開けた。そんなに簡単に仕事は進まないということだろう。だったら慰めてやるか、そう思って俺は彼のそばに行き、ソファに座り、わざとらしくしなだれかかかった。狡噛はそれに眉をあげて、そして紅茶のペットボトルに口をつける。このままキスをしてもいいかもなとは思うけれど、彼は休憩中とはいえ仕事中で、休日なのは俺だけで、つまり彼を邪魔してはいけなかった。
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